2025年10月31日

「防災教育にGIS」東京私立中学高等学校協会教科研究会

 東京都内の私立中学校協会の研修会にお招きいただいて、講演と実習をさせてもらいました。
約30人の先生方、オブザーバー参加でデータの「生産者様」である国土交通省地理空間情報課の皆様、普段使いにバリバリ使わせてもらっているWeb GISのまさに「中の人」を前に、「調理実習」をさせていただきました。いやはや、緊張しました。

 前半は、「近くのもしも」編として、拙著「いとちりの防災教育にGIS」(2024年:山川出版社)ができるまでの経緯、既成のハザードマップを教材にする時に陥りやすい錯覚についてお話ししました。

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 後半は、「遠くのリアル」編として、同著で取り上げている22種類のケーススタディから5地域を選び、本文で取り上げている主題図を「完コピ」してみましょうという実習を行いました。これは、昨年度(3学期)に、私が実際に授業で行ったものをアレンジしたものです。参加者の皆様を5つのグループに分け、北海道から沖縄まで、ケーススタディを作図してもらいました。

 地理がご専門の先生だけでなく、様々なバックグラウンドをもたれた先生方に来ていただき、Web GISを初めて動かす方もいらっしゃいました。また、持参いただいた端末もWindowsパソコン、タブレット、ネットブックなど様々で、「あれ?動かない」というケースも(いろいろ試していただいて解決しましたが)。まさに「教室あるある」のような光景でしたが、「自分でハザードマップを描いてみる」ことで、様々な気づきを得ていただけたと思います。

 講演スライドはこちらです。
(1)ガイダンス(近くの”もしも”編)
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(2)実習の説明(遠くの”リアル”編)
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データ配布用&操作説明用に作った別サイトはこちらです。 
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2025年10月15日

【募集開始】地図の錬成会2−MANDARA-JS特練

 日本地図学会定期大会で好評だった「地図の錬成会」(2025年8月30日)(概要はいとちり:2025年8月16日)の第2弾を行います。
 前回は、地理院地図、MANDARA-JSを使った授業実践をリレー形式で発表いただきましたが、今回は、その際に注目を集めた”MANDARA-JS"に特化して、実際に模擬授業を体験していただくワークショップ形式です。

 師範役に、前回の錬成会で中学校の実践を発表いただいた磯ア先生(裾野市立富岡中学校)、そして私自身がマウスを握ります。
 会場は、三島市立図書館のパソコン実習室をお借りしました。インターネットに接続されたWindowsパソコンが20台。数に限りがありますので、対面参加を希望される方はお早めにお申し込み下さい。定員を超えた場合は、オンライン参加でのみ受け付けます。

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2025年09月22日

次期学習指導要領を見据えた高校向け日本地理学習教材の構築と実践(日本地理学会)

 日本地理学会秋季学術大会(弘前大学)に行ってきました。

 春の日本地理学会からシリーズで行っている「日本地理on高校地理総合」の3本目です。
 一応これで、「地理総合」の3つの大単元(A 地図と地理情報システム B 国際社会と国際理解 C 持続可能な地域づくりと私たち)に対応した実践報告をしたので、論文化しなければと思っています。

 現行の学習指導要領が実施される遙か以前から、高等学校でGISの活用が不十分、日本地理の扱いが薄いという課題が内包されてきました。
 学習指導要領の記載内容にも問題はありますが、それ以上に「そんなものを授業で扱う余裕はない」「必要ない」という「現場の論理」(特に地理プロパー達の)によって固定されてきたように思います。

