2015年08月28日

【お詫び】「桜島応急防災のデータ」の公開停止について

  8月15日、8月16日付けで当ブログで公開した、「桜島応急防災データ」に、
大変反響を頂き、ありがとうございました。

  東日本大震災の際に、国土地理院関係のデータが「災害対応」目的で事後承諾で公開が出来た経験を基に、今回も同様の手段でまずはデータを公開し、後で当局に承認を取る形で手続きをしましたが、国土情報提供サイト運営事務局様に相談したところ、規約に明記してある「データの改変」と「再配布」に抵触し、原著作権者の許諾無しには出来ない、とのことでしたのでデータの公開を止めました。

  以下、その理由について、事務局様の了解を頂いた上で記します。「出来ない理由」だけでなく、「出来ること(ホワイトリスト)」についても具体的に書かれてありますので、災害対応をはじめ「国土数値情報」やその他のデータベースを教材化し再配信したいと考えられている方々のガイドラインとしてご一読頂ければと思います。

(1)「国土数値情報」の著作権等の権利処理について

 「国土数値情報」として公開されている全てのデータは、国交省のみが全ての著作権を有している訳ではないそうです(つまり、国交省の他にも著作権者が必ずいます)。

 その中で、それぞれのデータの原著作者(自治体、企業、個人等)に、国土交通省サイトからの公益的無償公開(送信可能化)についての許諾を得ているのみであり、それ以外の主体からの再配信の許諾は得てないとのこと(特に商用サイトでの再配布は著作権違反であるだけでなく、民法上の不法行為にも当たります)

 従って、許諾外の利用が為されると、末端利用者やその仲介者(再配信をした者等)が裁判の被告になるおそれが出るばかりでなく、公共公益的な無料配信を前提に、「無料」あるいは「低廉な価格」さらには「各主体の無償の労働提供」により成立している「国土数値情報」の公開ばかりでなく更新や整備など事業自体の存続が容易に危うくなります。

 このために、データの「各自の利用」は自由に行って頂いてかまいませんが、その成果物が、GISデータやエクセルシートなどの「データベース」形態での再配信(送信可能化含む)、インタラクティブな操作による作画表示(いわゆるWebGISサービス)については、原著作権者の権利侵害にもなるので、無断ではできないとのことです。

 その一方で、公共公益的な観点で、明らかに非商用である場合には、原著作者がかなり限定出来る場合、再配信も含め許諾できるケースもありえるので、その場合は詳細な内容を添えてご相談下さいとのことです。

(2)「国土数値情報」の教材化は歓迎・利用は自由(ただし授業の範疇)

  個人利用や学校等の授業の範疇(例えば、教員が授業に使うために必要なところを切り取ったり、描画して生徒に見せる)では無制限に利用可能ですし、「こういう使い方が出来る」というアイデアの公開や、「そのためのデータはこれです!」として「国土数値情報」のリンクを紹介することは大歓迎だそうです。また、明らかに形態がデータベースやWebGISでないもの(静的な画像など)は、出典と加工者(必要に応じデータ時点や注釈)を明記して配布可能だそうです。ただし、下記にあるように、加工前の「国土数値情報」そのものや、加工後の成果物がGISデータやエクセルシートなど「データベース」の形態の場合、再配布は無条件では許諾されないそうです。

(3)再配布
  配布については、授業に関してはその生徒、会社においては社内においては複製・配布が連絡無しに行って良いですが、不特定者(多数少数に依らず)への配布や送信可能化すること(共有サイトへのアップロード)はできないそうです。
 よって、WebやブログでのGISデータなど「データベース」としてのデータ公開はNGです。このため、今回のデータ公開停止になったわけです。

 ただし、加工後の成果物が静止画像であり、それをPDFやビットマップ形式などにしたものは、出典と加工者(必要に応じてデータ時点や注釈)を明記して配布可能だそうです。(リクエストに応じて、成果物が動的に変化するものや、モーフィングなど動画化したものは要相談)
 また、特定の個人間でのメールやDVDでのデータのやり取りに関しては「私的利用の範疇で」OKだそうです。

(4)「許諾されない」の正確な意味
    著作権の運用において「許諾されない」ということは「無断でしてはいけない」という意味であり、「絶対に出来ない」という意味ではありません。
 配布条件や成果物の形態、データベースであっても知的創造の部分が極めて大きくリバースエンジニアリングが不可能であるものなどは、その状況により許諾される可能性もあるそうです。
 また、特定自治体に限った問合せなど、先に示したように「国土数値情報」の整備に抵触しない形で、先に原著作権者から許諾を得てれば、それを附して問い合わせることにより許諾されるケースもあるそうです。

(5)まとめ
・データベース(kmlやエクセル型式など)の再配布は無断では出来ない(国交省よりも更に上流の原著作権者の許諾が必要)
 ・成果が静止画の形であれば、その印刷物やPDF・JPGデータ等は、出典と加工者(とデータ年と注釈)を明記して自由に配布可能(私的利用の範疇)
 ・学校の授業での生徒への原典配布・加工物の配布は数量・形態によらず自由(生徒以外への配布・送信可能化は不可)
 ・個人・会社内の複製・翻案(加工)・個人対個人のメールでのデータのやりとりは、私的利用と判断される範囲で自由

 世の中「オープンデータ」が主流なのに、なぜ?と意外に思われる方が少なくないと思います。
 避難所の位置や、土砂災害警戒区域等、公共性の高い情報なのだから、もっと柔軟に使えるようにすべきなのは誰もが同意することでしょう。

 しかし現実には、あらゆるデータにそれぞれに著作権者がおり、ビッグデータにみられるように、年々、その財産的価値に注目されるようになってきて、国の機関でさえも(法律に定めてない限り)他人や地方自治体の権利を侵せず、国とは別の主体である「都道府県」や「市区町村」ましてや「民間企業」の情報などは、無償や廉価での収集・加工・再配布が、年々・日々ますます難しくなってきているとのことでした。

 さらには「出版権」など「著作隣接権」が登場してきており、既に公開済みのデータも公開停止になるなど、問い合わせ先の国交省(国土政策局)でも、それらの著作隣接権を有している会社との折衝でかなりの時間と手間が掛かっている状況とのことです。(作者がOKでも、著作隣接権が第三者に譲渡されていると、そことの調整が改めて発生するなど)。

 ただ、国交省(国土政策局)さん御自身も、社会全体のGISデータの普及の事務局をでもあり、今後とも無償で・利用者の多いデファクト型式で、できるだけ制限の無い自由な配信を維持していくため、膨大な数の原著作権者(多くは県庁や市役所などの地方自治体)や著作隣接権者(データ会社や出版社など)と日々交渉中であるとのことですので、改善の方向で進んでいることは御理解いただければと思います。

 国土交通省でもこの件について、改善のための具体的アイディアや提案があれば、今後も進んで教えて欲しいとのことです。

 なお、ハザードマップの立体化kmzファイルについても、現在、鹿児島市様との間で許諾をめぐるやり取りをしています。

 正式な可否の回答が出るまで、一旦ファイルへのリンクを閉じさせていただきますので、ご了承下さい。
 (急いでデータが欲しい、という方は、個別にお問い合わせ下さい)
posted by いとちり at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月16日

桜島応急防災データ その2 避難所開設情報

  内閣府防災情報のページ(http://www.bousai.go.jp/)で公開している桜島関連の情報から、避難所の開設に関する情報を地図化してみました。既に鹿児島市内に避難勧告が発令され、避難を始めている方がいらっしゃいます。

  Kml ファイルとCSVファイルを用意しました。
  前回アップしたハザードマップ画像のkmzと重ねると、現状が視覚的にわかると思います。
※8/19 管理者のご了解を得て、暫定公開していましたが、国土数値情報の利用規約に抵触するとの見解を頂きましたので、加工ファイルへのリンクを外しました。

withhazard001.jpgwithhazard002.jpg

【ダウンロードファイル】
hinanjo0815.kmz (鹿児島市の開設避難所と避難状況)
hinanjo-open0815.csv(鹿児島市の開設避難所と避難状況)
sakurajima.kmz (鹿児島市 桜島ハザードマップ)(再掲) 

posted by いとちり at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月15日

桜島応急防災支援データ集

  学生の頃から、色々とお世話になり、教員になってからは、先生方との交流や、「国土交通大臣賞」の授賞式で呼んでいただいた鹿児島。今日、桜島が噴火警戒レベル4(避難準備)になったという事で、こりゃ大変だということで、昔作ったもの、当座必要になりそうなもの、すぐに地図化できるように加工してみました。

 「オープンデータ」とか、そういうもろもろの手続きは経ていません。あくまで個人がボランティアでファイル形式を変えただけのものですので、ご了解ください。

(1)桜島ハザードマップ(Google Earth重ねあわせバージョン)

鹿児島市のサイトでPDFで公開されていたものに位置情報を付けて載せたものです。
 自分で作って「教育GISフォーラム」のサイトにアップしました。
 作成が2011年ですので、その後の経過や観測により、新たな情報が入っている可能性があります。
 あくまで参考までに。

<出所>
「教育GISフォーラム」・・・現在はNPO法人「伊能社中」と事業統合。私も「ティーチング・フェロー」という肩書で参加させてもらっています。
kagoshimaview.jpg

ダウンロード:sakurajima.kmz(許諾問い合わせ中のため、配信を停止しています)

(2)避難所リスト
例によって、各市町村の避難所一覧がPDFばっかりだったので、国土交通省の「基盤地図情報」の避難所リストを加工して、すぐに使えそうな形に変換してみました。

<出所>国土交通省 「国土数値情報」ダウンロードサービス
※8/19 管理者の了解を頂いて暫定公開していましたが、「データ加工の上での2次配布」にあたるとの見解を頂きましたので、掲載を取りやめました。以下、記事の参考までに)

【KMLファイル】
(1)全体図
 桜島周辺の市町村全体ファイルと、各市町村ごとのファイルがあります。全体ファイルでも、市町村ごとに表示することが可能です。
hinanjo.kmz

allhinan.jpgsakurajimahinan.jpg

(2)各市町村毎 
 こちらはKMLファイルですので、スマホ等でも見られます。
 昔知ってた地名が出て来なくて、「あ、ここもあそこも合併したのか」と感慨に浸ってみたり。

・鹿児島市 kagoshima-city.kml
垂水市 tarumizu-city.kml
・霧島市   kirishima-city.kml
日置市   hioki-city.kml
・姶良市   aira-city.kml

【業務用 避難所データ詰め合わせセット】
  GISソフトで加工したり、印刷したりする際によく使う生データの形式です。
  原本が、鹿児島県全体(屋久島や奄美も含めて、まあ大きいのなんの)だったので、市町村ごとに切りました。KMLファイルShapeファイル、避難所名と住所、緯度経度だけを並べたcsvファイルの3点セットになっています。一応、刻む前の鹿児島県全体ものもアップします。
 データの切り出しやファイル変換は、「地図太郎Plus」を使いましたので、ソフトの相性によっては見られないことがあるかもしれません。そのあたりのお問い合わせは分かりかねますのでご勘弁を。

・鹿児島県全体 kagoshima-all.zip
・鹿児島市    kagoshima-city.zip
・垂水市      tarumizu-city.zip
・霧島市      kirishima-city.zip
・日置市      hioki-city.zip
姶良市      aira-city.zip


●「地図太郎Plus」でcsvデータを読み込んで表示したところ
桜島から半径10km以内にある避難施設をピックアップして表示せよ”なんてことが簡単にできます。避難者数を打ち込んで、「半径何kmに、総勢何人が避難中。バスは何台チャーターできるから、何往復、どこから優先的に回ろうか・・・・?」なんてことの意思決定の基本がわかります。
  プロはもっとお高いソフトで綿密な計算をしますが、防災教育の事例として使えると思います。

  原子力発電所の事故の際も、まさにこんな計算をする(した)わけです。
  もっとも、風向きや地形など、ありとあらゆる条件をシミュレーションできたシステムを持っていながら全く避難には生かせなかったという、苦い経験もありますが・・・・。
  突貫工事ですみませんが、避難や支援の際の基礎データとして使ってもらえればと思います。

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posted by いとちり at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月02日

多賀城高校特別講座U iPad地図帳で街を歩こう


  さる6月に、公開講座の講師としてお邪魔した宮城県立多賀城高校。3時間かけて、各自でハザードマップに位置情報を与えて、新聞記事や写真を埋め込む授業をさせてもらいました。
(→詳しくはいとちり”6月3日付
  7月30、31日と、秋田に出張する用事があったので、その帰りに再び多賀城市にお邪魔させていただき、先生方、生徒さんと、ミニ・フィールドワークをしました。
 午前9:00に多賀城駅に集合し、海側に向かって歩く中で、iPadに入れた各種地図の位置の精度や地図から読み取れること、地図に何を埋め込むか、どんな地図を用意したらよいかなど、実際に生徒さん達に使ってもらいながら意見を伺いました。

 多賀城高校では、来春の「災害科学科」の開設に向けて、3年前から生徒の「防災委員会」が立ち上がり、市内の100箇所以上の場所に津波の到達高を示したプレートやシールが置かれています。すべて生徒さんが、泥の跡や柱の傷(普通の民家の塀などに跡が残っています)を測量して高さを割り出したものです。
  ほんの少し歩くだけで波の高さががらりと変わったり、道路を一つ越えただけで建物がすべてなくなっている場所があることなど、「津波到達図」や震災当時の空中写真を見ながら歩くことで生徒さん自身も「これは気づかなかった!」と驚いてくれる場面が多々ありました。

 最後に、3mの津波が襲い、買い物客が立体駐車場に避難したイオン多賀城店に行きました。まさにその現場で撮られたYoutubeの映像を見ながら地図を使って説明を聞きました。
 今年3月に仙台で行われた国連世界防災会議でもホスト役を務めた多賀城高校の皆さん。全国から訪れる視察の方や修学旅行生を相手に、自分たちの言葉で語る機会もこれから増えていくだろうとのこと。
そうした意欲あふれる若き語り部達の役に立てるよう、このデジタル地図帳ももっともっと改良を重ねて行けたらと思いました。

 こういうものが欲しい、こういう地図があったらいい。地元の小学生と組んでイベントをするときに何か使えないだろうか(・・・・小学生が描いた地図だって載せられます)等々、色々宿題を頂きました。また宿題を出しに、お伺いすることになりそうです。
 最後になりましたが、多賀城高校の皆様、暑い中お付き合いいただいて、どうもありがとうございました。
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ほんの少し歩くだけで、到達した津波の高さが全く違っていたことがわかります。
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市街地を飲み込んだ津波は、多賀城駅前を流れる砂押川の堤防でようやく止まりました。
堤防には「波来の碑」が建てられました。
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海に浮かぶ島のようになった「末の松山」。古今和歌集には、「想いを貫き通せば、末の松山ですら、波が越えるだろう」(波が越えるなんてまずありえない)という歌があり、この「波」が津波なのかどうなのかといった議論があるそうです。
 君をおきて  あだし心を  我がもたば  末の松山  浪も越えなむ
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歩道橋の下に設置された津波表示板。ところどころに泥の跡が見られます。国道は完全に水に浸かり、歩道橋の上で一夜を過ごし、翌日自衛隊に救助された多賀城高校生もいたそうです。国道よりも南側は、建物がごっそりと持って行かれた場所があります。
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3mの津波が襲った「イオン多賀城店」。立体駐車場からYoutubeで、当時の動画を見ました。
動画を地図内に埋め込むことも可能です。












posted by いとちり at 18:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月03日

iPad地図帳化作戦@宮城県立多賀城高校特別講座

  来年度(2016年度)に日本で2番目の防災専門学科を立ち上げることになっている、宮城県多賀城市の宮城県立多賀城高校にお邪魔して、50分×3コマの特別授業をさせてもらってきました。

 iPadのアプリ「震災記憶地図」をベースに、限られた内輪での閲覧が可能な「災害科学部記事ぶらり部」という特設サイトを作ってもらい、生徒さんが自分の身近な地域のハザードマップや旧版地形図、観光絵地図などを選んでアップロード、位置合わせ、過去の新聞記事(画像に変換)の埋め込み、iPadへの転送という一連の作業を体験してもらいました。

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   作業の最後に、生徒さん達に出身地区別に班を作ってもらって、このアプリを学校や地域の振興にどう生かしていくのか?誰をターゲットに、どんな地図を使って、何をコンテンツとして埋め込むのか?について話し合ってもらい、発表してもらいました。
 40台のパソコンでファイルサーバーにアクセスし、40台のiPadからダウンロードを要求するなど、開発元にとっても未経験なシチュエーションの中で、予定していた作業はすべて行うことはできませんでしたが、(開発に携わったATR-Creative社の高橋さんが、函館出張の帰りに立ち寄って頂いたおかげで、ものすごく助かりました)多くの参観者が見守る中、なんとか150分の実習を行うことができました。

  初めて「震災記憶地図」のシステムに触れる生徒さん達。和気あいあいと作業を進めていましたが、「地図の場所合わせ」になると、一気に集中して静かになったのが印象的でした。絵図として取り込んだ地図画像を、オープンストリートマップや電子国土と対比させながら「この場所はここ」という形で点を指定していく作業ですが、みなさん黙々と取り組んでいました。

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point02.jpg(マニュアルより)

 一口に「地図を読む」とか、地理の授業で「読図の指導をすることが重要」とか言いますが、実際現場で行っているのは大部分が等高線の読み方と地図記号と土地利用の変化”です(変化”といっても、ああ、市街地が増えたねとか、田んぼがなくなって来ているねといったレベルですが)。

 画面越しとはいえ、「共通するポイント」を探す中で、生徒さんは色々な発見をしているとの旨、終了後の意見交換会で出ました。「この道はなぜ妙に蛇行しているんだろう」(=実は川の跡だった)とか、「こんなところに鉄道が走っていたのか」とか、地名の由来等、じっくり見て初めて気づくことが多かったようです。

生徒さんには冒頭で、卒業生として「災害科学科」をどう盛り立てて行くか、OBOGの学生(あるいは若い地域の住民)として、母校にどうかかわるかを念頭に置いたうえで、今日の実習に臨んでほしい旨をお伝えしました。今回の実習は、iPad等の情報設備は宮城教育大学から、アプリは京都のATR Creative社、講師は静岡から、授業のサポートに理科や情報、国語(新聞記事の収集)が関わるなど、「多国籍混成軍」といいますか、プロサッカーの強豪チームのような布陣で挑みました。フォワードで生徒に情報や次の指示を出す人(私)、マンマークで生徒の疑問に答え、脱落しないようにフォローする人、サーバーダウンやトラブルに対処するために、笛こそないですが一旦作業を停めさせて順番にアクセスするようにコントロールする審判役の方等々・・・・。「ティームティーチング」なんていいますが、2対10、10対40というような形で授業を展開していくのが普通の時代になっていくのかもしれません(今回の授業は、「地理」で1時間、「総合学習」で2時間の配当)。

 最後に、地域毎に、このアプリを使った地域活性化の展望について聞きました。
 印象的だったのは、七ヶ浜町のチームの男子生徒さんが、「サーファーにターゲットを絞ったマップ」を作ってみたいと発表してくれたことです。帰っていてから調べたところ、有名なサーフィンのスポットである七ヶ浜の海岸には、震災後、膨大な数の漂着物が覆い、サーフィンの再開は絶望的な状況になったものを、ボランティアの懸命な努力で裸足で海水浴ができるくらいにまできれいにしたというストーリーがあることを知りました。
  こうした取り組みの記録や、サーファーの安全を確保するためのマップを作ってみても面白いのではないかと思いました。



当日、生徒さんに配布した(iPadに転送してみてもらったPDFファイル)を添付します。
Slide Share版の下に、PDFファイル版を置きますので、リンク先に直接アクセスされる方は、PDF版をダウンロードしてからご覧ください。


ダウンロード用PDFファイルはこちら


NHK仙台放送局の夕方のニュースが、放送局のWebサイトに出ていました。
リンクを貼ります。
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nhk3.jpgnhk4.jpg



posted by いとちり at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする