2010年09月19日
ブラタモリ2ndシーズン
公式サイト(http://www.nhk.or.jp/buratamori/)
番組の内容もさることながら、注目したいのは「関連サービス」がどれくらい盛り上がってくれるかです。
前回は、「ブラアプリ」という、i-phone向けのサービスが期間限定で出され(現在は配信休止中)、関連の場所や番組の動画とリンクしたガイドがされていました。
【開発元のプレスリリース】
http://www.koozyt.com/solutions/amp/bra-appli/
【開発担当者の座談会】 http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1001/29/news016.html
あのころと違って、今は“iPad”がありますし、江戸の古地図が安く手に入るアプリ“こちずぶらり”もあります。私自身、東京に行くたびに「こちずぶらり」の古地図を見るのですが、古地図だけを見ていてもわけがわからない(くずし字が読めない)ので、やっぱり「ブラタモリ」的なガイドが必要です。前回の「ブラアプリ」はGoogle Mapとの連動(古地図上の表示はなし)でしたが、今度出す際は是非「古地図連動」機能を付けてほしいと思います。こちずぶらり上のリンクを増やすか、別アプリとなるかわかりませんが、インパクトは大きいと思います。
タモリさんご自身は、「こちずぶらり」を知ってるんでしょうかね? 嬉々として眺めるか、「いや、古地図は紙に限る!」というか、興味があるところです。
アプリはできなくても、番組の動画をiPadに入れて新幹線の中で見て、スキャンしてた古地図と、Webサイトを見ながら東京を歩くという「なんちゃてブラタモリ」、東京方面に出張があったらやってみたいと思います。
【リンク】
●ブラアプリという実験(関連アプリへのリンクあり:いとちり2010年1月27日)
http://itochiriback.seesaa.net/article/139529878.html
●「ブラタモリ」視聴のおともにデジタル古地図(いとちり:2009年10月9日)
http://itochiriback.seesaa.net/article/137306387.html
ここで紹介されている「MapShop」で、ブラタモリで登場する古地図を入手できます。
紙にプリントアウトされた大判を買うこともできますが、もともとのストックがデジタル画像なので、¥5250(税込)を払うと、デジタルデータをそのまんまもらえます。GPSには対応しませんが、iPadで「こちずぶらり」もどきはできるはず。さて、この¥5250は、高いか安いか・・・・。
そう遠くない将来、大学生が教科書代わりにiPadを持ち出したら、「野外巡検の友」として配布(解説を付けて電子ブックで販売?)も面白いかもしれません。
2010年01月27日
「ブラアプリ」という実験
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/release.aspx?i=242037
「ブラタモリ」 「日本初」、「位置情報連動」「動画」・・・地理関係者としては触れずにはいられないニュースなので、早速飛びつきました。が、悲しいことにパソコンでは見られない(当たり前ですが)上、私はi-phoneはおろか携帯すら持っていない人間なので、イメージ画面を見るしかできません(→こちら)。
「すごいー!」「使ってみたいー!」では、ただのミーハーなので、実際に使えないなりに、このコンテンツが目指している「実験」の性格について調べてみました。
「ブラアプリ」の開発にかかわった会社が今、東京国立博物館でi-phoneを使った館内ナビゲーション&展示案内の実験を行っています。You tube動画による解説も付いていますので、「ああ、ブラアプリは、これの野外版なんだな」という事がわかります。
http://www.koozyt.com/solutions/amp/horyujitreasures/
「相田みつを美術館」バージョンもあります。
http://www.koozyt.com/solutions/amp/damono2/
東京に遊びに来た地理好きが、このアプリを見ながら上野駅で降りれば「上野編」の中で出てきた動画が、秋葉原に差し掛かれば「秋葉原編」の解説が、放送回で検索することなく出てくるという仕組み・・・・なんでしょう。古地図も一緒に出ればパーフェクトなんですが、それはまた別途古地図のサイトを開いて眺めるという感じになるのではないでしょうか。
このシステムの主な売り込み先はテレビ局や自治体などです。グルメ番組で紹介したお店の動画にリンクを貼り、実際にそのお店を目指す人のためにナビゲーションをしたり、映画やドラマの「ロケ地廻りの友」にするなどの利用が考えられます。実際のロケ地を前に、ドラマの1シーンが見られるというのもいいものです。大河ドラマの最後に3分間流れる、「ゆかりの地紹介」の動画を切りだして現地で見られるようにしても面白いと思います(本編は肖像権の問題等があるので、なかなか難しいでしょうが、こちらは人物は映らないので載せやすいと思います)。この不況とテレビ離れで、テレビ局はCMの収入が激減しているらしいので、あの手この手で商売する方法を模索しているのですね。
「場所に絡めた動画」の用途は、地理のフィールドワークの指導にもうってつけなのですが、まさか40台分i-phoneを学校で買うわけにもいかず、かといって「レンタルi-phone」のようなサービスがあるわけでもなく、うーん、厳しいかなというのが率直な感想です。あればあったですごく面白い実践が出来そうなんですけどね。
【リンク】
プレスリリースで触れられていた「AR」(拡張現実)。i-phoneで目の前の景色を撮影するだけで、その景色に関連付けられた情報が表示されるアプリ、「セカイカメラ」などが有名ですが、この「ブラアプリ」もその仲間に入るようです。
これから流行りそうな言葉なので、入門書の紹介にリンクを貼っておきます。
2009年10月09日
「ブラタモリ」視聴のお供にデジタル古地図
今週は、ちゃんとビデオに撮って見ました「ブラタモリ」。ただ、朝ごはんをこしらえつつ、ちらちらなので、またじっくり見たいと思います。今までのブラタモリ記事をまとめて、「ブラタモリ」カテゴリも作りました。
今週は上野。いやー、実に深いですね。引っかかる用語でどれだけ検索をかけられるのやら・・・。とりあえず、案内役の寛永寺の管長さんが書かれた本が図書館に何冊かありましたので、早速借りて読んでみようと思います。
ところで、この番組から火がつく(かも)であろう「江戸の歴史地理学」ネタ、ためしにAmazonで検索してみたら、まあ出るわ出るわ・・・・・既に大きなマーケットが確立しているようです。この番組を見て「セルフブラタモリ」(コースを自分で歩いてみる)という人は、何を買っていいか迷うくらいですね。
Amazonで「東京 古地図」あるいは「江戸 古地図」で検索するとわんさか出てきます。
「京都 古地図」でもたくさん出ますね。やっぱり、古地図や絵図のストック量がものをいいます。昔の観光ガイドみたいなものですから・・・・・。ところが、我が「富士山 古地図」はゼロでした。さすがに富士山までブラブラはできないということでしょうか。古地図は結構たくさんあるんですけどね・・・・。
古地図ウンチク本もいいですが、今風にパソコンでじっくり見てみようというならこんなサービスもあります。番組でタモリさんが見ている江戸期の古地図は、こちらから画像で見ることが出来ます。【地図専門店“MAP Shop゛の「古地図」コーナー】
「描かれた場所を古地図で確認」のコーナーを開き、任意の浮世絵をクリックすると「江戸地図」というアイコンが出てきますので、それを開くと江戸全体が見えます。
http://www.mapshop.co.jp/oldmap/
単純に地図をぐりぐりスクロールしたい場合は、こちらです。
http://www.mapshop.co.jp/cgi-bin/mapshop/shop/prod_view.pl?_PIDList=M22317K0043
印刷版、ダウンロード版、それぞれ販売しています。A0版で¥8400.教材にいいかもしれません。
便利になったもんですね。
明治以後の地図の変遷ならば、MANDARAの作者、谷謙二先生の「今昔マップ2」もあります。
サンプル版を頂いて以来、本腰を入れて触っていないので、また研究してみたいと思います。
秋の夜長、デジタル古地図を片手にブラタモリ・・・なんか、マニアックですが、楽しいんじゃないでしょうか・・・・?
2009年09月26日
祝「ブラタモリ」レギュラー化!(木曜10時)
タモリが古地図を片手に東京をぶらぶら。台本なし、タモリの地図トーク(&地理学者顔負けの観察眼)で1時間を持たせ、「NHK版タモリ倶楽部」と言われたこの番組。 10月1日(木)から、毎週木曜日NHK総合で午後10時〜10時43分でレギュラー化が決定しました(うれしい!) 。
【公式サイト】
http://www.nhk.or.jp/buratamori/index.html
昨年の「パイロット番組」(レギュラー化を検討するための1回限りの実験的な放送)では、NHKの目と鼻の先である明治神宮〜原宿で収録がされましたが、これからレギュラー化するにあたって、どんなところをブラブラされるのかが非常に楽しみです。最初は東京周辺だと思いますが、是非地方にも足を運んでもらいたいものです。
「ブラタモリ@京都」とかやってもらえると、非常に楽しいのですが・・・・・。
ともあれ、これから毎週「地理人」の視点から解説が入れられると思うと楽しみです。
業界みんなで応援しましょう!
●ブラタモリ関係のサイトのリンクはこちらです。
ブラタモリを見て(いとちり2008年12月17日)
昨年の放映分のYou tubeへのリンクがあります。 (←動画は削除されていました。)
http://www.itochiri.jp/article/13367373.html
いとちりは「ブラタモリ」を応援します!(2008年11月23日)
「タモリ倶楽部」の地理関連特集動画へのリンクあり。
http://www.itochiri.jp/article/13354555.html
2008年12月17日
ブラタモリを見て
放送が延期になっていたブラタモリ(NHK)。きっちりと録画しました。が、実際に見たのは子供が寝静まった後、パソコンで(You tubeに既にアップされています。”ブラタモリ”で検索すると、5本に 分けた動画がでます)。
感想・・・・・うーん、難しい。私達地理教師のように、古地図をながめたりそれを持って歩くのに慣れている人間には、「へえー」、「ほー」、「ああ、はいはい」の連続で、大変面白いのですが、高校生にいきなり「面白いから見なさいよ」と見せても、すぐには食いつかないなと思いました。
○明治神宮は、昔は何もない空き地に、100年先を見越して植林がされて 出来た森である・・・へぇー。
○渋谷川は東京オリンピックに合わせて水洗便所を作るために 川ごと下水道管にされた・・・・・・へぇー。
○表参道は、もともとあった台地を切り崩したので、石垣が両サイド
にあった・・・・・・・・・へぇー。
○表参道は、東京オリンピックに合わせて拡張工事がされた・・・・・・・・・へぇー。
さあ、感想を・・・・「うん、よくわからんが、ぼちぼち面白かった。」
キーコーンカーンコーン。
さあ、終わりだ。帰ろ帰ろ。タモリってマニアックだね。いとちりみたい(笑)。
というような光景が目に浮かびます。
地方在住の、あんまり地理が好きではない生徒にこの番組の面白さを伝えるのは、かなり難しいと思います。
逆に言えば、このネタにどう意味づけするかが、
「地理でご飯を食べている人間の腕の見せ所」といえるでしょう。
例えば、今はほとんどが道路の下にもぐってしまっている渋谷川は、それで洪水のリスクがなくなったわけではありません。下流の港区では、渋谷川の氾濫(下水処理能力以上の降雨があった場合)に備えてハザードマップを公開していますし、もともと地名に「谷」がつくくらい、低くなった土地の地下を走っている地下鉄や地下道が浸水すればどんな事態が想定されるか(最悪の場合、都会のど真ん中で溺死)なんて話をすると、「住民や訪れる人のほとんどが、そこに川が存在した事すら知らない街・東京」の恐ろしさが見えて来るのではないでしょうか。
と思ったら、さすがは東京。ちゃんと手は打ってあるようです。
渋谷駅の下には巨大な地下空間があり、そこに水が貯められるんだそうです。
でも、そんな予算もない我々地方の住人は、旧河道の存在なんてすっかり忘れて、ある日突然どどーんと大水害に襲われてしまいます。うーん、ここにも中央と地方の格差が・・・・・。なんてことは横道にそれすぎでしょうか。
とにかく、「糸口」は沢山あります。
明治神宮の森は、都会のど真ん中の「里山」そのものです。地方の里山の維持者がいなくなり、荒れ果てて行く中で、東京の里山は月給取りのおじさんがしっかり維持しているというのも何とも皮肉な話ですが。明治神宮の頃の東京の都市計画(本当はロンドンよろしく“グリーンベルト”で東京を囲む予定だったが関東大震災でく断念。完成していれば東京大空襲の悲劇は多少軽減できた?)の話に触れてもいいと思います。
自分だったら一気に見せてしまうのではなく、単元に合わせて切り出して使うかな? というか、切り取って、噛み砕いて、ふくらませてやらないと、“もたないな”と思いました。
とにかく、せっかくのタモリ×NHKの力作。ただの「東京トリビア」にしてしまってはもったいない。
じっくり料理してみたいと思います。
【リンク】
港区・防災のページ 渋谷川のハザードマップがあります。
大雨のときでも、渋谷駅前が水浸しにならない理由(exite news 2007.10.8)
いとちりはブラタモリを応援します!(11月23日付の記事)Youtube内で公開されている
「タモリ倶楽部」の地理関係特集にリンクがあります。