2012年02月14日

「電子書籍」に対応した新しい「一太郎」を試してみる

   自分で縦書きの電子書籍が作れる!」と、前評判が高かった、新しい一太郎「一太郎2012 承」。体験版が出ていたので、さっそくダウンロードして試してみました。
http://www.justsystems.com/jp/products/ichitaro/

 
 
 
 結論から言いますと、「iBooksとの相性は最悪で、全然使えません」
でした。これは、一太郎側の問題なのか、iBooks側が目下売出し中の「iBook Author」で作るように誘導する戦略の一環かわかりませんが、横書きは、何とも言えない安っぽいフォントになってしまいますし、図表は切れるし、縦書きなんざ1ページしか見られないしと散々でした。(↓)
IMG_0578.jpg
 












  ただ、一つ希望が持てるのは、一太郎は「縦書きのPDFは、Wordよりもきれいに電子書籍化できる」という点です。iPadで読む際、明朝体の10.5ポイントでは見づらいので、教科書体の14ポイントにしてみたのですが、Wordの縦書きの場合、文字と一緒に行間まで広げてしまいますが、一太郎の場合、そうしたことはありませんでした。また、フォント埋め込み式なので、iPad上で拡大しても、文字が自動的に大きく、くっきりとなるのも特徴です。(↓上が一太郎、下がWordで作った縦書きPDFファイル:元原稿は横書きのWordで作成)
taro01.jpg
word01.jpg


   別にステルス・マーケティングでも何でもないんですが、「縦書きのPDFで電子書籍を出す」という用途に関しては、今度の一太郎、期待が持てそうです・・・え?前からできた機能?。

 月刊「地理」でやらせてもらった連載、
「評伝・守屋荒美雄」をはじめ、まだWebにアーカイブされていない縦書き原稿をぼちぼち電子書籍化する際に使ってみようと思います。

 
  地図を含めた「デジタル地理の教科書」なんてことを考えるのならば、素直にApple 純正、iBook Authorを使った方が何かと都合がよさそうです。
posted by いとちり at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ipadで地理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月12日

「震災記憶地図」で絵地図をiPadに載せる

 iPadの地図アプリ「ちずぶらり」シリーズを作っている、京都府精華町のATRプロモーション社に行ってきました。

  関西学術研究文化都市に社屋を構える大きな会社で、このアプリは美術品(屏風や絵画など)をデジタル化して鑑賞する技術から派生したものとのこと。近隣には、そうした大きな絵画でも傷つけることなくスキャンする技術を持った職人技的な会社もちらほらあるそうで、「なるほど、京都だ」と思える連携をしているそうです。

  同社で今、強くプッシュしているのが、ユーザーが手持ちの地図をサーバー(Amazonのクラウドサーバー)にアップすることで、iPad上のアプリに自動的に載せられるシステムです。これまでの「地図ぶらり」シリーズは、地図の提供元(自治体や図書館など)が同社と組んで、専門のエンジニアさんがデジタル化して位置を合わせるために補正するなど結構手間暇がかかっていたようですが、このシステムを使うと、Webブラウザ上ですべて完結しますし、完全に無料です(デモンストレーションで見せていただいた際は、Macでされていました)。また、地図内にポイント(同社では「ランドマーク」と呼んでいる)を打って、写真や動画にリンクを貼ることもできます。

 現在、東日本大震災の被災地に関係する地図を広く募る「震災記憶地図」というプロジェクトが進行中です。ためしに、インターネット上で公開されている絵地図を載せてみましたが、簡単にできました。掲載元に事後承諾を得る過程で、被災地とのつながりもできると思います。これで技術的なノウハウと関心が高まれば、全国版につなげて、公開だけでなく個人ユース(個人の範囲内で閲覧限定にして著作権的問題をクリア)機能も作りたいとのこと。
 操作法を簡単にまとめてみました。極めて「文系ライク」な操作感(もちろん、そこに至るまでにはバリバリ理系の皆さんが技術を駆使しているのですが)、載せた地図がさっとiPadで見られる様は壮観です。また、作業と通じて被災地の地図をじっくり観察すること、さらにそれを持って行ってみること(実際、行ってみたくなる)が、息の長い支援につながるのではないかと思います。強くおススメ。

 ●サイトはこちら
 
 
http://eq.stroly.com/about
●iPhone/iPad用アプリ(無料)のダウンロードはこちら。
http://eq.stroly.com/iosapp

(1)まず、「支援地図」「記憶地図」のどちらにアップするかを選びます。地図をアップするにはtwitterのアカウントが必要になります。別に何かコメントを残すわけでもないので、つぶやく習慣がなくても、アカウントだけ取ってきて、それで入ればよいと思います。
kioku.jpg





(2)メイン画面です。左側の、「+UPLOAD」をクリックして、自分が持っている載せたい地図の画像ファイルを選択します。(※発行元に、利用許諾を得る必要があります)
main.jpg







(3)地図の情報(著作権者の情報など)を入力する欄が出ますので、必要事項を書きます。
info.jpg









(4)「Mapping」のタブに移ります。そうすると、左にアップした地図、右にGoogle Mapの地図が出ますので、「この地点はここに対応してますよ」という指示を入れます。まず、絵地図上に点を打ち、次にGoogle Map上に点を打ちます。後の「ランドマーク」(=ポイントを打って解説や写真を貼る)は、Google Mapが先で、絵地図が後になるので注意が必要です。
 点を打つと緑のアイコンで番号が出ます。交差点や公共施設などを目印にポイントを決めます。3点以上打てば補正はできるそうですが、たくさん打った方が(10点ぐらい)重なりの精度は上がります。最後に「保存」ボタンをクリックします。位置合わせの指定ができたら「保存」ボタンをクリックします。
 
mapping2.jpg








(5)「LANDMARKS」は地図上にポイントを打って写真や解説をつける機能です。
この地図は、勤務校にいる福島県飯舘村出身の同僚と一緒に作業していますが、被災地にいる方が持っている写真や、「これはぜひ紹介したい」という情報(「この店のラーメンは美味い!」とか)を載せてもらうと、親近感が出ていいのではないかと思います。日・英だけでなく、様々な言語に対応しているのが京都の会社らしいです。その気になれば、国をまたいだ共同作業も可能です。
landmark.jpg









(6)最後に「公開」ボタンをクリックします。
(7)iPad/iPhoneで確認してみます。Google Mapとの切り替え、ポイントからのリンクができるかを確認してみてください。
padtest1.jpg









リンク
「震災前」の写真を募っているサイトもたくさんありますから、iPad地図と連携できたらいいなあと思います。現地に持って行って、「ああ、こんな景色だったんだ・・・・」と。位置を特定するには、地元の方(離れて暮らしている方を含む)の協力が必要です。なんかできないかなあと思ったりします。
例えばこちら。
 
「東北思い出写真館」http://www.tohoku-pics.net/ 

「想い出写真館」
(福島県富岡町観光協会)
http://blog.goo.ne.jp/sakuramori_2008_may/e/b91ccefd2c64fbc2a5a8923799003332
(←未だ「警戒区域」のため、帰ることができない町の素晴らしく美しい景色。その美しさ、一時帰宅で撮影された無人の街の様子に、無念さがこみあげてきて泣けます)

posted by いとちり at 07:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ipadで地理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月01日

iPadの実験場・佐賀県

全生徒にタブレット端末 佐賀県立高、13年度から

  佐賀県教委は、全36県立高校の全生徒にタブレット型端末を配布する方針を固めた。2013年度の新入生から導入する。生徒の関心が高い端末を活用することで学ぶ意欲を向上させる狙い。文部科学省によると、都道府県教委が広く導入する例は珍しいという。
 タブレット型端末は、キーボードの代わりにタッチパネル(液晶画面)に触れて操作するコンピューター。県教委によると、13年度から県立高の全日制・定時制の新入生に配り、3年間で計約2万人の全在校生に行き渡らせる計画だ。購入費の一部を自己負担してもらうことも含め、配布方法を検討中。13年度は数億円規模の予算を想定する。

 端末導入後は、例えばテストで生徒が手元の端末画面に解答を入力、送信すると瞬時に自動採点され、集計、分析も簡単。教員の手間が省ける上、すぐに間違いの傾向などもわかり、授業が効率化できるという。電子黒板の導入も進め、生徒が端末画面に手書きした内容を映すこともできる。
(朝日新聞:2012.2.1)


 
 
 
 
 
さまざまな「状況証拠」を突き合せたところ、この端末は「iPad」であると思われます。
その「状況証拠」といいますか、「これはすごい!」という取り組みにリンクを貼ります。
 新しモノ好きながら、上手にローカライズする伝統は、肥前鍋島藩以来の気風か。あるいは、福岡県を含めた私立学校との競争の中での思い切った投資なのかもしれません。
 
 

 どうせなら、Macと、この間出たiBook Autherでも標準装備にすれば、プリント印刷用の「輪転機」はいらなくなるかもしれません。とはいっても、「中身」の充実をどうするかが課題です。佐賀県教委および先生方がが今年どう動くか、注目していきたいところです。

@佐賀県庁では、講習会をするNPOや住民団体向けにiPadを無償で貸し出している。
http://www.cso-portal.net/subsidy01/detail.php?id=73
 以前GIS講習会をするときに、レンタルOA機器業者から借りてもらったことがあるのですが、結構高いんです。1台数千円といっても、10台も15台も借りると高くつきますし、かと言って「2人で1台変わりばんこで」というのも興ざめです。その点、このサービスはいいです。Wifi接続機器まで貸してくれるという太っ腹さ。

A佐賀県には、「全国初のiPad図書館システム」を導入した公立図書館がある。
 武生市立図書館。専用アプリのサイトにリンクします。あ、「返却」はしなくていいみたいです。15日たったら自動的にデータが消えることで、著作権法上の「貸出」の要件をクリアするのだとか。
 http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.takeo-mylib.jp%2F&h=QAQGM2CcbAQEFupfCHNUq8s5CoCHPgFDFAV2KHKvlUW9E0Q

B佐賀県の消防では、すべての救急車にiPadが備えられ、搬送可能な病院を地図上で把握できるようになっている。
 
「熱い動画」をどうぞ。そのまんま地理の教材になりそうです。

 
 

posted by いとちり at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ipadで地理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月05日

足りないのは地図です−ヒロシマARアプリ

 あけましておめでとうございます。
 ブログ「いとちり」も7年目に入りました。
 本年もよろしくお願いします。

 2011年のiPhone・iPadアプリ大賞を受賞した「ヒロシマ・アーカイブスARアプリ」
。Google Mapの衛星写真上にポイントが打たれていて、触れると原爆投下当時の写真や、被ばくされた方の証言が映し出されるというものです。hiroshima.jpg無料です。
 昨年(といっても先月ですが)、修学旅行で広島に行った折、iPhone版を我がiPadデジタル地図帳端末に入れて持っていき、現地で「ほうほう」と試していたのですが、帰ってきたらiPad対応版が出ていました。
やっぱりこちらの方が見やすいです。
http://labo.wtnv.jp/2011/12/ipadar.html

 開発されたのは首都大学東京(3月に日本地理学会がありますね)の研究チームでありまして、AR機能(カメラでのぞくと最寄りのポイントまでの距離が表示される・・・すみません。現地ではぐちゃぐちゃになってしまってあまり使えませんでしたが)など、非常に意欲的な機能が入っているのですが、やっぱり

「地図が見られるようにして欲しい!」

と、フォントを大にして言いたいです。

 現在のGoogle Mapはもちろんですが、旧版地形図や、前回行った修学旅行の時に訪問した古書店の自信作「明治〜昭和の広島の商工案内図」など、優れたコンテンツは沢山あります。それらと組み合わせて行けばもっともっと完成度が上がるのではないかと思います。

 東日本大震災のアーカイブスアプリも現在審査中とのこと。今後の活躍に注目したいところです。

【リンク】
 
前回の修学旅行の時の記事です。
 今回、時間がなくて伺えなかったのが残念です。
●修学旅行のお土産【1】広島の古地図復刻版(いとちり2009年12月14日)
 http://itochiriback.seesaa.net/article/137306419.html

posted by いとちり at 05:48| Comment(2) | TrackBack(0) | ipadで地理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月30日

クラウドな(?)地図帳

 iPadに入れたものの、いまいち使い方がよくわかっていなかった「ArcGIS」(無料)。ようやく使い方が分かりました。

 英語のサイト(arcgis.com)にアクセスしてアカウントを取り、自分のファイルスペースを作った上で、好きな地図データを保存すれば、後はiPadからも自由に見られるという仕掛けです。
 「なるほど、クラウドGISとはこういうことを言うのか」と、いかにもやらせくさい写真を撮ってしまいました。欲しい地図を並べてざっと取り出せるようにした姿は「オーダーメイドの地図帳」といった趣です。データの入手はパソコンでしましたが、iPadのブラウザ「サファリ」でも問題なく作業出来ました。ブラウザ上で地図をほいほい取り込んで、一旦閉じてからArc GISアプリを開いてじっくり見るという芸当もできます。
iPad自身をプロジェクタにつないで提示すれば、簡単な「デジタル掛け地図」になるのではないかと思います。
 
 自分で作ったShapeファイルとか、kmlファイルとか、GPSのログとかもアップできるようです(地図太郎で 作った奴はなぜかエラーではねのけられましたが・・・・)。やっぱり、ArcGIS"純正”の方がよいのでしょうか?あと、「オフライン環境」での動作は・・・・?まだ研究の余地がありそうですが、「iPad地図帳」の本命が登場といった感じがします。ちょっと本腰を入れて使い方を考えたいツールです。
PB300654.JPG






maps.jpg
posted by いとちり at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ipadで地理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする