静岡空港での雨や霧による「欠航」が相次いでいます。(6月21日の地元TVのニュース映像をどうぞ)。
もともと霧が出やすい地形だからとか、悪天候の時にも計器を頼りに離着陸ができるはずの"計器”の設置が立木除去問題がこじれたため、まだ設置されていないからだとか、色々と言われて(叩かれて)いますが、静岡県職員の端くれとしては、申し訳ないとしか言いようがありません。特に、半日も足止めを食わせてしまった韓国の皆さん、本当にごめんなさいね(中日新聞:6月23日)。「設備が完全でないのに開港すんな!」・・・って厳しいお言葉。・・・・うーん、確かに親孝行しようと思って日本に連れてきて、色々気を遣って、「さあ、帰ろうか」という時にこんな目にあったら、私も怒ると思います。
私は、卒論と修論を韓国がらみで書いたので(しかも観光地理学)、新聞のツアー募集に「親孝行旅行」というジャンルがある事を知ってますし(当然子供が払うんでしょう。えらいもんです)、日本行きツアー(特に本州)の相場が、東南アジア行きよりも高く、アメリカ行きあたりと、とんとんであることをよく知っています。この件に関して、ネット上では辛辣な「韓国人批判」が振りまかれていますが、韓国の方(日本語が読める方、このブログは機械翻訳ですが英訳も見られます)、あんまり気にしないで下さい。少なくとも私の周りの地元民は皆さんに同情しています(「あーあ、遠くから来たのに、かやーそーにねー」と)。
言い訳ではないですが、なぜ「静岡空港は霧が多いのか」について、職業柄、色々解説図が描けますので描いてみました。同業の皆様、これから静岡空港を利用しようという皆様、「わ、またセントレア行きかいな」「げ、また出ーへんのかいな」という時は、これらの図を見て、「ま、しゃーないなー」と思ってやって下さい(思わないかな・・・・)。
空港関係者の皆さん、教育職ができる援護(弁護)はこのくらいです。
とにかく1日も早くILS(計器着陸装置)つけて下さいね!!。よろしくお願いします!。
【図1】ウオッちずをGISソフト「地図太郎」に取り込んで、空港を塗りつぶした図。
地図も空港もできたてです。 細かいノウハウについては、こちらに書きました。
【図2】図1の空港部分のレイヤ(塗りつぶした面のデータ)を取り出して、Google Earthに重ねた図
Google Earthの衛星写真の更新が遅い(しかも荒い)ので、空港ができる前の元の地形が分かります。 How To はこちらに書いてあります。
いろいろ角度を変えてみました。海からの湿った風がぶつかる山そのもののてっぺんを切り崩して空港を作りました。ちなみに、この湿った風と霧が、お茶を美味しくします(インドのアッサム地方や、中国南部も同じ理屈でお茶が美味しいですね)。自分でぐりぐりしたい方は、こちらのKMLファイルをどうぞ。
〇airport-map.kmz Google Earthに地形図を載せたもの
〇air001.kmz Google Earthに空港(塗りつぶしの面)を載せたもの
【図5・6】市販されている「カシミール3D」教習本に付属するCD内の5万分の1地形図は、結構古いため(おそらく平成8年版)、空港建設前の地形が分かります。新幹線の進む方向で写してみました。