2009年07月02日

【素朴な疑問】富士市はなぜ「GoogleEarth」の表示が荒いのか?

隣の学校の政治経済の先生による名物ブログに寄せられた質問です。

「それは隣の学校の"いとちり”に訊け!」ということなので・・・。


●関係ない話題ですが、質問させてください!


どうしてグーグルアースでは、富士宮市は建物まで見えるのに、富士市はモザイクかかってるんですか!?田舎みたいで恥ずかしいんですが。教えてください(>_<)

●そのような質問は、★ttp://www.itochiri.jp/ にアクセスしましょう。
隣の高校の地理の先生です。★をhに


(★ttp://tommyjhon.exblog.jp/(先生のリンク方法に習いました。★をhに替えて下さい)


Tommy先生、ご紹介ありがとうございます。 

そー言えばそうですね。ちょっとこちらを見て下さい。

satelite1.JPG

satelite2.JPGsattelite3.JPG

Google Mapを徐々に拡大していく中で、「あ、ここは詳細な写真があるな」というのが分かりますね。

富士市は、市街地がほぼすっぽり抜け落ちています。その代わり、富士山とその周辺(富士宮市を含む)と、 政令指定都市である静岡市(合併して静岡市に編入された旧蒲原町と、編入される事が決まっている由比町)は詳細写真があります。

 Googleの日本法人には、「なんでうちは写真が荒いんじゃ!」という苦情があるのか、この件に関して次のようにコメントしています。


  航空写真、衛星写真で特定場所の確認ができるのが Google Earth や Google マップの大きな特徴のひとつですが、ユーザーの皆様からはより鮮明な画像、さらに鮮度の高い画像の提供に対するリクエストをよく頂戴します。確かに、再開 発等で変化の激しい都市部においては、せっかく詳細画像があってもそれが古いものであるために、建物等が実際と異なるものであったとしたらあまり有用とは いえません。 
  残念ながら Google Earth や Google マップではまだこういった画像が存在するのですが、この状況を改善すべく先日、画像の更新が行われました。(中略)

 今回更新されなかった地域についても主要都市を中心にさらに鮮明な画像をお届けできるように、また、まだ詳細画像がご覧いただけない地域につきましても詳細画像をご覧いただけるよう、ひきつづき更新を続けて行く予定です。今後もますます進化していくGoogle Earth、Google マップの画像にご期待ください!

http://googlejapan.blogspot.com/2008/01/google-earth-google_18.html


 Google 公式ブログに「衛星写真が新しくなった」という最後のコメントが出たのが2008年1月18日でこれ以降はありません。今のところ、Googleさんは、衛星写真を新しくするより、大都市圏でのストリートビューを充実させる方にお金とエネルギーを注いでいるようです。

http://googlejapan.blogspot.com/2009/05/google_18.html (2009年5月18日)


  Googleさんは、民間企業(それもかなりお金儲けがうまい)ので、持っている資本を、一番儲かる所に優先的に注ぐのは当たり前と言えば当たり前です。

 衛星写真は、実は有料です(それもかなりお高い)。富士市の写真も、お金をそれなりに出せば手に入れることができます。また、手に入れた写真をGoogle Eathに乗せるためには、それなりにめんどくさい処理が必要です。Google Earthの衛星写真は、どこかつぎはぎだらけに見えるのは、いろんなところから写真を買って、パッチワークのように並べているのです。

衛星写真を売っている所はこんなところがあります。

CROSS(衛星写真オンライン注文)

https://cross.restec.or.jp/cross/CfcLogin.do?locale=ja

日本が打ち上げた「だいち」の衛星写真は、35km×35kmで2万6250円(税込み)だそうです。

日本地図センターのネットショッピング

http://net.jmc.or.jp/digital_data_satellite.html

「だいち」の写真を使いやすく加工した写真を売っています。

10km四方で10m解像度 21,000円 2.5m解像度 42,000円(税込) だそうです。

 Google MAPの東京近郊は、25cm解像度の写真を用意しているとのことですから、相当な費用がかかっているはずです。Googleさんとしては、高い費用を払っても元が取れるところを優先的に更新していると思われます。 ちょうど、民法テレビのビジネスモデルに似ています。

