宮城教育大学で行われた日本地理教育学会で発表して参りました。
対面での学会発表は、3年ぶりぐらいではないかと思います。
オンラインでは出来ない、いい勉強ができました。
今回は、勤務校で4月から始まった「地理総合」の授業コンセプトと、それに基づく実践の報告です。
1学期やった分だけですので、「第1報」ですが、年度当初から、この学会で報告する事を念頭に、『ほぼ毎時間Web GISを使った実習を行う』ことを自らに課してまいりました。
スライドにもあるように、「予算がない」「設備がない」「スキル・ノウハウがない」と、ないないづくしだった高校地理のICT教育の現場で、すごい勢いで一人一台端末が普及するようになった中、予算はともあれ、教える側がスキルがないから、GIS活用のノウハウがないからと言い訳することが出来なくなりました。かといって、「さあ、話し合いをしよう」「さあ、調べ学習をしてプレゼンをつくろう」なんてことを週2時間しかない授業の中でやっていては、絶対に教科書をやりきることはできません。また、多機能で難しいGISソフトの使い方を一から十まで解説する余裕もないわけで、結果として教科書の記述通りに
「GISというものを、年度の最初に紹介して、あとは普通に講義・・・」あるいは、教科書の内容をそっちのけに「ひたすらアクティブラーニング・・・・」のような形で、必修科目であるはずの「地理総合」が両極端なものになってしまわないかという危惧を持っています。
次年度から誰かに引き継ぐことを意識した上で、今年はワンオペで地理総合の授業を組み立てていますが、講義と実習を半分ずつ組み合わせるような形でワークシートやデータを作っています。「25分間GIS実習」は、既存のGIS実習の概念からすると簡単すぎてGISと呼んでいいのかどうか?というレベルのものばかりですが、継続は力なり、成果は着実に個々人の端末と提出フォルダに蓄積されつつあります。
2学期から単元を改め、新たなアプリを加えた上で「第2報」「第3報」ができるように進めてまいります。
ラーメンの名店が監修するカップ麺の例えをお話ししましたが、本店は、新鮮な素材と職人芸で教材を作り続けます。それを手軽にお湯だけで再現できるようにしてなんぼだと思っていますので、またこのブログ上でぼちぼち載せたものをご笑覧にただければ幸いです。
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