2024年05月16日

「地理のキッチン」はじめます

 「地理総合」の授業の中で行っているGIS(地理情報システム)の実習を一般向けにアレンジした「地図の調理実習」のイベントを始めます。題して「地理のキッチン」です。

 地元の富士本町商店街に今春オープンした私設図書館である「ワンダー図書館」の閉館後の時間をお借りして、10人程度のワークショップを行います。「地理=料理」になぞらえて、土地の素材を生かした切り口と味付け、盛り合わせを提案します。

 第1回目のテーマはハザードマップです。
 できあいの(市役所から配られたり、PDFでダウンロードできる)ハザードマップがゴテゴテしていて見づらいな、味付けも濃いな〜と思う方、ハザードマップは手軽に自分で作れます。必要な具材(データ)を載せて炊くだけ。平たくよそってもよし、立体化して「盛って」もよしです。

 調理実習の楽しみは、なんといっても「皆で作って、食べてやいのやいの言うこと」です。
 いまどきの高校生が日々使うアプリを使って、地理を、地図を楽しみませんか?
 地元で何回かやらせてもらってノウハウを蓄積したら、「ツアー」に出たいと思っています。
 土地土地の美味いネタを地図の上でさばいて行けたらと思っています。

申し込みフォームからエントリーをお願いします。
スライド1.JPG

スライド2.JPG
(PDF版)ポスター00.pdf



posted by いとちり at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月06日

【出版記念トリセツ】いとちりの防災教育にGIS(地理月報2024年5月号)

 二宮書店さんの教員向け機関誌「地理月報」の5月号に掲載してもらいました。
 同誌で連載してきた「防災教育にGIS」が単行本化されたのに合わせて内容を紹介し、連載の締めとさせていただきました。

 連載の開始が2014年ですので、足かけ10年・・・ついこの間のような気もしますが、仕事の合間を縫って原稿を書き、フィールドに出るの日々を繰り返してきました。もともと自然地理は得意ではない方(学生の頃は外国文献購読やらでかなり苦労しました)ですが、学術的な解説はさておいて「どう地図化して見せるか?」に頭をめぐらす日々でした。

 「防災教育にGIS」は、これで終了しますが、テーマをより拡げる形で「地域調査にGIS」なる企画を進めています。災害だけでなく、地域が抱える課題やPRポイントをすくい取って地図に表して発信していく・・・ミニ巡検の旅に向けて、まずは目の前の課題をせっせと片付けていきたいと思います。
gappo5820083.png
単行本「いとちりの防災教育にGIS」(二宮書店)もよろしくおねがいします。
9784817605245.png




posted by いとちり at 17:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月14日

かんたんGIS 地理院地図で緯度経度

地理総合向けに、超簡単なワークを作ってみました。
任意の地点の緯度経度を出して、移動させてみましょう。
work.jpg

posted by いとちり at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月24日

【新刊】いとちりの防災教育にGIS 3/22発売

 二宮書店の高校向けリーフレット「地理月報」で連載してきた「防災教育にGIS」シリーズが本になりました。
 過去の連載記事は、このブログの「防災」のカテゴリからリンクがありますので、ある程度見てもらえますが、ハザードマップ作成に関するノウハウと、新学習指導要領(特に「地理総合」)における位置づけと、今後の展望を加筆しました。

 改めて書籍として眺めてみると、「ハザードマップを自分で描いてみる」ことの大切さと、現場に足を運んでみることで得られた気づきが一望できました。

 詳しい目次等は、二宮書店の紹介ページをご覧ください
9784817605245.png
posted by いとちり at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月11日

日本の地理教育におけるGIS利用の現状と課題(日本地理教育学会2月例会)

 東京・目白の日本女子大学に行ってきました。

 日本地理教育学会の2月例会「国際ワークショップ ジオ・テクノロジーを活用した空間的思考」で報告しました。
 スペシャルゲストに、アメリカ:ESRI社の教育マネージャーであるJoseph Karski博士をお迎えして、前々日の打ち合わせと当日と、じっくりと議論させてもらいました。Karski氏は、2015年10月以来の来日で、その際にもお会いしています。

