2009年09月29日

シラス街道

新聞にこんな記事が出ていました。 


しらす祭:富士山しらす街道 駿河湾沿いの県道を命名−田子の浦漁協 /静岡

 ◇通称「ダンプ街道」改め

 駿河湾で水揚げされたシラスを味わう「しらす祭」が27日、富士市の田子の浦漁港で開かれた。田子の浦漁協が主催、今年10回目を迎えたのを機に、漁協はシラス販売店が並ぶ駿河湾沿いの県道(通称ダンプ街道)を「富士山しらす街道」と名付け、特産のシラスの宣伝に取り組む。

 祭りでは、漁船12隻が水揚げしたシラス約3トンをもとに、きらきらと光る生シラスを載せたどんぶりご飯を1食200円で振る舞ったり、パック詰めの生シラスや釜揚げシラスを格安で販売。生シラスご飯には朝から数百人が行列、わずか1時間で予定の1000食がさばけ、約600食を追加した。

 この県道沿いにはシラスを主とした海産物店11店が並び、漁協は各店の場所や電話番号を記した案内図を作成した。外山広文組合長は「砂利を積んだダンプカーが行き交い、ダンプ街道と呼ばれるが、シラス街道として富士市の観光にも役立ちたい」と話している。

毎日新聞:2009.9.29)


 ちょっと「シラス」が盛り上がってきました。

 以前、この「シラス街道」沿いのシラス屋さんでお話を伺ったことがあるのですが、ここが「ダンプ街道」になる前は、街中の“梨”(「富士梨」は今も名物です)が集まってきて、田子の浦から伊豆方面に船で運ぶための賑やかな場所だったとか。「梨街道」だったのです。

 このあたりでなぜダンプが行きかうのかというと、港の底にたまった土砂(ヘドロを含む)をせっせと浚渫して捨てるためだと思われます。富士山麓に源流を持つ潤井川、市内を流れる沼川の河口を彫りこんで作ったこの港は、本来ならば三角州ができるはずのところを掘りこんでいるので、必然的に土砂がたまるのです。建設工事と違って、「完成したら終わり」ではなく、「港がある限り、ダンプは半永久的に走り続ける」のがつらいところ。今後、この道が観光地化していくとして、「ダンプとの共存」 「工業港的な景観」と「漁港の景観」をどうマッチさせていくのか、考えるべきところは多いと思います。とりあえず、富士山が見える方向をどどーんと遮る煙突と、何とも言えない香りを漂わせる工場はなんとかしたほうがよいと思います。

 以前、近くを巡検した際の写真を載せます。

田子の浦港内にある「田子の浦漁港」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シラス街道」の県道ではないですが、近くです。大型車が多く、こんな感じです。

 

 

 

 

 

田子の浦の海岸

海岸浸食に対抗するために、砂利が盛られています。ダンプがここでも活躍

 

 

 

【自己リンク】

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 富士市ネタ、特に「田子ノ浦もの」を集めてみました。

○鞆ノ浦を田子ノ浦にするなかれ(いとちり:2009年2月15日)

http://www.itochiri.jp/article/13397630.html

「地域活性化」の名のもとに、和歌にも歌われた景色を手放したわが街、富士。

その教訓を鞆ノ浦(広島県福山市:「崖の上のポニョ」のイメージになった入江)の人も見てほしい。

○田子の浦のチップの産地を訪ねて(いとちり:2007年10月24日)

http://www.itochiri.jp/article/13214503.html

「国際貿易港」である田子ノ浦港。その主要品目である製紙原料のウッドチップの産地はここ10年で様変わりしました。北米材からオーストラリア・タスマニア産へ。「安くて安定供給」を求めて、世界中の森林が紙にされています。タスマニアの森林破壊を告発するGoogle Earthサイトへのリンクあり。

○ツバルを見て富士を憂う(いとちり:2009年5月28日)

http://www.itochiri.jp/article/13460224.html

「ヘドロ」と並ぶ、全総・東駿河湾総合開発の負の遺産である「地下水の塩水化」について取り上げています。掘りこみ式港湾で地下水脈と海水をつなぎ、過剰な揚水をした結果、富士の地下水は塩水化しました。規制後数十年たった今も、回復していない場所があります。生徒の調べ学習に端を発したリンク集あり。

○バイパスをつぶして「大通り公園」を作ったら?(いとちり:2009年9月9日)

 http://www.itochiri.jp/article/13527263.html

せっかく高速道路が無料になるのなら、大型車を全部高速道路に流して「国道1号線バイパス」の道幅を大幅に制限。「シラス街道」と連続する「大通り公園」を作ってしまおうという提案。これならダンプも通らず、ゆっくりと海の幸を堪能できるかも・・・・。新幹線新富士駅周辺を観光地として売り出していくのなら、文字通り「交通整理」が必要では?

posted by いとちり at 22:49| Comment(0) | TrackBack(1) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

バイパスをつぶして「大通り公園」を作ったら?

