2021年12月18日

復刻「評伝:守谷荒美雄と帝国書院」

 今日の朝日新聞の土曜日版の特集、「はじまりを歩く」で、「地図帳」のはじまりに尽力した帝国書院の創業者、守谷荒美雄(すさびお)が特集されました(デジタル版の記事はこちら
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 今から10年前の2011年に、月刊「地理」誌で評伝を書いた縁で、取材協力をさせてもらいました。当時のブログ記事(いとちり:2010年4月4日)でも取り上げていますが、肝心の連載記事が、デッドリンクになってしまっていますので、改めて4回の連載記事をアップします。
 うわー、もう10年経ったのかという気持ちで久々に読み返しました。

 守谷荒美雄と私は生まれ年の西暦が一つ違う101歳違いです。年末年始にお墓参りをする度に(昨年はコロナで行けてませんが)「この歳の荒美雄は何をしていたか?」を思い浮かべます。今の自分の歳の荒美雄は、教師を辞して8年目。帝国書院を興してから3年目です。執筆をしながら経営にいそしみ、ようやく軌道に乗るか否かの段階ではないかと思われます。

 1940年刊行の「守谷荒美雄傳」には、起業後のエピソードもたくさん載っています。新興の出版社が作った教科書がいかにして浸透していくか(させていくか)、経営者としての荒美雄のビジネス手腕にも注目したいところです。

 また機会があれば、フィールドワークを絡めながら続きを書いて行ければと思います。

56041.jpg<第1回>旅の始まり
写真4.jpg<第2回>高梁川(たかはしがわ)のほとりで
shinbasi.jpg<第3回>上京
kanda1.jpg
<第4回>(最終回)青年教師の決断

posted by いとちり at 16:25| Comment(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月30日

予想された洪水・想定外の水害(地理月報2021/11月号)

 二宮書店の高校向け冊子「地理月報の連載記事です。

 コロナ禍の前に倉敷で取材をしたものです。

 浸水域のまっただ中にあり、実際に浸水した土地で家を再建されているところがたくさん見られましたが、それは決して非難されるものではないと私は考えます。再び洪水に遭うかもしれないリスクと、住み慣れた土地で生活基盤を再建したいという希望、土地の利便性、強靱化される治水対策とを天秤に掛けたうえでの決断であり、そうした方々が作るコミュニティが、災害経験をどのようにして後生に伝えていくかを考えていかなければいけません。そのために高校の地理教育で学ぶ知識や技能(特にGISを用いた作図)をどう役立てていくのか、地元の教育関係者だけでなく、あらゆる方面からの支援が必要です。

 「近くの”もしも”よりも遠くの”リアル”から学ぼう」は、この連載の基本コンセプトですが、学術的研究や報道資料も豊富で、非常に教材化しやすい場所ではないかと思います。
 取材に協力いただいた皆様、ありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
posted by いとちり at 23:02| Comment(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月31日

「選挙の地理」の教材化

 今日は、衆議院選挙の投票日です。
 うちの地元では、先週参議院議員の補欠選挙があったので、2週連続投票です。
 与党候補が敗北し、全国的に話題になった選挙でしたが、「得票率に地域性が色濃くあふれた選挙だったんじゃないか?地図化してみてくれないか?」と友人から依頼を受け、選挙結果を市町村別の地図にしてみました。
 前御殿場市長で、県東部に知名度の高かった自民党の若林氏と、浜松市長の秘書などを務め、前県議の山崎氏、共産党の県役員の鈴木氏の選挙戦であり、党派に加えて東西の「地盤」が色濃く出ているのではないかとの友人の仮説。相手の地盤にどこまで食い込んで行けたのかが結果に表れたとも言えます。地図にしてみると、確かに「東の若林・西の山崎」の構図が出ています。

 衆議院選挙の小選挙区は、1票でも多いほうが総どり(議席を確保)する、アメリカ大統領選と同じ形になります。ちょっと乱暴ですが、市町村を小選挙区に見立てると、東西の違いがはっきりします。

 18歳選挙権が定着し、高校でも「主権者教育」を担当することがしばしばありましたが、イベント的に講演や「模擬投票」を行うだけでなく、地理や「公共」の授業などで、選挙結果の地図化と分析をすることで、地域性を考える機会になるのではないかと思います。

 MANDARAデータも載せましたので、参考にしてください。
得票数.jpg得票数(市町村別)
得票率自民.jpg得票率(自民党・若林候補)
得票率山崎.jpg得票率(無所属・山崎候補)
得票率共産.jpg得票率(共産・鈴木候補)
モギ.jpg模擬小選挙区による議席獲得


【MANDARAデータ】
posted by いとちり at 08:08| Comment(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月02日

日本の工業ドリル(金曜GIS)

 自身のコロナワクチンの副反応による休講があり、1週間遅れになりましたが、「金曜GIS」の2学期第3回の教材です。
 経済産業省の「工業統計表」(2019年版)から、都道府県別・産業別のデータを地図にした上で、産業を当て、数字を書きとりながら業界ごとの違いや地域性について理解してもらおうというワークです。

 教科書的な説明を借りれば、工業の発達は軽工業→重化学工業→情報・バイオなどの高付加価値産業へと発展して行きますが、軽工業の代表格である食品加工業と、鉄鋼や化学、自動車などの重化学工業、電子回路・半導体とでは事業所の規模や平均給与などが大きく違うことがわかります。また同じ産業でも、完成品の組み立て工場が集まっていると思われる地域(都道府県)と、本社や研究所が集中している地域とでは、従業員一人当たりの付加価値額に大きな違いがあることがわかります。

 企業を誘致する各自治体も、様々な条件を提示して競争をするわけですが、利益を少しでも上げたい企業側は、売り上げの上昇が見込めなければ、経費をより安く抑えるために立地移動を繰り返します。時にはそれが国境を越える形での移動を伴うわけで、工場が去った後の土地はショッピングモールになったり、空き地としてさらされたりします。今、そのショッピングモールすらも立ち去るところが出始めています。業態ごとの立地の地域性を当てるシンプルな課題ですが、その違いはどこから来るのか、現在の立地はいつまで続くのか等、折に触れて投げかけてみたいところです。

 ワークシートと、GISデータ(MANDARAファイル)を添付します。
 サンプル画像は、各業態の事業所数(A〜F)と、従業員1人あたりの給与の連続表示、各業態のレイヤに収録されている指標(MANDARAのメイン画面)です。
jigyosho.gifkyuyo.gif

list.jpg
A・・・食品加工業 B・・・製紙・パルプ C・・・輸送機械 D・・・鉄鋼 E・・・電子回路・半導体
F・・・化学工業 (編集→属性データ編集を開くと各レイヤに業態が書かれています)。
【データ】
Japan-industry.mdrmz(MANDARAファイル)
worksheet-1.docx(ワークシート Word形式)
worksheet-2.pdf(ワークシート PDF形式)
posted by いとちり at 21:57| Comment(2) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月11日

農産物データドリル

 週に1度のGIS実習、「金曜GIS」の2学期第1回目です。

 受験勉強に役立つGISトレーニングということで、前回の地形図に続いて、農産物の生産高のランキングを地図化することでイメージをふくらませることを意図しました。
 統計ではなく、統計地図から作物を考えるというパターンでしたが、統計資料を改めてじっくり読む機会になっていたらと思っています。

 授業で利用したMANDARAのデータと、手描きで書いてもらったワークシートを公開します。
 MANDARAファイルは、農作物を伏せた状態のファイルと、解答付きのファイルがあります。
 解答ファイルは、「連続表示」機能を使って一気に提示するとスムーズかと思います。
worksheet.jpgrice.png
【資料】
 生徒用ワークシート(PDFファイル)
MANDARAファイル
農産物の地図.mdrmz(生徒用:答えなし)

使用したソフト「MANDARA10」(フリーソフトです。こちらからダウンロードできます)

【リンク】
 データは、帝国書院の「世界の統計」サイトから頂きました。
 余裕があれば、五十音順で国が並んでいるものを、MANDARAに取り込む練習をすることをしてもよいかと思います。



posted by いとちり at 21:18| Comment(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする