2018年02月18日

新学習指導要領へのパブリック・コメント

 すでにあちこちで話題になっていますが、2022年度高校入学生(現:小学校5年生)から実施される新しい高等学校学習指導要領の案が公開されました。3月15日まで、「パブリック・コメント」を募集しています。

 仕事が仕事なので、とにもかくにもこの通りにやっていくわけで、個人的にはやっと地理が必修に戻ったという事でやる気に満ちてはいます。特に新必修科目「地理総合」は、ここまで思い切って変えましたか!というくらい、シンプルかつ中身の濃いものになっていますので、今までになかった面白い実践がどんどん生まれてくるように思います。
 ただ、中身がいくら充実しているからと言っても、実際にそれを動かすのは現場の教員です。現場の教員が新しい指導要領の趣旨を理解していなかったり、非難(避難?)を決め込んで骨抜きにされてしまっては元も子もありません。いくつか懸念される事がありますので、パブリック・コメントに書かせてもらいました。以下、備忘録を兼ねて転載します。

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   静岡県の高等学校(県立裾野高等学校)で地理歴史・公民を担当している教員です。
 新必修科目、「地理総合」「歴史総合」の目的および教育方法の周知徹底のために、二点、コメントを述べさせていただきます。

(1)移行措置期間における先行実施の推進
 「移行措置」期間において、教育課程上実施しやすい学校(例えば、2単位の「地理A」、「世界史A」「日本史A」を置いている実業校、総合学科校等で、これらの科目に代えて「地理総合」「歴史総合」の設置と履修を認める措置をとっていただきたいと思います。
 長らく「地理A」および「地理B」は必修科目から外れ、特に進学校で文系に所属していた教員は、高校で地理を履修していない人が多くいます。2022年度から一斉に必修化されると、開講単位数が一気に増える一方で、地理の履修経験、指導経験に乏しい教員が、アクティブ・ラーニングを軸に置いた全く新しい地理教育に携わることになります。既に日本学術会議(地理教育分科会)や地理関係の学会では、この問題について議論が行われていますが、先行実施校を置いた上で、地理を専門とする教員が教材開発やカリキュラムデザインを進めて行くことが必要かと思われます。

(2)「抜け道」を避けるための対策と指導徹底
 今回の改定案を受けて、新たな取り組みに燃える現場の教員も多くいる一方で、今までの指導とは全く異なる内容に当惑している教員も少なくありません。ただ、「地理総合」&「地理探究」、「歴史総合」&「日本史・世界史探究」が合わせて6単位であることから、特に進学校に置いて、従来の「B科目」と同じように、連続履修の形を取ればよいという議論も多々見受けられます。すなわち、地理ならば高校2年次に「地理総合」(中身は従来型の系統地理の講義)、高校3年次に「地理探究」(中身は地誌と問題演習)の形に、「歴史総合」を゛世界史コース”と”日本史コース”に最初から分けて、2年次に近代史、3年次に古代・中世の講義を行うというものです。これでは、新指導要領の趣旨とは全くかけ離れた旧来型の知識伝達教育が繰り返されます。また、場合によっては「地理総合」の時間ですら、「歴史を踏まえた地域の探求」と称して、歴史学習の時間に充てるべきだという意見も、歴史教育関係の公的な研究会で出されていたという話を耳にしています。
 「未履修問題」という苦い経験を経ているにも拘らず、「現場の論理」「受験に対応した」「子供たちのために」という論理で、折角の新指導要領が骨抜きになってしまいかねないことを懸念しています。また、そうした教育慣行を教育委員会も黙認している風潮も改まらない状況が続いています。
 今後、各教育委員会経由で現場への周知のための研修等が行われて行きますが、丁寧な趣旨の伝達と、「抜け道」を作らせないための指導徹底をお願いしたい所存です。
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2018年02月17日

日本地図学会賞受賞/再重版決定のお知らせ

 地図化すると世の中が見えてくる』をはじめ、学校教育および一般向けの地図教育・普及活動に尽力したとのことで、日本地図学会賞(教育普及賞)を頂きました。本日、立正大学で行われた授賞式で、賞状とクリスタルトロフィーを授与していただきました。
 また、先週、本書の再重版が決定しました。第二弾(地誌編)も、原稿校正に入っています。今後とも、『地図化すると世の中が見えてくる』をよろしくお願いします。

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本の紹介(ベレ出版ホームページへ)
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2018年02月06日

カリスマ地理教師から経営者へ(帝国書院「地理・地図資料」2018年3学期号)

  昨年8月に倉敷市でやらせてもらった帝国書院100周年記念事業の講演を記事にしました。
  帝国書院の高校教員向けの冊子「地理・地図資料」に掲載されましたので、同社サイトの当該ページにリンクします。
 ちょうど昨日、現地を案内して下さった地元の花屋の社長さん(お墓の維持管理をされ、郷土史にも造詣が深い)からお電話を頂き、「地元の人相手に、またなんか喋ってくれんか?」というお話を頂いていたところなので、早速1冊送らせていただいたところです。正月に書いたように、地元では「守屋墓」(もりやはか)の存在は知られていますが、どんな方のお墓なのかは、あまり知られていないようです。
 昨秋お招きいただいた、帝国書院100周年記念式典には、倉敷の伊東香織市長もお見えになっていました。ある意味で「地理教育の聖地」として盛り立てていければと思います。

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【画像をクリックすると帝国書院のサイトにリンクします】

【リンク】


「地理の神」への初詣いとちり:2018年1月4日)
 JR西阿知駅から銅像のある小学校、「守屋墓」への行き方を地図と写真で案内しています。

  表紙には100周年のあゆみ、「トピックス」には、地図帳作りの現場をまとめた動画があり
  ます。

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2018年02月03日

地理教員の山村留学・・・近未来の若手育成を考える

 ちょっと気になるニュースを紹介してもらいましたので、備忘録を兼ねて書きます。

以下、引用
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選択科目の教師を独自採用(NHK島根)2018.2.2


  島根県は中山間地域や離島の一部の公立高校で、教員不足のため現在は行われていない地理や美術といった選択科目について、県独自の予算で教員を増やして授業を行う方針を固めました。
  県立高校の教職員の定数は国の法律で生徒数に基づいて定められているため、島根県の中山間地域や離島では生徒数が減るに伴って教員を十分に確保できず、選択科目のうち地理や美術の授業が行われていない高校があります。
   一方で、中山間地域や離島の公立高校では「しまね留学」として県外からの入学者を受け入れているところもあり、島根県はこうした高校の教育の充実を図るため、県単独の予算で教員を増やす方針を固めました。
   具体的には「地理」と「美術」の科目を教える教員、あわせて6人を採用する方針です。
   一方、島根県は、県立高校の教員の負担軽減に向けて事務作業を行う非常勤職員を新たに配置するほか、生徒の判断力などを養うアクティブラーニング型の授業に必要なICT環境の整備などもあわせて行う方針です。島根県はこれらにかかる人件費など、あわせて1億2000万円あまりを新年度予算案に盛り込み、2月19日に開会する2月県議会に提出する予定です。
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 隠岐島(→記事)の特色ある実践や、中山間地域の振興、過疎地の倉庫を活用したネット古書店「エコカレッジ」(→紹介記事)など、何かと「おー、そう来るかー」という取り組みが行われている島根県の教育シーンですが、今度はこう来たようです。
 過疎地の悩みの一つとして、教員が少なく、一人の教員が多くの科目を担当すること。中学校では「免許外担当」が当たり前ですし、高校では「専門外の科目は最初から開講しない」なんてことが当たり前です(過疎地に限ったことではないかもしれませんが)。また、教員の構成も管理職以外はみんな20代、30代のような事もありますし、偏差値レベルも決して高くありません。大学以上に進学したい子は都市部の高校に遠距離通学、あるいは高校から下宿して通い、地元に残る生徒はそれがかなわない子という図式も定着しています。少子化が進む中で、高校の存続自体が危うくなっており、他県を含めた広域で越境入学を促しているところが多いのが実情です。

 そのような中で、あえて「地理」と「美術」と具体的な教科、科目を打ち出して独自の採用枠を設けた島根県の政策は注目したいところです。マイナー科目で過疎地では特に非常勤講師の確保が難しいこと、2022年から高校で「地理総合」が必修化されることを意識して
地理を教えられる教員を確保しておきたいことなど、背景は色々と察することが出来ます。 
  ただ、「君は過疎地枠で採用されたんだから、基本的に過疎地を回ってもらうよ」という人事が果たして成り立つのか、あるいは公立高校ながら「新規採用から退職まで、ずーっとこの学校ね」なんてことが成り立つのか(それでよいのか?)、その枠を目がけてちゃんと人が集まるのか等、ちょっと疑問を感じるところがあります。もともとその土地の生まれで、そこに住みたいという人ならともあれ、教員のライフステージの変化の中で、事情も変わってくる可能性があります。また、限られた予算の枠の中で正教員を増やすといってもせいぜい2,3人が限界だと思いますし、県の税収自体が減っていく中で、「過疎地枠採用」がどこまで続くかは見えません。

 一案として、「過疎地枠」の採用枠を有期雇用(常勤講師)として、3年間限定の採用とするのはどうかと思います。「地域おこし協力隊」を参考に、過疎地への教員としての赴任を前提に、給与と住居を保証するものです。慶應義塾大学(SFC)が始める地域おこし研究員地域おこし協力隊の活動をしながら大学院の政策・メディア研究科の大学院生として修士号の取得を目指す)のように、教職大学院と組んで修士号の取得を目指すコースを作ってもいいのではないかと思います。

 地理教員の学びは、何と言っても地域にあります。フィールドに出て、人と関わりながら理論と実際をつなぎ、教材を作っていくことで、教師としての幅が広がります。ただ、残念なことに、若いうちはフィールド云々いう前に、雑務が多すぎてとてもそんなことは出来ないのが実情です。
 田舎の小さな学校が楽かというと決してそんなことはありませんし、むしろ少ない人員で一人で何役もこなしたり、若くしてチームリーダー(学年主任や課長)をしなければなりません。そうした先生がいる一方で、゛3年限定のインターン”として、特定のミッションを持った若い先生が入れ替わり立ち代わり来るような環境があってもいいように思います。ちょうどALT(英語の授業を補佐するネイティブ外国人。原則2年交代)みたいなものです。
 早稲田大学の学生さんが、1年間休学して島根県津和野町に「地域おこし協力隊」として
派遣され、町営英語塾や地元の高校の活性化に取り組んだケースが紹介されています。
(→記事)彼は1年間のミッションでしたが、色々なところにニーズはあると思います。

 大学を出て、教職に就きたい学生の受け皿として(卒業した大学のある街や地元で1年更新の非正規雇用を続けながら正採用を目指すよりは、はるかにいい条件だと思います)、若手教員のスキルアップの場として(休職あるいは出向という形で)、定年退職者の再任用手段の一つとして、「期間限定であえて過疎地に飛び込む」という選択肢を用意することで、全国から優秀な人材を集められるのではないかと思います
 教職大学院と連携して修士号をというアイデアを書きましたが、教員免許の臨時免許は最大3年間有効ですので、教員免許を持たない社会人に臨時免許を発行し、通信制大学院に通って正規免許を取ってもらうという方法もあると思います。そうすれば、企業を退職して一念発起で教員になりたい」という人に生活の場と実践の場を提供する機会になると思います。
 過疎地の高校では、寮を併設するなどして県外からの越境入学者を積極的に集めています。少人数教育、自然に囲まれた環境、人間関係のリセット等、動機は様々かと思いますが、教員もまた越境募集の仕組みを整えることで多彩な人材が集まる、魅力的な学校になるのではないかと思います。制度だけでなく、最新鋭のICT環境や予算の決裁権(特に外に出る交通費)を与えて、成果を外へ発信するための支援も必要でしょう。

 予算には限りがあります。単純に「枠を作って人を増やして送ったからOK」という訳にも行かないと思います。どう活用するか、効果をどう検証するか、島根県の取り組みは、全国の過疎地の高校教育を活性化させる上でのヒントになるように思います。議会での議論、
来年度の取り組みに注目して行きたいところです。




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2018年01月14日

センター地理「ムーミン」問題の解法

 今年のセンター試験の地理Bの第5問―問4:「ムーミンの出身地」問題について、物議をかもしていますが、関係者から見ると、いたって普通のセンター式問題(むしろ良問)です。
 Twitterのボヤキを根拠とするセンセーショナルな報道に違和感を感じるので、解法と出題者側の考え方(学習指導要領等を踏まえて)を書きます。

まず、問題を転載します。
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東進「センター試験解答速報2018」地理B 第5問 問4

 新聞では、図の部分のみを載せて、いかにも「ムーミンの出身地を聞くクイズのような問題が出た」ような書き方をしていますが、問題文全体を見る事が必要です。
 本文で大事なワードは、「3か国の文化の共通性と言語の違い」です。つまり、受験生が特定のアニメの舞台について知っているかどうかを問うているのではなく、北欧三カ国の文化的な特徴(自然条件、社会条件に影響を受ける形で形成されている)と、言語的な差異をちゃんと理解しているかどうか?を聞いているわけです。
 そういう点を踏まえると、新聞各紙の見出しは「あらあら・・・」というものばかりですね。

 文句はさておき、解法に行きます。とりあえず、受験生が「ムーミンはフィンランドのお話」ということや、「ムーミンというアニメが存在する」ことすら知らないかもしれないという前提で進めて行きましょう。

(1)見本となっているスウェーデン語のサンプルから考える
サンプルにスウェーデンを出している所が大きなポイントです。
 なぜなら、スウェーデンは、北欧諸国の文化的な特徴として共通する要素を持っている国だからです。
 具体的には@言語がゲルマン系であること、Aキリスト教の宗派がプロテスタント系が多いことです。ゲルマンかつプロテスタントは、他にはイギリス、ドイツ、デンマーク、オランダ、そしてノルウェーなどががあります。つまり、「スウェーデン語と似た語彙がある言語がノルウェー語」ということを冷静に見極められれば、あいさつのカードでノルウェー語を選べます。フィンランドの「フィン人」は、ハンガリーと共に、ゲルマン・ラテン・スラブの三語派に入らない独自の言語体系を持つ民族なので、「民族島」と呼ばれています。
 この原則(これは、地理AでもBでも必ず扱う基礎です)を知っていれば、AとB、どちらがノルウェー語(スウェーデン語に近い言語)かは一目瞭然ですね。

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(2)「ムーミン」ではなく、「バイキング」がどちらの国かを考える
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「ムーミン」は聞いたことあっても、「小さなバイキングピッケ」は知らないという受験生が多かったと思います。緊張していた中で、「ムーミンの出身地????」とパニックになった人がいたかもしれませんが、問題のキーは、バイキングの方にあります。
 世界史(必修です)で「ノルマン人」というのが出てきますが、北海を暴れまわった海洋民族の一部がバイキングです。彼らはグレートブリテン島(現在のイギリス)に上陸して諸部族をなぎ倒して「ノルマン朝」という王朝を作りました。イギリスとノルウェーは、北海油田の権益を分け合い、共にEUと反目する(ノルウェーはEU非加盟)国でもあります。
 新聞で予備校の先生が、「バイキングがノルウェーだってわかっていれば解ける問題」とコメントしていましたが、たとえそれを知らなくても、バイキング=北海を暴れまわった人々と考えた時、ノルウェーとフィンランド、どちらが拠点を持ちやすいか?で考えてもよいかと思います。
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 ノルウェーといえばフィヨルド北大西洋海流氷河地形といった語が教科書的には出てきます。狭く深い入り江(嵐があっても退避しやすい、多くの船を係留できる)、高緯度でも冬に凍らない港、豊富な森林資源、そして氷河地形で肥沃な土地が少なく、農業ではなく外に打って出るしかない地域的な風土から、ノルウェーの人々はフィヨルドを拠点に交易や軍事に明け暮れてきたと考えられます。フィンランドはそうした港が多くない代わりに氷河湖と森林に恵まれた地で、森林資源や水を生かした産業、紙・パルプやICT産業が盛んです。また、北部ではトナカイの遊牧を行うラップ人がいます。
 ノルウェーサーモン、冷凍サバ、シシャモなど、ノルウェー産の魚介類は日本でも多く出回っています。何はともあれ「海=ノルウェー」の図式にたどり着ければ、ピッケ君はノルウェー人という答えにたどり着きます。繰り返します。「ムーミンは何人?」という知識はほとんど必要ありません。

 「そんなの知らない」「授業で聞いたことがない」「教科書に載ってないじゃないか」・・・出題者が悪いと悪態をつくのは簡単です。ただ、Twitterで嘆いたところで点数が上がる訳ではありません。厳しい言い方をしますが、責めるべきは出題者ではなく、「わからない=思考終了」してしまった自分自身なのです。
 センター試験は、1点の差で何千人もの順位が変わる厳しい試験ですし、人生かかった大事な試験をたった1日の試験で、しかも4択で決めるのはどうかという考えもあります(間もなく変わりますが)が、ピンチを迎えた時に、「では、どうすれば正解に持っていけるんだろう?」と、しっかり脳みそに汗をかけたか否かにあるのではないかと思うのです。

 実際、言葉のスペルの違いから言語グループを選ぶ問題は、センターの地理では定番ともいえる問題で、決して目新しいものではありません。ヨーロッパの民族の多様性も、現代のヨーロッパを考える上で欠かせないところですから、じっくりやります。そうした基礎的な知識を総動員して、「わからなければ、手持ちのネタでどうにかして考える」のが足りなかったんだなと反省して、気持ちを切り替えて次に望めばいいのです・2次試験で地理を使う人はぐっと減ると思いますが、「うわ、こんな時に限って公式を忘れてしまった」とか、「構文がわからん」という時に、「・・・落ち着け。今、手持ちの知識と時間で何とか答えを出そう。出すプロセスは書いて行こう」と腹をくくるためのいい授業料だったと思うしかないんじゃないでしょうか。プロセスは多少回りくどくても、答えが出れば〇をもらえますし、多少言い回しが稚拙でも、意味が通じれば英作文だって0点にはなりません。

 さて、受験生としては軽いノリのつもりでツイートしたのかもしれませんが、ネットで盛り上がっているから、ただそれだけの理由でいかにも出題者側の手落ちのように面白おかしく書くマスメディアの姿勢にはちょっと首をかしげざるを得ません。たまたま「ムーミン」という、よく知られたキャラクターが出ていること、誰もが知る試験であること、そしてメディアが大好きな「お上の手落ち」風味があるということで、あげつらってますけど、果たしてどれだけの記者さんが自分で問題を解き、あるいは教科書なり地図帳なりを開き、「わかる人」に教えを乞うたのでしょうか?。そういう検証をするには、あまりにも時間が速すぎますし、論調が似通っているのがとても残念です。こういうところにも「高校地理未履修・失われた30年」の余波があるのかなと思いました。地理履修云々以前に、事件や事故の報道で当たり前のように行う「裏を取る」作業をすっぽかしていると思います。

 時事的な話題、あまりブログに書かないようにしていますが、あまりにもとんちんかんな批判が飛び交っている中、黙っているのも何かなと思い、書きました。2022年、ようやく高校地理が必修化になりますが(前倒しにしてもいいんでしょうが)、「地理」というものに対して長年
つけられてしまったイメージ(地名や産物をカルトに覚えるもの)を覆すこと、〇×、知ってる、知らない、分かる、意味わかんない、うまい、まずい、正義と悪、の二元論で思考停止させないための教育をどうにかして変えていくことの多難さを感じました。

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posted by いとちり at 14:36| Comment(4) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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