高速道路無料化に合わせて、並行して走る「バイパス」をつぶして欲しいという記事(いとちり:8月31日付)に、いろいろと反響をいただきました。「まともな暴論」第二弾です。

(1)バイパス跡地に長大な「大通り公園」を作る

 例えば、わが富士市の玄関口、新幹線新富士駅の南側。「国道一号バイパス」がどどーんと横切り、 大手の電気屋さんチェーンやファーストフードのドライブスルーがお出迎えします。この道をおっかなびっくり渡ると(幅広の直線道路なので、事故が非常に多い)きれいな住宅地があり、もう少し南に行くと、この街の隠れた(?)名物である「シラス」の問屋街があります。 

国1バイパス「大通り公園化」エリア


 富士山を仰げば煙突がお出迎え、海を目指せば大型トラックにあおられる・・・・おおよそ観光客に優しくないのが「新富士駅前」です。そこでこの付近のバイパスをあえて「狭くしてしまう」事を考えました

 道が完全になくなったら、さすがに付近の住民も困ります。ならば、バイパスの真ん中を緑地化して、両サイドだけ車が通れるようにしたらどうでしょうか。札幌の「大通り公園」のように・・・・。

 富士市には「中央公園」という大きな公園がありますが、どのターミナル駅からも遠いです。新幹線駅のすぐそばに大通り公園があり、富士川から田子の浦港をつなぐ遊歩道として、イベント会場として使えれば、新しい街のシンボルになるのではないでしょうか。沼津の「千本松原」よろしく、松の木を植えていってもいいと思います。

本家 「大通り公園」(札幌市)


(2)いっそ、「車を持ちにくい」社会を目指しては?

 無料になろうが何だろうが、道路の維持にはお金がかかります。バイパスを「大通り公園」にするにもお金がかかります。その財源をどうするか、私は「自動車重量税」「ガソリン税」をうんと高くして、そこに求めたらどうかと思います。

 「高速が無料になったら渋滞が増えて困る」と嘆くのではなく、「車を持つのは高くて不経済なので、出来る限り所有しないようにする」社会を目指すのです。その代わり、電気自動車のカーシェアリング等、新しい形の車の使い方を促進するための税制や補助金を設け、路線バスを充実させるために公的資金を入れるのです。ディーゼルエンジンのバスのいいところは、廃食用油から作る 「バイオディーゼル燃料」でも動くところです。北海道にいたころ、現物を見せてもらったことがありますが、菜の花畑を耕す、菜種油で動くトラクターがすごく印象的でした。CO2のやり取りがその畑の中で完結しているので、排出CO2は、計算上はゼロになります。

 民主党は、ガソリンの暫定税率を引き下げます。消費税を始め、まかり間違っても「増税したい」とは言い出しません。しかし、自動車税に環境やらなんやら色々と理由をつけて減税した前政権のやり方を踏襲するのではなく、あえて「自動車税、ガソリン税大増税」(その代わり福祉用の車両とか、公益性の高い車両には例外規定を設ける)をして、高速道路の無料化の財源に充てて、余った分「脱・モータライぜーション」政策に充てるような工夫をしてもらいたいと思います。 国が管理するのは「高速道路」(こちらを「国道1号線」と呼ぶようにする)のみにして、バイパスやら他の旧「国道」の規格と運営は、各自治体に任せてしまう。巨大な中央分離帯を作ろうが、カーシェアリングステーションを作ろうが、バスを走らせようが、それはそこの地域の住民の意思で決める・・・・そうなってこそ真の意味での「地方分権」なのではないでしょうか。 「街づくり」は、まず「道路づくり」(の見直し)からだと思います。

 昨年の夏、原油高に根を上げて自転車通勤を始めて1年。なんとか続いています。保育園の迎えや休日の移動程度にしか車を使わないので、ガソリンは¥1000入れて2〜3週間はもちます。あたりまえの事ですが、「エコカーに乗るより、車に乗らない方がよっぽどエコ」なわけでありまして、国を挙げて「人にやさしく、車に冷たい社会」を目指してもいいのかなと個人的には思います。

 たまには政治を考えてみました。ご意見いただけるとありがたいです。

posted by いとちり at 00:07| Comment(4) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月31日

高速が無料になるのならば、バイパスを廃止したら・・・?

 久々の地元ネタです。 

 「高速道路の無料化について、あなたの考えを述べよ」

 というお題が今年の小論文試験などに出てくるかもしれませんね。

 私個人の考えとしては「大いにやっていただきたい。その代わり、高速道路と並行して走る“バイパス”とやらは、どんどん廃止していただきたい」というのが本音です。

 例えば、こんな景色、どうでしょうか。

 安藤広重の浮世絵に出てくる「薩多峠(さったとうげ)」です。

 海のそばまで山が迫っているので、かつての街道はこのように峠道を通っていましたが、現代は海沿いぎりぎりのところに電車は通るわ、バイパスは通るわ、高速は通るわ、とにかくぐちゃぐちゃしてます。高速道路は有料(本来は建設費をペイ出来たら無料にするはずだったのだが、それをひっくり返してしまったのが自民党のお歴々。小泉さんは「道路公団民営化」という、未来永劫に至るまで料金を取り続けるぞ宣言をしてしまいました(収入のない会社は会社ではない)。

 で、政権交代です。高速を無料化することを公約した政党が勝利しました。2014年といわれていますが、無料の第二東名(新幹線と同じく、山間をトンネルで通過)が出来たら、第一東名と富士由比バイパスの海岸区間を廃止にし、この付近の海岸を自然に戻す工事をしたら・・・・素晴らしい景色になると思うんですが、暴論でしょうか。とりあえず高速道路の高架を取っ払って、バイパスのアスファルトをはがしてから人工海浜にして、松並木でも作ればだいぶ「いい感じ」になると思います。由比の漁港から蒲原まで続く砂浜とサイクリングロード・・・どうでしょう?

  由比から興津にかけて、かつては湘南や葉山と引けを取らないくらいに「セレブな」海岸だったそうです。 古くは徳川家康公、近いところではわが母校の創始者、西園寺公望卿が別荘を構えました。

 家康公が、このあたりでとれた甘鯛のてんぷらがなによりの好物だったとか、政府の閣僚達が西園寺卿のご意見をうかがう(「興津詣で」と呼ばれていたらしい)ために、東京から専用列車が出されたとか、なんともゴージャスな話が聞こえますが、そのセレブ(だったろう)場所の一番おいしい土地には、

「静清バイパス」という、渋滞ばっかりする味もそっけもない高架道路と埋め立てられた清水港が横たわっています。

 この由比バイパス、走るには大変気持のよい道です。You Tubeにドライブ動画がありました。

 確かに、シーサイドドライブは気持ちいいです。しかし、ここがかつて白砂青松の地だったことを知る人にとっては、殺風景な護岸ブロックが並んだ海岸を車で一瞬で通過して喜んでいる人達に「君たち、それで満足かい?」と言いたいところもあるでしょう。

 幹線国道、それも国道1号線の一部区間を廃止せよ、天下の大動脈、東名高速道路の一部区間を廃止せよというのはいかにも暴論かもしれません。しかし、遅かれ早かれ、この区間は、東海地震がやってきたら津波で間違いなく壊滅します。台風の高潮でさえ結構危ない目に遭っているのですから、津波が来たら、そこに車が走っていたらということを考えると、背筋が寒くなる区間でもあります。がけ崩れで道が埋まる可能性も十分にあります。

 繰り返しになりますが、清水〜富士間の東名高速および国道1号線の富士由比バイパスの海岸区間を廃止する。通過車は第二東名に流し、跡地を再整備する・・・・観光地としての価値も上がりますし、防災上のリスクも軽減出来ます。いかがなもんでしょうか。

【リンク】

高速無料化といえばこの本。図書館で借りて読んで「なるほど」とひざを打った本がこちらです。

山崎 養世 「日本列島快走論―高速道路を無料にして日本再生へ 」 2003年 NHK出版

 ご本人のサイト上では、この本の内容のダイジェストを、読者からの質問に著者が答えるという形でQ&Aが掲載されています。。

 http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/index.html

posted by いとちり at 23:23| Comment(3) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月09日

静岡には・・・ミルク、そう、ミルクがあります!!

 夜中の与太話を一つ。

 静岡県内では「面白い大学」ということで注目を集めていた静岡文化芸術大学の学長さんだった先生が今日、静岡県知事になられました。政局の駆け引きはともあれ、「一に教育、二に教育」と掛け声をかけていた先生が知事になり、なんかやってくれそうな気がします。 「知事」というより、「先生」と呼びたくなるのは私だけでしょうか(ニュースを見ていたら、初登庁の知事に「よっ平太!」と声をかけている人がいましたが)。

 選挙期間中、テレビのインタビューで「静岡空港をどうしますか?」という質問に、「私がトップセールスします。静岡には、お茶もみかんも、そ、それから・・・・えっと・・・・そう、ミルク、ミルクもあります! と、すごくミルクを強調したところを見て、「お、いいねぇ」と思いました。

先生、朝霧も、丹那も、ミルクは、本当にいいっすよ。

 富士宮に「ミルク学会」なるものがありまして、かの有名な「富士宮焼きそば学会」の親戚みたいなものでありまして、例の「駄洒落攻撃」をかましています。

富士宮市地域力再生総合研究機構

http://umya-fujinomiya.com/cat5/

第1弾:「マリリンメンロー」(冷麺もあるよ!)

第2弾:「ミルクラーメン」

第3弾: 「ミルクうま煮ラーメン」

第4弾:「ポール乳麺」

だそうです。

うーん、焼きそばで当てたと思ったら、その麺をそのままラーメンにしてしまおうというその発想が、隣街にしてあっぱれであります。

とはいえ、富士宮(朝霧高原)と牛乳には、悲しい戦争の歴史が詰まっていることも忘れてはいけません。

満洲から引き揚げてきた人達が入植して「北のゼロ年」よろしく開拓した上での繁栄なのです。

北海道よりも新しい、本州にいながらにして北海道のような景色に出会える場所、もしかしたら北海道よりも開拓気質が味わえる場所、それが朝霧高原です。

先生、お茶もミルクも、よそから来た開拓者の汗と涙の結晶ですよね。

昔、北海道にいた時に、空港やら地下鉄やらあちこちに「試される大地、北海道というキャッチコピーがあり、妙に奮起した覚えがあります。

先生、いや、川勝平太知事も、京都出身。頑張ってほしいと思います。

知事の「教育改革」、地理教育から援護しますよ。 

だから、地理を県内の高校でもっと学べるようにしてもらえると大変ありがたいですハイ。

お隣の神奈川県は、「日本史全員必修」を打ち出して、地理関係者は号泣してますので。

さて、さぼってないで採点採点。

【ちょこっとリンク】

「試される大地」によせて(YANAPY’s Homepageより)

http://www.yo.rim.or.jp/~yanapy/hokkaido/imageup.html

道民は「試される大地」というキャッチフレーズをあまり快く思っていない。が・・・・・・。

非常に示唆に富んだ論考です。主語を「北海道」から「静岡県」に換えると、「うんうん」と思うところ大ありです。

 

posted by いとちり at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月05日

第2日曜は新幹線公園へ行こう!

    来週になりますが、毎週第2日曜日は、吉原の新通町公園(通称:新幹線公園)が熱いです。

 保育園の「お父さんs」でちょっと話題になったので、以前行った時の様子をアップします。

 てっちゃんなお父さん、必見です。繰り返します。第2日曜日は新幹線公園へ行きましょう!

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 ボランティアの皆さんによる「ミニSL」運転があります。乗車は無料!ちゃんと石炭をくべて動く本格派。煙も、においもあります。

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  日本で初めて新幹線車両が展示されたのがこの公園。0系車両が東向きに展示されていますが、この車両、現役時代は東を向いたことがなかったとか。

第2日曜日にはSLと並んで「ミニ新幹線」も走ります。 002.jpg

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車両の内部。半分の座席を取り払って、鉄道模型コーナーがあります。

走っている鉄道目線で撮った映像をテレビで流してくれるなど、至れり尽くせり。

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 網棚にはてっちゃんの三大聖書(「鉄道ファン」「鉄道ピクトリアル」「鉄道ダイヤ情報」)が陳列されています。見入って子供を見失わないように・・・・。

 デッキにある「国鉄からのお知らせ」も見逃せません。

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子供に大人気の運転台。

大きな変電設備、「乗務員用灰皿」など、産業遺産としての価値も持っています。

 

 

 

 

裁判所・ラホール富士の北隣です。駐車場が狭いので、土日は、図書館向けに開放される市役所の大駐車場に停めて歩いてみるのが確実です。
大きな地図で見る

7月1日から、富士市WEBサイトで「富士タウンマップ」が公開されました。

こちらの方がよりきれいで詳細な地図が見えます。(→こちら)

 

posted by いとちり at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする