既にいくつかの事例を当ブログでも公開してきた、デジタル地図と新聞記事を組み合わせた教材「記事ぶらり」が、地理情報システム学会主催の「平成27年度初等中等教育におけるGISを活用した授業に係る優良表彰」で毎日新聞社賞を受賞しました。表彰式とプレゼンが、10月10日(土曜日)12時40分〜14時20分慶應義塾大学(三田キャンパス)で行われます。
●実行委員会のアナウンスはこちら。
もともと、観光地の絵地図をデジタル化して、現地の写真や動画を埋め込む用途で使われていた「ちずぶらり」シリーズ。地理の教員としては、ハザードマップや新旧の地形図、そして新聞記事など、普段授業で使っているコンテンツも載せたいところなのですが、著作権や二次利用の許諾など非常に手間暇かかる上に許可されないことも多いのが悩みでした。
しかし開発元の実験として、閲覧者を限定した形で地図や資料を共有できる「ちずぶらり部」というシステムを作っていただき、不特定多数には公開しない(学校内での利用にとどめる)ということで教材化を進めることができるようになり、より自由度の高い「デジタル地図帳」教材が出来上がったという次第です。
「オープンデータ」と「スマホアプリ」(インターネット常時接続するオンラインが前提)が全盛の昨今ですが、データをオープンにしてくれないところを責めるのではなく、著作権法第35条(教育上の例外規定)の範囲内で(もちろん利用者に許諾は取りますが)「クローズド」なデータを整備して、タブレットで「オフライン」で動かそうという、相変わらず天邪鬼な発想で作られたこの教材は、なかなか用途が広いように思っています。
今のところ、既存のアプリ(「ふじぶらり」や「震災記憶地図」)のオプション的な機能として動かしていますが、理想は、「記事ぶらり」専用(あくまで学校関係者の利用に留まりますが)のアプリを作ってもらって、登録校同士のデータ共有や合同ワークショップなどができたらいいなあと思っています。せっかく、GIS学会の大会でプレゼンさせていただくので、地理教育とは違った方面の業界関係者の方に周知できればと思っています。ついでがありましたら、是非ご観覧頂ければ幸いです。
ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
以下、過去の記事から「記事ぶらり」関係のものにリンクします。
〇沖縄修学旅行向け 地図×新聞記事アプリ実験
(いとちり:2015年2月2日付 http://itochiriback.seesaa.net/article/413401151.html)
〇新聞記事入りハザードマップ作りワークショップ@宮城県立多賀城高等学校
(いとちり:2015年6月3日付 http://itochiriback.seesaa.net/article/420042070.html)
〇記事入りハザードマップ 野外実証実験(宮城県多賀城市内)
(いとちり:2015年8月2日付 http://itochiriback.seesaa.net/article/423462078.html)
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