 9年ぶりの師匠との再会であり、師匠を含めてご来場の皆様に日本の地理教育におけるGIS活用(あるいは回避)の歴史を振り返った上で、なぜにこうまで普及してこなかったのか、一人一台の端末が普及した今も、なぜに日常的に使われないのかを考え、改善策として「毎回の授業の中で、何らかの形でGISに触れてみよう」と試みた1年間の報告です。

 結論から言いますと、「教科書準拠で授業をすることとGISを日常的に使うことを両立させるのはかなり難しい」ということがわかりました。特に、地誌分野は苦しかったです。打ち合わせでも、当日の発表後も言われたのですが、「なぜ地誌を端折って扱わなかったのか?」といわれました。地誌の扱い自体、学習指導要領に書いていないのだから(でも教科書には全地域書かれている)、ジグソー法なり調べてまとめさせるなりした方が、よほどGISの活用らしいことができたのではないか?という指摘です。
 そうしようかという誘惑に何度も駆られました。「地理総合」の教科書自体、旧課程の「地理A」の内容をかなり引き写していますし、すべての地域を取り上げていちいち解説を加える必要も、学習指導要領上まったく必要ありません。流行の「ジグソー法」なりで、いくつかの地域の地理的特徴をまとめさせて報告してもらえば「地誌の学習、終わり」になったかもしれません。ただ、それが高校の「必修科目」として担保する知識、思考力、表現力をつけるノウハウとして、汎用性、普遍性はあるのか?といえばどうも怪しい。かといって「系統地理や地誌を2単位で詰めこまなければならないのだから、GISなんかやっている暇はない。年度の初めに紹介すれば十分」という「現場の論理」を崩さなければ、GISの活用はもとより、必修地理の未来も暗い・・・色々と考えた中で、とにか今年は「守破離」「守」に徹しよう、愚直なまでに「教科書準拠」で行こう、GISを使って「ベタベタの地誌」をやってみよう。GISを使えば、地誌の勉強も面白く、効率よくできるだろうと思ったわけです。

shuhari.jpg

 結果・・・覚えるべき地名や用語の提示や作業で時間ばかりとられるものの、定着度はイマイチ怪しい。地誌の分野の学習に時間が取られてしまい、「自然環境と防災」「地域調査」に割ける時間がどんどんなくなっていきそうだ・・・散々でした。chishi.png
では来年度以後はどうしたらよいのでしょうか。「宿題や小テストに回せるものは回す」という、当たり前といえば当たり前過ぎる結論に至りました。地名のドリルを作り、年間を通じて授業の冒頭などに組み込んで行ったらどうかと思いました。「地域調査」も、夏休み前などに一気に方法を教えて後は宿題にするのではなく、年間を通じて取り組みたいテーマを設定し、月に何回か調査や進捗状況の報告を行う時間を設けていけば、「地域調査にかける時間を取れなかった」ということはなくなると思います・・・このあたりは、日々アクティブラーニング的な授業を展開しつつも、単語ドリルや小テストを行い、面白いアプリがちまたにあふれている「英語」のノウハウが役に立ちそうです。
jugyo.jpg

 Karski博士曰く、アメリカではGISは地理教育だけのものではありません(高等学校で地理の学習自体が後退しているようでもありますが)。博士の最新刊は「数学教育とGIS」です。「実習のためのGIS」「学習のためのGIS」の両方を作り込んでいく必要性を感じました。

本ワークショップのテーマは、ジオ・テクノロジーを活用した空間的思考」ですが、新学習指導要領でも散々言われている「思考・判断力」はどうやったら身につくか、知識の定着および「的確な表現力」と合わせてで考えて行きたい課題だと言えます。

jisshu.jpggakushu.jpg

長くなりましたが、当日のスライドをアップします。
20240211-1.jpg 

師匠と弟子 2015年と2024年です。
次は、師匠のホームタウン、デンバーでお会いしたいものです。
karski2015.jpgKarski2024.jpg
posted by いとちり at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする