2024年02月04日

【レジュメ先行公開】日本地理教育学会例会 2月例会

 今週末に行われる日本地理教育学会の例会に登壇することになりました。

 アメリカ、ESRI社からJoseph Kerski博士(元全米地理教育協議会会長/”いとちり”を立ち上げるヒントともなった、アメリカ地理教育界を代表するGIS教材の匠(たくみ))をお招きしての会です。

 前回、師匠にお会いしたのは2015年(SNS便利です)。学校のICTをめぐる環境も随分変化しました。何より、すべての高校生が「地理総合」(文科省によると、英訳は”Geography"でいいようです。「地理探究」は”Advanced Geograpy")を学ぶことになるとは・・・。

 自分自身が、「地理総合」を担当して1年目でしたので、成果と課題というか、反省と反省の弁を述べます。レジュメを先行公開させてもらいます。

 当日は、対面参加は事前申し込みは要りませんが、オンライン視聴の場合は事前申し込みが必要なようです。詳しくは、学会のWebサイトをご覧下さい。

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前回来日時の師匠と(2015.10.19)
【レジュメ】

posted by いとちり at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月07日

高等学校地理における ICT 活用の実情(静岡大学地歴教員養成講座)

 静岡大学の「地歴教員養成講座」にお招きいただきました。

 この講座に出るのは2回目、2018年9月以来です。
(当時の資料がこちら
 奇しくも今回も「毎日できる」がキーコンセプトになっています。毎日(毎時間)GISを授業で使いこなすことはできるか?今のところ「できる」状態をキープしています。

 現役大学生の模擬授業の後、地理におけるアクティブラーニングの権威、沼津東高校の鈴木先生、静岡大学の山本先生、参加された方々を交えて討論会のような形で勉強させてもらいました。

 「アクティブラーニング」という言葉がよく聞かれますが、何を持ってしてアクティブなのか、GISを媒介としてどうやって学習効率を高めていくか、模索は続きますが、「シン・いとちり式」の教材レシピ集をまとめて世に問いたいと改めて思いました。
 ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

【レジュメ】

【スライド】
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posted by いとちり at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月10日

「ランキングマップ世界地理」を使った授業教材例(1)地理総合「宗教の分布と生活文化」

 ちくまプリマー新書『ランキングマップ世界地理』、手に取っていただけたでしょうか?
 思いのほか、電子版がよく売れているようで、同業の皆様の教材需要があるのかな?と見ております。

 「地理総合」で、宗教関係に割ける時間は1時間。各地域別の細かいところは地誌分野、あるいは地理探究で扱うとして、地図から国を当ててもらうワークを作ってみました。ロイロノートでは、ワークシートに添えたカードを置く形で、当てはまる国を考えます。講義に25分、ワークに15分ぐらいで考えています。Webで動く「MANDARA-JS」を動かしながら色々と考えさせたいところですが、画像だけ用意して、とにかく国の位置や聖地を知ってもらおうと思っています。
 ワークシート(プリント)と画像をアップしますので、加工してご自由にお使いください。

【ワークシートはこちら】

【分布図の画像はこちら】
キリスト教の分布.jpgイスラム教の分布.jpg仏教の分布.jpg

こんなかんじでロイロノート上で展開します
ロイロの画面.jpg
表の上に国を置いて、提出したら作業完了です。
ロイロ2.jpg

分布の特色や見どころについては、『ランキングマップ世界地理』をご覧下さい。

posted by いとちり at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月02日

地図で知る富士市の災害(防災講話スライド)

 勤務校で9月1日の防災訓練に変わる防災講話ということで、全校生徒向けにお話しした講話のスライドをアップします。Zoomで各教室をつないで講話の後、簡単な話し合い活動をしてもらいました。

 「一人一台端末」の時代、当初は600人の生徒に「地理院地図」を動かしてもらおうと画策したのですが、さすがにそれは厳しそうなので、こちらで地図を用意しました。2年生より下の学年は「地理総合」で全員触れる機会があります。

 一口に「災害に備えよう」と言いますが、防災訓練の定番である地震や津波は滅多に来るものではありません。一方で、風水害は頻繁に起こるようになりました。「地震を取るか、風水害を取るか?」の二択ではなく、普段の風水害のリスクや大雨が降った時の情報に対する付き合い方を見直していくことで、より大きな、よりレアな災害に対しても落ち着いて対応できるのではないかと個人的には考えています。スライドにも書きましたが、以下に「正常性のバイアス」を克服するかが、防災教育の大切な使命なのではないかと思っています。

 特に我々富士山の麓はなぜか大きな台風の被害が少なく、「富士山がきっと何かガードしているんじゃないか?」と、もっともらしく言う大人もいます。ただ、改めて歴史をひもといてみますと、富士市の田子ノ浦地域は、津波・高潮の常襲地域です。田子の浦港が昭和36年に作られ、掘り込み式の港湾の建設で、河口の水深が深くなったため、高潮の被害は減っていますが、開港以降も高潮は発生していますし、地震による大津波はまだ起きていませんので、どうなるかはわかりません。また、富士川、潤井川、沼川の三大「暴れ川」がおとなしくなった後、低地が宅地開発され、道路や大型小売店舗の駐車場は舗装されル一方で、農業用の水路が住宅街を走り、下水道網が巡らされるようになった結果、日常的に内水氾濫に見舞われる地域も出てきました。もはや「浸るか、浸らないか?」ではなく、「浸水深はどこまで行くか?」が関心事になっている状況です。

  必修科目となった「地理総合」でも、防災に関する単元がありますが、ある程度具体的な地域を事例として取り上げたり、身の回りの地域でない場所でも、他山の石となる場所のケーススタディをする必要があるように思います。

 感想を読む限り、サブタイトルに掲げた「自分のアタマで考えるヒント」は提供できたのではないかと思います。
 この講話をきっかけに、探究活動で防災を取り上げてくれる生徒が増えたらよいなと思っています。
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posted by いとちり at 14:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【9/7発売】新刊『ランキングマップ世界地理』”まえがき”公開

 9月7日に、ちくまプリマー新書から新刊『ランキングマップ世界地理ー統計を地図にしてみよう』が刊行されます。
前作、『地図化すると世界の動きが見えてくる』(ベレ出版)を見てくださった編集担当から企画を頂き、世界ランキング(上位だけでなく下位、最新だけでなく過去との比較)の視点を入れた上で、世界の統計を地図に表しました。

 初の新書であると同時に、過去の3冊がいずれも横書きの書籍だったので、自身としては初めての縦書きの本です。また、オール白黒ページで新書サイズにどうやって地図を落とし込むか、文章よりも地図の作成に労力を割きました。MANDARAを基本にすべて私の自作の図なので、プロのデザイナーさんが作図した一般書に比べると手作り感が抜けないというか、見づらいところもあるかもしれませんが、「漁師の料理」と思って温かい目で見ていただければ幸いです。素材の味と、ボリューム(2ページに1回は地図が登場します)に関しては自信があります。

 出版元から許可を得ましたので、書籍から「まえがきに代えて」の部分を公開します。まえがきから地図が登場しますが、本書のコンセプトを伝える上で地図は欠かせないと思い、「ランキング」ということで連想することが多そうな、サッカーのワールドカップのランキングをネタにしてみました。掲載したPDFファイルは原稿からのものです。

 発売は9月7日ですが、Amazon等で予約を受け付けています。
 前作同様に、「社会人が通勤途中で気軽に読み流せる地理書」になりました。更にプリマー新書のエディションが加わることで「地理好きの生徒・学生が、誰かに語ったりツイートしたくなる本」になったと自負しています。ぜひ手に取っていただければと思います。
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posted by いとちり at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする