2017年04月30日

ドッグファイト

 どう見ても「ヤマト運輸」と「Amazon」がモデルにしか見えない、物流の雄の両陣営が、生鮮食品当日配送をめぐって繰り広げるバトル。シェアの大きさを武器にシステムの統合と更なる値引きを示唆するWスイフト”社の女性マネージャー、面従腹背しつつ水面下で全く新しいサービスを構築しようとする担当営業課長。タイトル通り、真っ向勝負で後ろを取られた方が負け。これを読むと現実世界のバトルがよくわかる。
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2017年02月24日

経済は地理から学べ!宮路秀作著

 おお、面白そうな本だ。社会人向けの地理の本を志向しているな。どれ、お手並み拝見と行こうか・・・と思っていたら、著者ご本人から献本を頂きました。このブログを読んでいただき、更に拙著も買っていただいているとのことで、光栄の極みであります。

 さて、書評というほどではありませんが、感想をいくつか。
 読後の印象・・・「あ、いろんな意味で自分の本と対極にある本だなあ」と。
 どの辺が対極かと言いますと・・・。

 @この本は白黒刷り、自分のはカラー
 白黒で分かりやすい模式図や地図を載せるのは、思いのほか苦労が絶えないのは普段テストやプリント作りで嫌というほど味わっています。逆に、カラーが使えるとあれも載せたいこれも書いておきたいと、みっちりとなってしまいがち。シンプルで分かりやすい解説図が多いです。
 Aこの本は縦書き、自分のは横書き
対象読者を幅広くとった、「ビジネス書です」って感じがします。自分のは理科っぽいというか、「地図化実験の報告」というか・・・実際理系方面の方にウケがいいようです。
 Bこの本は、読ませる本。自分のは見せる本
さすが、予備校の先生だけあって、文章の語りもうまいです。語りを読みながら、挿絵的に案連する図が登場します。自分の方は、制作段階でまず地図を描き、にらめっこしながら描写の文章を書いたものが多いです。タイトルの通り、まずは地図を見てねというスタイルです。
 歌を作るとき、歌詞から書くか、曲から書くかの違いみたいなもんでしょうか。

 C予備校の先生の本、高校教師の本
東大講座も担当されるカリスマ講師の宮路先生。センター試験での出題例や、統計の分析など、「王道の地理B」観が漂う、安定した語り口で「業界の人」なら「ほう」と読める内容です。例えば、アイスランドの地形的な背景と発電との関係を語る最初の箇所はなかなか唸るものがありました。

 かたや田舎の実業校の地理教師。ベースは「地理A」で、結構変化球を投げています。「地理Aの王道」である地誌的な内容にいまいち踏み込んでませんので、今続編をせっせと書いています。

 あまり「書評」になってませんが、高校の時に地理を学んだ方、現役で地理を教えている方、教えざるを得なくなってしまった方には強くお勧めできます。高校地理の予備知識がほとんどない方には、もうワンクッション必要かもしれません(章の扉絵の「この章で取り上げる国」の地図はいいアイデアだなと思いました)。「経済」を前面に出すのならば、後半の「生活」の章、
もう少し統計的な裏付けをつけてもいいのではないかな?(特定の食品の一人あたりの消費量の国別比較など)と思いました。「イギリスの料理がなぜまずい(シンプル)なのか?」の裏付けに、自分ならばどんなデータを使うかな・・・と思ったりしました。

 「高校地理の必修」がなくなってから約25年。「失われた25年」と見るか、巨大なマーケット(高校地理未履修な社会人が数百万人、そのうちの何割かが仕事に地理的な教養を必要としている)があると見るかで捉え方は変わってきます。世界史ビジネス本のブーム、ブラタモリをはじめとした「地図歩き」のニーズ、環境は整ってきていますので、「地理のビジネス書」というジャンル、火がつけば一気に広がるのではないかと見ています。

 「同じテーマ、地域を別々の切り口で書き、描く・・・一緒に仕事が出来たらよいですね」とお声かけさせていただきました。立場は違いますが、地理を教室の内外に広めようという者同士、これからも切磋琢磨していけたらと思っています。

 改めて拙著も宣伝・・・続編(地誌編)、頑張って書いて(描いて)ます。


posted by いとちり at 23:40| Comment(3) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

今週の書棚(2月28日〜3月6日)

  今週は、9冊読みました。下段、「人事異動」より前が今週読んだ書籍です。

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今週のベスト3冊

1位 「超高速・参勤交代」5  文字通り、駆け抜ける面白さ。こういう時代小説はなかったです。
2位 クラスはよみがえる 4.0 「問題児」の類型(病状)が鋭い。対処法には賛否あるかも。
3位 働く女子の運命   4.0 
女性を生きづらくするのは、仕事ではなく「身分」に対して俸給を払ってきた日本的な雇用システム。その歴史は意外に浅いが、根深い。

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2016年02月28日

今週の書棚(2月21日〜2月27日)

  今週は、9冊でした。下段、右から4冊目以後が今週読んだ本です。
((クリックすると書評つきの書棚に飛びます)。
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今週の1位
  会話主体のテンポ良い時代小説。明治2年のお雇い外国人と夢抱く少年、老発明家の交流。長崎の島を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。・・・・私の大好きな「地理小説」なので、久々の★5つ。
2位
 心の対話者 4.0 
 悩みを抱える人、心を病んだ人、普通の人、自分自身・・・心を無にしてひたすら危機に徹する。正しい「傾聴」の仕方。上司や教師など、人の話を聴く機会が多い人は必読。
3位
 診断も受けた「現役バリバリ」の方が語る、取扱説明書。身の回りで見渡してもよし、自分自身の中の「そういう面」に素直になるもよし。


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2016年02月21日

今週の書棚(2/14〜2/20)

   このブログの左下に「書棚」コーナーがあります。
 「ブクレコ」という、便利なオンライン書棚サービスに読んだ本と書評を載せています。週に10冊、できれば12冊(棚の本を総入れ替え)を目標に、電車の中で本を読んでいますが、どんどん入れ替わっていきますので、定期的に画面キャプチャして、まとめておこうと思います。ブクレコサイトにリンクを貼りますので、興味のある本がありましたら、書評ともども目を通してもらえればと思います。
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(クリックするとブクレコサイトへ飛びます)

今週のベスト3(クリックすると、書評にダイレクトにいきます)
 同業者(社会の先生、特に地理の先生ならばMustで読みたい新書3冊を挙げます。)
 1位の「発想法」は、息の長いロングセラー。「そうだったのか、KJ法」です。アクティブラーニングな時代にこそ読みたい不朽の名著だと思います。





posted by いとちり at 06:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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