つまり、

(1)多くの人が見る地域(番組)は、高いお金を払って精度の高い地図(ギャラの高い芸人)を呼んでも、スポンサーがたくさんお金を出してくれるので、元が取れる。

(2)見る人が少ない地域(番組)は、最低限の地図でなんとかつないでいる (深夜の“テレビショッピング”みたいなもんです)。


【お答え】
 Googleさんは、営利企業であり、Google Earthが無料(民放テレビと同じ)なので、儲けにならない(と判断されている)田舎の人間が文句を言っても仕方がない。


 儲かる所に集中的に投資をして、そうでないところはできる限りケチる。資本主義の基本ですね。

 なんか、書いていて悔しくなってきたので、Google Earth以外で、ネット上で富士市の空中写真が見られるサイトにリンクを貼ります。

オルソ化空中写真ダウンロードシステム

http://orthophoto.mlit.go.jp/

国土交通省肝いりの、オルソ化(GISソフト等で切ったりはったりできる様に加工した)空中写真のデータベース。これならうちのあたりも見られるでしょう・・・・・と思いきや。

fujiphoto.JPG

すみません、「最新」の写真が1975年モノなんですけど・・・・・(涙)。

「昔の富士市の姿」を知る、歴史的資料としてどうぞ。

pool.JPG


今の「ロゼシアター」のあたりにあった

「富士市民プール」。若い子は知らないでしょうね。入場料は小学生¥50。中学生以上¥100。富士市民の激安レジャースポットだったんですが、今は駐車場です。

 プールの裏の川はウグイだフナだつり放題・・・・・そんな古き良き時代の富士の

写真が「最新版」でございます。  

まあ、Googleさんのビジネスモデルから取り残されてしまったエリアということで、当てにしないで待ってましょう。

地球は広いですから・・・・。

posted by いとちり at 19:38| Comment(1) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月30日

「富士登山電車」が走る!

山梨の大月と河口湖を結ぶ「富士急行」が今年開業80周年。

地元紙でこんな記事を見つけました。

富士山を満載、観光列車運行へ富士急 開業80周年で今夏

http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/06/23/10.html 

 富士急行(富士吉田市新西原5丁目、堀内光一郎社長)は開業80周年に合わせ、工業デザイナーの水戸岡鋭治さん=東京=がデザインした観光列車「富士登山電車」の運行を8月上旬から始める。
 同社によると、車両の外観は同社開業当初に使われていた「さび朱色」を使用。車内にはベンチやボックス席、ソファなどを設置するほか、本棚も設けて富士山に関する本を並べる。
 水戸岡さんは九州新幹線「つばめ」の車両デザインなどを担当したことで知られ、「内装は懐かしさと新しさを調和させたレトロモダンなつくり」(同社)になるという。2両編成で富士急行線大月−河口湖駅間を運行する予定。
 一方、同社は下吉田駅をリニューアルする。昭和20年代に建てられた駅舎のレトロな雰囲気を残しつつ、コンコースに富士山の稜線(りょうせん)をイメージしたベンチやテーブルを配置。ホームにはガラス張りの待合室を設ける。総工費は約4千万円で、7月中旬に完成する。
(山梨日日新聞:2009年06月23日)

 先日、工業デザイナー、水戸岡鋭治さんについて取り上げたドキュメント、「情熱大陸」で見て、「すごい人もいるもんだなあ」と思っていたら、こんな手近なところで新作発表とは、ちょっと驚きです。

 デザイン画は、こちらに出ていました。富士山をイメージした内装と、レトロモダンな外観。

 東日本では初の「水戸岡デザイン車両」だとか。子供が喜びそうな、遊び心あふれたデザインです。

http://www.fujikyu-railway.jp/div/80th/pdf/Fujitozan-densha.pdf

(富士急行のプレスリリース)

情熱大陸の公式サイトはこちら

http://www.mbs.jp/jounetsu/2009/05_10.shtml

  Youtubeでアップされている動画はこちら。

http://www.youtube.com/view_play_list?p=C44829FEB19AFB39&search_query=%E6%B0%B4%E6%88%B8%E5%B2%A1%E3%80%80%E6%83%85%E7%86%B1%E5%A4%A7%E9%99%B8

てっちゃんならずとも、必見です。元気が出ます。 富士登山電車と同じような車両で、「ネコ電車」というのを作るに当たり、水戸岡氏が職人さんとああでもない、こうでもないと話しながら作り上げるシーンがあります。きっと「富士山電車」も、椅子職人さんや内装職人さんのこだわりがあふれていることでしょう。


  富士急行と言えば、以前、「富士山登山鉄道に反対」という記事を書き、結構反響をいただきました。富士急行が構想中のプロジェクトで、現在の有料道路「富士スバルライン」上に鉄道を通して、山梨側の新五合目まで鉄道輸送をしようというものです。

富士山登山鉄道に反対!(いとちり2008年12月11日)

http://www.itochiri.jp/article/13364682.html

続・富士山登山鉄道無用論(いとちり2009年1月4日)

http://www.itochiri.jp/article/13374371.html

  確かに、車で行くより電車で行った方が環境にやさしく“見える”のかも知れません。でも、大量の人が季節に関係なく富士山の中腹まで押し寄せて行くこと自体が環境破壊だと思うのです。

  富士急行ができた80年前、富士山は大衆化への道を歩み始めました。それまで、「富士講」や「吉田浅間神社」とともに信仰の山である富士山への道案内は「強力」(ごうりき)が取り仕切っていましたが、電車の開通以後、「観光業者」による客の取り合い、競争の時代に入ります。そのあたりの劇的な変化については、て寺林 峻(1988)『富士の強力―小俣彦太郎伝』 東京新聞出版局に詳しく書かれています。

http://www.itochiri.jp/article/13155159.html

(書評:いとちり:2006年12月22日)

 富士山とともに80年。大変めでたいことだと思いますが、客車だけでなく、富士山との付き合い方も、もうちょっとのんびり、レトロに戻してみてはいかがなものでしょうか?明日はお山開きです



posted by いとちり at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【富士のゆくえは?】それぞれの「ヨーカドー後」

 ヨーカドー富士店撤退宣言で、身の回り、激震が走っております。

 かと思ったら、北の大地、製紙とホッキ貝の街、富士の「兄弟都市」ともいうべき苫小牧市でも、駅前のイトーヨーカドーが撤退宣言を出して大揺れ。こちらは2010年1月11日と具体的な日付まで出ていますので、

富士店も同じくらいに閉店するのではないでしょうか。苫小牧の皆さん、一緒に知恵を絞りましょうね。

<苫小牧店の閉店情報はこちら>

ヨーカドー撤退特集(苫小牧民報:「緊急レポート ヨーカドー撤退」2008年6月18.19.20日)
http://www.tomamin.co.jp/kikaku/09/yokado/yokado.html

撤退は1月11日(北海道新聞:2008年6月19日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/172384.html

  さて、駅前の大型店が撤退して、「さあ、どうなる」というのは、今に始まったお話ではありません。全国津々浦々、「ヨーカドーが去った街」のその後を拾ってみました。富士はどうなるんでしょうか・・・・。

(1)別のスーパーがそっくりそのまま入ったケース(愛知県小牧市)

1995年9月開店。

2006年9月閉店発表。2007年9月2日閉店。

2007年11月8日 滋賀県を拠点とするスーパーマーケットチェーン「平和堂」が営業権を得て再オープン

詳細は、Wikipediaの「アルプラザ・小牧」を参照

〇わずか2か月でスーパーとして復活しましたが、極めてレアなケースといえます。

(2)複合商業施設として再オープンしたケース(山梨県富士吉田市)

1975年4月29日開店。 

2005年6月閉店発表。2005年12月31日閉店。

所有者の(株)富士急百貨店(本社:沼津市)による改装工事を経て、2006年3月31日再オープン。

現在は、複合商業ビルQ−STA。

詳細は、Wikipediaのキュースタを参照。

〇富士店のオープンが1976年なので、ほぼ同期生といえます。富士吉田駅の駅ビルとして機能しています。富士急行は今年開業80周年。情熱大陸にも出ていた工業デザイナーの水戸岡鋭治さんに車両デザインを発注するなど、ここのところ元気がいいですね(詳細はまた別稿で)。

(3)自治体が借り上げて、コミュニティーセンターにしたケース

(福島県白河市)2002年5月26日閉店。

 同年9月3日、1階の食品スーパー部分を「主婦の店」が受け継いで再オープン。2階、3階部分が市のコミュニティースペース、マイタウン白という施設になりました。

 

閉店時の「ヨーカドー白河店」と、 現在の「マイタウン白河」

出所:「多摩地区・そして全国各地の画像集」さん、「でぱあとまにあ」さん)

外観はほとんど変わっていません。 建物は30年物とか。

(4)自治体が買い上げて、行政施設を作るケース(新潟県新潟市)

 ヨーカドー跡地新潟市購入へ(新潟新報:2009年6月20日)

http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=159493

 新潟市が旧イトーヨーカドー新潟木戸店跡地(同市東区)を、市内の不動産会社から購入する方針を固めたことが19日、分かった。市は跡地の建物を改修し、東区役所を移転させる計画。購入費は3億円台になる見通しだ。
 同市北区の大川トランスティル(民事再生手続き中)が所有していた跡地は、フジホーム(同市中央区)が購入。建物は鉄骨鉄筋コンクリート造りの地下1階地上5階建てで、延べ床面積は約3万2200平方メートル。土地面積は約1万5000平方メートル。駐車場は約400台分。
 市は現在の東区役所(同区古川町)が手狭になっている上、交通アクセスも悪いため、昨年12月から移転計画を進めてきた。数カ所の候補地から人口分布や交通の利便性などを考慮し、同跡地に移転先を絞り込んだ。新区役所には文化ホールを併設する方針だ。
 同跡地を巡っては、昨年5月ごろから経営コンサルタント会社などによる場外舟券売り場設置の構想が浮上。舟券売り場に対し地元住民の賛否は割れており、それぞれの立場から市議会に陳情している。一方、商工業者らが、跡地に区役所の建設を求める陳情も提出している。

〇うーん、「場外舟券売り場」なんてチョイスもあるんですね。富士駅前でやったら結構繁盛するかもしれない・・・・・。富士駅前には、できたばかりの西図書館&多目的ホールがあります。

そして、最悪のケースを一つ・・・・・。

シャッターは開くのか?旧ヨーカドービル利活用問題10年(十勝毎日新聞社2008.11.21)

http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/08yokado/index.htm

帯広市内中心部からイトーヨーカドーが移転し今月で丸10年となった。入居していた商業ビルは大手スーパーなどの出店が持ち上がったが実現せず、閉鎖されたままだ。中心部活性化の成否を左右するビルの再生。シャッターは再び開くのか−。10年を振り返り、課題を探った。

〇上下にわたる特集です。10年空き店舗として野ざらし、駅前の巨大な廃墟。建物は劣化するし、解体もできず・・・・富士宮の「ニチイ」跡地も長いですね。今の「パピー」もどうなるんでしょうか。

 と、まあいろいろなケースがあるわけですが、どの地域も、「撤退」が決まってから「閉店」まで半年から1年間の猶予があります。相手は大手企業ですから、一度決めたらやりぬくわけで、「お願いだから残って」と言っても「経営判断なので」と言われておしまいかと思います。ならば、この半年の間に、富士駅前をどうするのか、地主さんだけでなく、住民が本気で考えるべき時だと思います。

 個人的には、最近流行りの「駅前タワーマンション」だけは勘弁してほしいと思います。以前、東海圏の某県庁所在地の駅前で、ものすごい大きな駅前タワーマンションの建設現場を見ましたが、「この街は名古屋のベッドタウンでござい」と高らかに宣言しているようなもので、見ていてあんまり感じのいいものではありませんでした。第一、タワーマンションが30年後どうなっているか、今の老朽化して人が入らなくなった団地を見れば容易に察しが付きます。たとえ富士市が実質的に沼津や静岡のベッドタウンになるとしても、それをわざわざ助長するような建物を駅前に作る必要はないと思います。第一、タワーマンションなんか建てれば、最上階から見えるのは煙突のてっぺん。あんまり売れないと思います。

 ここで一案。「駅前保育園&富士常葉大学の複合教育施設」なんてのはどうでしょうか。駐車場は大きいのがありますし、駅前に保育園があると何かと便利です。富士常葉大学の保育学部も、へんぴな土地(失礼)にありながらも結構人気があるので、駅前にあれば学生さんも集まるし、実習先にも事欠かないです。

 現行の建物だと、フロアに窓がないので難しいかもしれませんが、1,2階を農協の直売所(土地のオーナーは農協)3階以降をそうした施設に充てみてはどうでしょうか。少なくとも、マンションを建てるよりは人が集まります。いっそ、環境防災学部も丸ごと駅前に引っ越せば、学生さんも、教授陣も電車で引っ張り込めると思いますがどうでしょう。いざという時も、「最前線の司令塔」になると思いますが・・・・。

 

posted by いとちり at 07:06| Comment(0) | TrackBack(3) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月29日

え!?イトーヨーカドー富士店が閉店

我が地元、富士駅の目の前で30年以上営業を続けてきた「イトーヨーカドー富士店」が、とうとう閉店してしまうそうです(2010年の早いうちとか。詳細は「フジブログ」さんより)。駅前の一等地、大きな無料立体駐車場を含めると、相当な面積が「空き店舗」になってしまいます。・・・・どうするんでしょう?


大きな地図で見る

いとちりでは「焼き畑商業の教材化」と題して、大型店のスクラップアンドビルドをなんとかわかりやすく伝えることができないかと模索してきましたが、いざ「当事者」になると、なんとも切ないものがあります。親子三代(いや、死んだばあさんも愛用していたから四代か)いろいろお世話になってきたんですけどね。

 今も、雨の日に子供を遊ばせる場所として、ローテーション入りしてるんですが・・・・。

 ベビーカーを運ぶエレベーターがないので、お願いすると裏のでっかい「業務用エレベーター」を使わせてくれます。もれなく「お店屋さんの裏側」を見られる社会見学にもなって・・・・あんまり関係ないか。にしてもつらい、つらすぎます。 


★追記:全国の「つぶれてしまったヨーカドー」の、その後を追ってみました。

富士の行方は?それぞれの「ヨーカドー後」 いとちり2009年6月30日

http://www.itochiri.jp/article/13482009.html


【リンク】 

イトーヨーカドー 富士店

http://www.itoyokado.co.jp/blog/056/special_events.html

消えた大型店マップ(北海道編) いとちり2008年12月1日

http://www.itochiri.jp/article/13358867.html

商業の教材化(月刊「地理」2009年3月号)

http://www.itochiri.jp/article/13405756.html

ジャスコvsヨーカドー 分布図で見る勢力圏 いとちり2008年11月29日

http://www.itochiri.jp/article/13357413.html

 

posted by いとちり at 07:02| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月28日

ツバルを見て富士を憂う

 気候の単元のイントロダクションで、TBSの「夢の扉」(5月17日放送:海に沈む島を何とか救いたい)をみました(番組サイト:http://www.tbs.co.jp/yumetobi/backnumber/20090517.html

 写真家の遠藤秀一さんが、温暖化で沈みゆく島、ツバルの惨状を発信していく内容に、私自身衝撃を受けて、週末は図書館で「ツバル本」を借りまくって読みました(本の一覧は、いとちりBooksの「ツバル本」を参照)。

 海水面が上昇し、大潮のときや台風の時、海岸から波が押し寄せてきて海岸を削っていく・・・・そこまでは想像がつくのですが、ビデオや本を見て「うわ・・・!」と思ったのは、海から離れた内陸で、突如洪水が起きる現象でした。サンゴ礁の岩盤はスカスカなので、海面が上昇して外から圧力を受けた海水が小さな穴を通って内陸部に侵入。地面から海水が湧き出してくるようにして覆い尽くし、主食のタロイモの畑は全滅・・・・・。自給自足で成り立っていたツバルでは、最近食料の輸入が急増し、ゴミ捨て場にはスナック菓子やらラーメンの袋やら、日本でもおなじみのゴミがあふれかえっているんだそうです。

 「ひどい」「なんとかしなければ」と、いろいろと書いてくれていた皆さん、授業でもちょっとお話しましたが、ツバルの問題は、「対岸の火事」ではないことを、私達はよーく肝に銘じておく必要があります。

 以前、田子ノ浦港の建設と、製紙会社の地下水のくみ上げの影響で、富士市内の地下水層がスカスカになり、そこに海水が浸入して、富士市中の井戸水がしょっぱくなってしまった話を書きました。

「富士山湧水マップ」:2009年4月9日付

 それから約30年。この「地下水塩水化問題」は、一応終息したかのように見えますが、地球温暖化で海水面が上昇してきている今、再び脅威になってきているのではないでしょうか。

 富士川水系の河川は、ダムの建設や、上流での砂利の採取により、河口に運搬される土砂が減っています。そのため、海岸線の浸食が進み、今まで以上に地下水層が直接海に触れる面積は広がりつつあります。地下水層にある水は、生活用水や工業用水に利用されますが、富士市の人口は増えるばかり、工場も、多大量に水を使う製紙業をはじめ、特定地域に密集しています。地下水層から海に流れ出す水の力(地下の川)と、海から地下水層に侵入しようとする水の力のバランスが崩れれば、再び地下水が塩水化する可能性も捨てきれません。「工業用水道ができました。めでたしめでたし」とは行かなくなってきているのです。