 学習指導要領を読んでみると、「A 地図と地理情報システム」の単元でGISを扱った後、継続的に教材としてGISを使っていくのはあたりまえの前提(「内容の取り扱い」にも明記)であり、「B 国際社会と国際理解」の「国際(international)」の片方は我が国(日本)と解釈しても全然問題はない(むしろその方が深い理解が進むことは、今回の実践でよく分かりました)のですが、教科書を見ると、GISの利用は「A 地図と地理情報システム」あるいは「C 持続可能な地域作りと私たち」の中の「自然環境と防災」や「生活圏の調査」に限られ、実質的に『地理院地図」や「今昔マップ」をいじればそれでよしという風潮が定着してしまっているように思います。
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 次期学習指導要領(2029年公示/2032年度〜実施)の策定の議論も始まっていますが、何が問題なのか、何を変えていくか?という議論は今ひとつ盛り上がっていません。恐らく、「地理総合」「地理探究」(この名称も改めたほうがいいと個人的には強く願っていますが)が残り、マイナーチェンジになる可能性もあります。また、「高校で日本地理」の薄さも慣例的に続いていく可能性も高いように思います。それでいいんですか?というのが一連の主張です。

 何も高校の地理で中学校と同じように「日本地誌」を九州から北海道までもう一度単元に盛り込みましょうといっているわけではありません。
今回の報告では、学習指導要領には書かれていない世界地誌の羅列(あるいは「単なる国の「調べ学習」)に甘んじるのではなく、系統地理的な区分けに立ち戻って、「世界の事例」「日本の事例」を並行して学ぶ、世界⇒都道府県⇒市町村⇒地元のデータ加工のサイクルをまわしていくことで、小中学校の地誌学習を深化させることができそうだという展望を延べました。

 問題点を正すだけではありません。
 最後に強調したように、高校地理で日本地理の扱いを重点化することは、日本の地理教育の国際化輸出用教材の開発、教員の往来にもつながります。世界中の先生が日本の地理を教えていますし、ネタ探しをしています。ステレオタイプ的な「日本像」をアップデートし、最新のデータ(諸外国に比べて本当に申し訳ないくらいに日本語オンリーの環境しかありません)を駆使してGISデータを作り、「レンチンはい美味しい」にすれば、絶対に売れます(お金をとるかどうかは別として)。教職の魅力(地理の教師はおもしろい)にもつながるでしょう・・・大風呂敷を広げながら、地味な作業をこつこつやっていこうと思います。
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 スライドはこちらです。 20250920日本地理学会.pdf
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2025年08月22日

次期学習指導要領を見据えた高校向け日本地理学習教材の構築と実践(1)(日本地理教育学会)

  8月24日(日曜日)に筑波大学で行われる日本地理学会の発表スライドです。
 いつもは、学会発表後にアーカイブとしてスライドをアップしていますが、
 今回は、外国のゲストも多く見えるので、英語バージョンと合わせて事前公開します。

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posted by いとちり at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月16日

地図の練成会(2025年8月30日)開催

 イベントのお知らせです。

 主査をやらせてもらっている、日本地図学会(学校GIS専門部会)でミニシンポジウムを行います。

 会場は、神奈川県立神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市)です。
 いわゆる「GISの使い方講座」ではなく、よく使うアプリ(地理院地図・MANDARA-JS)に特化して、その筋の第一人者の先生方に実践を報告してもらった後、剣道の「地稽古」よろしく対戦しあいましょうという試みです(まあ、普通のシンポジウムといえばそうなんですが)。

 今回は、オンライン同時配信を行います。Zoomの会議やオンラインのみのセッションと違って、色々と頭を使うものですね。映像も音声も、会場向けと配信向けにどう振り分けるか、Webカメラでは発表者と会場全体を映し分けられないからどうするか・・・まあ、いろいろと便利な道具があるので、予算と相談しながら準備していきます。

 既に受付を始めています。対面参加の場合は、直接会場にお越しください。
 オンラインで参加の場合は、受付フォームに必要事項をお送りください。追ってログインURL等を送らせてもらいます。

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〇チラシのPDFファイルはこちら

〇申し込みフォーム(オンライン配信用)はこちらです

日本地図学会 2025年度定期大会のプログラムはこちらです。
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posted by いとちり at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする