2018年03月11日

岩手日報号外(震災特別号)を読んで。

 東日本大震災から7年が経った今日、岩手の日刊紙、「岩手日報」が全国6か所で「号外」を配りました。東京・鎌倉・名古屋・京都・高知、そして静岡市です。ニュースを聞きつけて、静岡駅前に行っていただいて来ました。
image1.JPG

 「号外」といっても全12面の堂々たるものです。見出しに大きく「静岡とともに」。陸前高田市上空からの写真(震災当時、副市長だった久保田崇氏:現立命館大学教授は静岡県の出身)、広告欄にはFDA(フジドリームエアライン)の広告(小牧−花巻線)の広告、そして震災直後から岩手と交流を続けている常葉大学のサークルのメンバーの写真(初代の代表は、小学校の先生になられて、うちの隣の学区の小学校に勤務されています)等々、静岡シフトの構成に感心しました。

 私自身の震災のその日、その後の活動、そこで出来たご縁、ネット上のやり取りからリアルな人の交流につながっていったプロセスは、このブログの「防災」カテゴリを追っていただくとある程度わかるのではないかと思います。
 改めて思い返す中で、やはり忘れられないのがiOSアプリ「震災記憶地図」の中身を充実させる過程の中で地図を提供いただいた陸前高田の観光絵地図です。

陸前高田巡検(いとちり:2011年11月6日)

(いとちり:2012年2月21日)
takata001.jpgtakata002.gif

 荒涼とした景色や津波の映像を見ること以上に、この豊かな魅力あふれる地図は、何より心を打ちました。また、「原本とデータは事務所ごと流されて、たまたま盛岡の同業の社のサーバーに残ったからあげます」と連絡を頂いた時のことを痛切に覚えています。
 iOSアプリ「震災記憶地図」から見ることが出来ます。

 その陸前高田ですが、地元のNPOの尽力で松の苗木の栽培が行われ、2017年からようやく松原への植林活動が始まった旨を「号外」の紙面で知りました。向こう50年をかけて取り組む息の長い活動とのことです。

 〇NPO法人高田松原を守る会

 「あれから7年」として振り返る報道が多い中、この「号外」は、「この1年のあゆみ」や、「次の大災害の予測と備え」(南海トラフ大地震=最大級の津波高と、最大の死者数が予測されるのがここ静岡県)にも紙面を割いています。Google Earth上に立体棒グラフで描いた地図は自分も描きますが、改めてカラーで大きく取り上げられるとインパクトがあるなと思いました。

 岩手日報のWebサイトでは、私が修学旅行の教材作りで大変お世話になった「沖縄タイムス」社と並んでGoogle Earthを非常に効果的に使った特集を組んでいます。沖縄戦の証言や広島、長崎の原爆投下と当時の様子をGoogle Earth上で克明に再現した「デジタル・アーカイブ」シリーズや、最近はAIを駆使した白黒の古写真のカラー化に取り組んでいる首都大学東京の渡辺英徳研究室と共同で、震災時の避難者の行動と証言をGoogle Earth上で再現したサイトを公開しています。

首都大学東京 渡辺英徳研究室 × 岩手日報社
 「犠牲者の行動記録」

wasurenai.jpg
 誰が、いつ、どの方向に避難したのか。そしてそこに津波がどう押し寄せたのか・・・。
 後から「鳥の目」で見ると、「なんでよりによってここに逃げるのか?」と思ってしまうのですが、当時の方々にとっては必死に、最善と思われる方向と考え、またそのようなリードがあって避難されており、多くの方々が命を落とされました。"たられば”で考える事は心苦しい所ではありますが、「次の被災地」になるであろう場所に住む我々が、この「動く地図」から学ぶべき教訓は少なくないと思われます。

 「号外」では、高校生記者による学校での防災教育の取材記事も載っていました。
 今年のNIE(教育に新聞を)の全国大会は、岩手県で行われ、大槌町で特別公開授業も主な割れるそうです。震災後初めての被災県での開催とのことで、どのような情報が発信されるのかが注目されます。
 〇NIE2018盛岡大会

 この「号外」は、今のところWebでは見ることが出来ません。
 (昨年の紙面の一部を載せた号外配布の告知はこちら)

 居ながらにして全国各地の地方紙の記事を読めるようになった昨今ですが、あえて紙媒体で、社員の方を派遣して手渡しで配布するスタイルは新鮮に感じます。配布先に静岡を選んでいただいたことは非常に光栄に思いますし、今日が日曜日だったおかげで直接受け取りに行くことが出来ました。社の方と直接言葉を交わし、名刺を交換させていただいて、新たなご縁もできました。久々に岩手にお邪魔して、また新たな教材を作って行けたらと思っています。
posted by いとちり at 21:44| Comment(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月17日

被災地支援デジタル地図帳マニュアル(1)地理院地図の切り出し

 このたびの大地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。

 離れたところから、出来る事は限られてはいますが、最近行っている研究が少しでもお役に立てればと思い、マニュアルを作成しました。国土地理院の地形図を切り出して、大判の地図にしたり、タブレットやスマホで持ち歩く方法です。町内会単位の被害状況把握等にお使いいただければと思います。
 背景地図は、「地理院地図」の他に、「Open Street Map」や、空中写真(被災前)でも行う事ができます。
使用するソフト/アプリ

 地図太郎Plus(東京カートグラフィック社)
 PDF Maps(iOS用、Android用あり)
   Drop Box
   (Android)

 「地理院地図」と「標高区分図」を組み合わせることで、このような地図帳ライクな地図を描いて持ち運ぶことも出来ます。
kumamoto.jpg
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posted by いとちり at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月28日

【お詫び】「桜島応急防災のデータ」の公開停止について

  8月15日、8月16日付けで当ブログで公開した、「桜島応急防災データ」に、
大変反響を頂き、ありがとうございました。

  東日本大震災の際に、国土地理院関係のデータが「災害対応」目的で事後承諾で公開が出来た経験を基に、今回も同様の手段でまずはデータを公開し、後で当局に承認を取る形で手続きをしましたが、国土情報提供サイト運営事務局様に相談したところ、規約に明記してある「データの改変」と「再配布」に抵触し、原著作権者の許諾無しには出来ない、とのことでしたのでデータの公開を止めました。

  以下、その理由について、事務局様の了解を頂いた上で記します。「出来ない理由」だけでなく、「出来ること(ホワイトリスト)」についても具体的に書かれてありますので、災害対応をはじめ「国土数値情報」やその他のデータベースを教材化し再配信したいと考えられている方々のガイドラインとしてご一読頂ければと思います。

(1)「国土数値情報」の著作権等の権利処理について

 「国土数値情報」として公開されている全てのデータは、国交省のみが全ての著作権を有している訳ではないそうです(つまり、国交省の他にも著作権者が必ずいます)。

 その中で、それぞれのデータの原著作者(自治体、企業、個人等)に、国土交通省サイトからの公益的無償公開(送信可能化)についての許諾を得ているのみであり、それ以外の主体からの再配信の許諾は得てないとのこと(特に商用サイトでの再配布は著作権違反であるだけでなく、民法上の不法行為にも当たります)

 従って、許諾外の利用が為されると、末端利用者やその仲介者(再配信をした者等)が裁判の被告になるおそれが出るばかりでなく、公共公益的な無料配信を前提に、「無料」あるいは「低廉な価格」さらには「各主体の無償の労働提供」により成立している「国土数値情報」の公開ばかりでなく更新や整備など事業自体の存続が容易に危うくなります。

 このために、データの「各自の利用」は自由に行って頂いてかまいませんが、その成果物が、GISデータやエクセルシートなどの「データベース」形態での再配信(送信可能化含む)、インタラクティブな操作による作画表示(いわゆるWebGISサービス)については、原著作権者の権利侵害にもなるので、無断ではできないとのことです。

 その一方で、公共公益的な観点で、明らかに非商用である場合には、原著作者がかなり限定出来る場合、再配信も含め許諾できるケースもありえるので、その場合は詳細な内容を添えてご相談下さいとのことです。

(2)「国土数値情報」の教材化は歓迎・利用は自由(ただし授業の範疇)

  個人利用や学校等の授業の範疇(例えば、教員が授業に使うために必要なところを切り取ったり、描画して生徒に見せる)では無制限に利用可能ですし、「こういう使い方が出来る」というアイデアの公開や、「そのためのデータはこれです!」として「国土数値情報」のリンクを紹介することは大歓迎だそうです。また、明らかに形態がデータベースやWebGISでないもの(静的な画像など)は、出典と加工者(必要に応じデータ時点や注釈)を明記して配布可能だそうです。ただし、下記にあるように、加工前の「国土数値情報」そのものや、加工後の成果物がGISデータやエクセルシートなど「データベース」の形態の場合、再配布は無条件では許諾されないそうです。

(3)再配布
  配布については、授業に関してはその生徒、会社においては社内においては複製・配布が連絡無しに行って良いですが、不特定者(多数少数に依らず)への配布や送信可能化すること(共有サイトへのアップロード)はできないそうです。
 よって、WebやブログでのGISデータなど「データベース」としてのデータ公開はNGです。このため、今回のデータ公開停止になったわけです。

 ただし、加工後の成果物が静止画像であり、それをPDFやビットマップ形式などにしたものは、出典と加工者(必要に応じてデータ時点や注釈)を明記して配布可能だそうです。(リクエストに応じて、成果物が動的に変化するものや、モーフィングなど動画化したものは要相談)
 また、特定の個人間でのメールやDVDでのデータのやり取りに関しては「私的利用の範疇で」OKだそうです。

(4)「許諾されない」の正確な意味
    著作権の運用において「許諾されない」ということは「無断でしてはいけない」という意味であり、「絶対に出来ない」という意味ではありません。
 配布条件や成果物の形態、データベースであっても知的創造の部分が極めて大きくリバースエンジニアリングが不可能であるものなどは、その状況により許諾される可能性もあるそうです。
 また、特定自治体に限った問合せなど、先に示したように「国土数値情報」の整備に抵触しない形で、先に原著作権者から許諾を得てれば、それを附して問い合わせることにより許諾されるケースもあるそうです。

(5)まとめ
・データベース(kmlやエクセル型式など)の再配布は無断では出来ない(国交省よりも更に上流の原著作権者の許諾が必要)
 ・成果が静止画の形であれば、その印刷物やPDF・JPGデータ等は、出典と加工者(とデータ年と注釈)を明記して自由に配布可能(私的利用の範疇)
 ・学校の授業での生徒への原典配布・加工物の配布は数量・形態によらず自由(生徒以外への配布・送信可能化は不可)
 ・個人・会社内の複製・翻案(加工)・個人対個人のメールでのデータのやりとりは、私的利用と判断される範囲で自由

 世の中「オープンデータ」が主流なのに、なぜ?と意外に思われる方が少なくないと思います。
 避難所の位置や、土砂災害警戒区域等、公共性の高い情報なのだから、もっと柔軟に使えるようにすべきなのは誰もが同意することでしょう。

 しかし現実には、あらゆるデータにそれぞれに著作権者がおり、ビッグデータにみられるように、年々、その財産的価値に注目されるようになってきて、国の機関でさえも(法律に定めてない限り)他人や地方自治体の権利を侵せず、国とは別の主体である「都道府県」や「市区町村」ましてや「民間企業」の情報などは、無償や廉価での収集・加工・再配布が、年々・日々ますます難しくなってきているとのことでした。

 さらには「出版権」など「著作隣接権」が登場してきており、既に公開済みのデータも公開停止になるなど、問い合わせ先の国交省(国土政策局)でも、それらの著作隣接権を有している会社との折衝でかなりの時間と手間が掛かっている状況とのことです。(作者がOKでも、著作隣接権が第三者に譲渡されていると、そことの調整が改めて発生するなど)。

 ただ、国交省(国土政策局)さん御自身も、社会全体のGISデータの普及の事務局をでもあり、今後とも無償で・利用者の多いデファクト型式で、できるだけ制限の無い自由な配信を維持していくため、膨大な数の原著作権者(多くは県庁や市役所などの地方自治体)や著作隣接権者(データ会社や出版社など)と日々交渉中であるとのことですので、改善の方向で進んでいることは御理解いただければと思います。

 国土交通省でもこの件について、改善のための具体的アイディアや提案があれば、今後も進んで教えて欲しいとのことです。

 なお、ハザードマップの立体化kmzファイルについても、現在、鹿児島市様との間で許諾をめぐるやり取りをしています。

 正式な可否の回答が出るまで、一旦ファイルへのリンクを閉じさせていただきますので、ご了承下さい。
 (急いでデータが欲しい、という方は、個別にお問い合わせ下さい)
posted by いとちり at 20:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月16日

桜島応急防災データ その2 避難所開設情報

  内閣府防災情報のページ(http://www.bousai.go.jp/)で公開している桜島関連の情報から、避難所の開設に関する情報を地図化してみました。既に鹿児島市内に避難勧告が発令され、避難を始めている方がいらっしゃいます。

  Kml ファイルとCSVファイルを用意しました。
  前回アップしたハザードマップ画像のkmzと重ねると、現状が視覚的にわかると思います。
※8/19 管理者のご了解を得て、暫定公開していましたが、国土数値情報の利用規約に抵触するとの見解を頂きましたので、加工ファイルへのリンクを外しました。

withhazard001.jpgwithhazard002.jpg

【ダウンロードファイル】
hinanjo0815.kmz (鹿児島市の開設避難所と避難状況)
hinanjo-open0815.csv(鹿児島市の開設避難所と避難状況)
sakurajima.kmz (鹿児島市 桜島ハザードマップ)(再掲) 

posted by いとちり at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月15日

桜島応急防災支援データ集

  学生の頃から、色々とお世話になり、教員になってからは、先生方との交流や、「国土交通大臣賞」の授賞式で呼んでいただいた鹿児島。今日、桜島が噴火警戒レベル4(避難準備)になったという事で、こりゃ大変だということで、昔作ったもの、当座必要になりそうなもの、すぐに地図化できるように加工してみました。

 「オープンデータ」とか、そういうもろもろの手続きは経ていません。あくまで個人がボランティアでファイル形式を変えただけのものですので、ご了解ください。

(1)桜島ハザードマップ(Google Earth重ねあわせバージョン)

鹿児島市のサイトでPDFで公開されていたものに位置情報を付けて載せたものです。
 自分で作って「教育GISフォーラム」のサイトにアップしました。
 作成が2011年ですので、その後の経過や観測により、新たな情報が入っている可能性があります。
 あくまで参考までに。

<出所>
「教育GISフォーラム」・・・現在はNPO法人「伊能社中」と事業統合。私も「ティーチング・フェロー」という肩書で参加させてもらっています。
kagoshimaview.jpg

ダウンロード:sakurajima.kmz(許諾問い合わせ中のため、配信を停止しています)

(2)避難所リスト
例によって、各市町村の避難所一覧がPDFばっかりだったので、国土交通省の「基盤地図情報」の避難所リストを加工して、すぐに使えそうな形に変換してみました。

<出所>国土交通省 「国土数値情報」ダウンロードサービス
※8/19 管理者の了解を頂いて暫定公開していましたが、「データ加工の上での2次配布」にあたるとの見解を頂きましたので、掲載を取りやめました。以下、記事の参考までに)

【KMLファイル】
(1)全体図
 桜島周辺の市町村全体ファイルと、各市町村ごとのファイルがあります。全体ファイルでも、市町村ごとに表示することが可能です。
hinanjo.kmz

allhinan.jpgsakurajimahinan.jpg

(2)各市町村毎 
 こちらはKMLファイルですので、スマホ等でも見られます。
 昔知ってた地名が出て来なくて、「あ、ここもあそこも合併したのか」と感慨に浸ってみたり。

・鹿児島市 kagoshima-city.kml
垂水市 tarumizu-city.kml
・霧島市   kirishima-city.kml
日置市   hioki-city.kml
・姶良市   aira-city.kml

【業務用 避難所データ詰め合わせセット】
  GISソフトで加工したり、印刷したりする際によく使う生データの形式です。
  原本が、鹿児島県全体(屋久島や奄美も含めて、まあ大きいのなんの)だったので、市町村ごとに切りました。KMLファイルShapeファイル、避難所名と住所、緯度経度だけを並べたcsvファイルの3点セットになっています。一応、刻む前の鹿児島県全体ものもアップします。
 データの切り出しやファイル変換は、「地図太郎Plus」を使いましたので、ソフトの相性によっては見られないことがあるかもしれません。そのあたりのお問い合わせは分かりかねますのでご勘弁を。

・鹿児島県全体 kagoshima-all.zip
・鹿児島市    kagoshima-city.zip
・垂水市      tarumizu-city.zip
・霧島市      kirishima-city.zip
・日置市      hioki-city.zip
姶良市      aira-city.zip


●「地図太郎Plus」でcsvデータを読み込んで表示したところ
桜島から半径10km以内にある避難施設をピックアップして表示せよ”なんてことが簡単にできます。避難者数を打ち込んで、「半径何kmに、総勢何人が避難中。バスは何台チャーターできるから、何往復、どこから優先的に回ろうか・・・・?」なんてことの意思決定の基本がわかります。
  プロはもっとお高いソフトで綿密な計算をしますが、防災教育の事例として使えると思います。

  原子力発電所の事故の際も、まさにこんな計算をする(した)わけです。
  もっとも、風向きや地形など、ありとあらゆる条件をシミュレーションできたシステムを持っていながら全く避難には生かせなかったという、苦い経験もありますが・・・・。
  突貫工事ですみませんが、避難や支援の際の基礎データとして使ってもらえればと思います。

  001.jpg002.jpg
 003.jpg004.jpg
posted by いとちり at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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