 ツバルのように、いきなり井戸から塩水が噴き出してくることはないでしょうが、地下水にだんだん塩水が混じるようになり、農作物に影響を与える可能性は十分にあります。高い堤防を築き、消波ブロックを置いて、「どんな高潮や津波でも大丈夫!」と、たかをくくっていると、堤防の内側、奥深くでとんでもない被害がおこるのではないのかと心配になるわけです。

 実際、富士市のどのあたりまで塩水化した井戸水があるのか、調べてみないとよくわかりませんが、今後温暖化と海面上昇が続く限り、「水道水がうまい街、富士」の面目がどこまで保てるか、ちょっと心配になってきます。また、雪解け水は冷たいので、田植えの水には地下水を使っている、東北や北陸の農村(特に海岸近く)で、これから安定して農業ができるのか、ちょっと心配になります。

 温暖化は当面食い止められそうにありません。今立てている対策も、実際に効果が表れてくるのは30年先か、50年先かといわれています。仮に50年後、自分の子供たちがいい歳の中年になった頃、仮に気温の上昇はストップしたとしても、畑や水田が使い物にならず、塩まみれなんてことになっていたら、お父さんは死んでも死にきれません。

 「ツバル」は、はるか遠いところの悲劇なのではありません。もしかしたら、自分たちが50年後、100年後直面するかもしれない問題を、非常にわかりやすく、速いペースで我々に見せてくれているのかも知れません。

 前の世代が残した「地球温暖化」という宿題をどう解き、次の世代に引き継がないようにすればどうすればよいのか、とりあえず足元から考えていく必要があるのではないでしょうか。

【セルフレファレンス】

主ににネットで見られる「富士市の地下水塩水化」に関する資料集

(半分自分と“ちりゼミ2009”:「しょっぱ井戸」班メンバー用のメモです)。

〇村下敏夫(1967),「水井戸の話K 塩水汚染」,地質ニュース(150)(1967年2月号),44〜45頁。

http://www.gsj.jp/Pub/News/pdf/1967/02/67_02_10.pdf

〇村下敏夫・岸 和男(1967),「地下水の塩水化についての研究―第1報熔岩帯水層の水理地質学的性質―」,地質調査所月報 18(6),379-392頁。

http://www.gsj.jp/Pub/Bull/vol_18/18-06_01.pdf

〇池田喜代治(1967)「地下水の塩水化についての研究第2報 塩水化地下水の地球化学的研究  」, 地質調査所月報 18(6),393-411頁。

http://www.gsj.jp/Pub/Bull/vol_18/18-06_02.pdf

〇環境省 全国地盤環境情報ディレクトリ 静岡県 富士(岳南)の地盤沈下情報(平成19年度版)

http://www.env.go.jp/water/jiban/dir_h19/22shizuoka/fuji/index.html

〇岳南地域地下水利用対策協議会(事務局は富士市役所内)

http://www.city.fuji.shizuoka.jp/hp/page000003300/hpg000003201.htm

〇温泉の科学

http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/sience_of_hotspring/sience_of_hotspring_4-2.htm

〇あすへの記録 地下水補給 〜富士山麓での試み〜(NHKアーカイブス: 1974年8月23日)

http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200997408230130008/

〇富士山Net(山梨日日新聞) 2002年12月13日

http://www.fujisan-net.jp/news_main.php?news_num=368

富士常葉大学の環境防災学部長、井野盛夫先生が、「岳南の地下水の塩水化の克服」のテーマで講演。

→「富士山の地下水の現状と今後の問題」講演論文集、山梨県環境科学研究所(2002)16〜25.

山本荘毅(1994)『建築実務に役立つ地下水の話』243 ページGoogle booksで閲覧可)

岳南地域における今後の水資源対策について 

 村下 敏夫(1967/講演記録)(富士市立中央図書館518.12)

岳水協20年のあゆみ 岳南地域地下水利用対策協議会/[編]1987,(富士市立中央図書館518.12)

矢田 恒晴(1970)「静岡県岳南地域における地下水塩水化現象」、地理学評論43(9),567571 頁

〇松井 正樹(1999)富士山南麓今泉湧水群における湧き水調査、静岡県立富士宮農業高校研修課研究紀要,11〜18p

〇鈴木 伸英(2007)「富士山西・南麓の湧水水質と人間活動(生活、産業との関係)」,東京大学大学院修士論文

http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/7596/1/K-00849.pdf

〇野口健 公式ブログ「ツバルの塩害」

http://blog.livedoor.jp/fuji8776/archives/51048292.html

 

 

 

posted by いとちり at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする