2023年10月07日

高等学校地理における ICT 活用の実情(静岡大学地歴教員養成講座)

 静岡大学の「地歴教員養成講座」にお招きいただきました。

 この講座に出るのは2回目、2018年9月以来です。
(当時の資料がこちら
 奇しくも今回も「毎日できる」がキーコンセプトになっています。毎日(毎時間)GISを授業で使いこなすことはできるか?今のところ「できる」状態をキープしています。

 現役大学生の模擬授業の後、地理におけるアクティブラーニングの権威、沼津東高校の鈴木先生、静岡大学の山本先生、参加された方々を交えて討論会のような形で勉強させてもらいました。

 「アクティブラーニング」という言葉がよく聞かれますが、何を持ってしてアクティブなのか、GISを媒介としてどうやって学習効率を高めていくか、模索は続きますが、「シン・いとちり式」の教材レシピ集をまとめて世に問いたいと改めて思いました。
 ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

【レジュメ】

【スライド】
slide01.jpg
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2023年09月10日

「ランキングマップ世界地理」を使った授業教材例(1)地理総合「宗教の分布と生活文化」

 ちくまプリマー新書『ランキングマップ世界地理』、手に取っていただけたでしょうか?
 思いのほか、電子版がよく売れているようで、同業の皆様の教材需要があるのかな?と見ております。

 「地理総合」で、宗教関係に割ける時間は1時間。各地域別の細かいところは地誌分野、あるいは地理探究で扱うとして、地図から国を当ててもらうワークを作ってみました。ロイロノートでは、ワークシートに添えたカードを置く形で、当てはまる国を考えます。講義に25分、ワークに15分ぐらいで考えています。Webで動く「MANDARA-JS」を動かしながら色々と考えさせたいところですが、画像だけ用意して、とにかく国の位置や聖地を知ってもらおうと思っています。
 ワークシート(プリント)と画像をアップしますので、加工してご自由にお使いください。

【ワークシートはこちら】

【分布図の画像はこちら】
キリスト教の分布.jpgイスラム教の分布.jpg仏教の分布.jpg

こんなかんじでロイロノート上で展開します
ロイロの画面.jpg
表の上に国を置いて、提出したら作業完了です。
ロイロ2.jpg

分布の特色や見どころについては、『ランキングマップ世界地理』をご覧下さい。

posted by いとちり at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月20日

「一人一台端末」環境に対応したGIS教材の開発と実践(第1報)地理教育学会

 宮城教育大学で行われた日本地理教育学会で発表して参りました。
 対面での学会発表は、3年ぶりぐらいではないかと思います。
 オンラインでは出来ない、いい勉強ができました。

 今回は、勤務校で4月から始まった「地理総合」の授業コンセプトと、それに基づく実践の報告です。
 1学期やった分だけですので、「第1報」ですが、年度当初から、この学会で報告する事を念頭に、『ほぼ毎時間Web GISを使った実習を行う』ことを自らに課してまいりました。

 スライドにもあるように、「予算がない」「設備がない」「スキル・ノウハウがない」と、ないないづくしだった高校地理のICT教育の現場で、すごい勢いで一人一台端末が普及するようになった中、予算はともあれ、教える側がスキルがないから、GIS活用のノウハウがないからと言い訳することが出来なくなりました。かといって、「さあ、話し合いをしよう」「さあ、調べ学習をしてプレゼンをつくろう」なんてことを週2時間しかない授業の中でやっていては、絶対に教科書をやりきることはできません。また、多機能で難しいGISソフトの使い方を一から十まで解説する余裕もないわけで、結果として教科書の記述通りに
「GISというものを、年度の最初に紹介して、あとは普通に講義・・・」あるいは、教科書の内容をそっちのけに「ひたすらアクティブラーニング・・・・」のような形で、必修科目であるはずの「地理総合」が両極端なものになってしまわないかという危惧を持っています。

 次年度から誰かに引き継ぐことを意識した上で、今年はワンオペで地理総合の授業を組み立てていますが、講義と実習を半分ずつ組み合わせるような形でワークシートやデータを作っています。「25分間GIS実習」は、既存のGIS実習の概念からすると簡単すぎてGISと呼んでいいのかどうか?というレベルのものばかりですが、継続は力なり、成果は着実に個々人の端末と提出フォルダに蓄積されつつあります。

 2学期から単元を改め、新たなアプリを加えた上で「第2報」「第3報」ができるように進めてまいります。
 ラーメンの名店が監修するカップ麺の例えをお話ししましたが、本店は、新鮮な素材と職人芸で教材を作り続けます。それを手軽にお湯だけで再現できるようにしてなんぼだと思っていますので、またこのブログ上でぼちぼち載せたものをご笑覧にただければ幸いです。

【講演スライドはこちら】
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2023年08月11日

地理総合とGIS(やまぐちGIS広場:第8回GISフォーラム)

山口県におじゃまして参りました。

久々の対面でのプレゼンとシンポジウムでした。

「防災教育とGIS」をメインテーマに、午前中は小中学校、午後は高等学校の実践とのことでした。
約30年ぶりに高校で地理が必修化されて1年。GISと防災が「科目の柱」として据えられた地理総合ですが、現場で見ている限り、夢と希望があるわけではない・・・と、水を差すような報告であり、多少感情がこもってしまいましたが、「現場の本音がよくわかった」とのことで、お褒めの言葉を頂きました。会場に約80名、オンラインで約30名の来訪があったそうです。

 「現場が現場が」とよく言いますが、現場が一番えらいわけではないと思っています。殊に、学習指導要領や解説の本文もろくに見ずに、「絵に描いた餅」と批判したり、「こんな内容、出来るわけがないと、カリキュラムの策定段階からねじ曲げてしまうことは、「悪しき現場主義」なのではないかと思っています。2単位ものの地理総合と3単位ものの地理探究をごちゃ混ぜにして扱ったり、「理系用」(受験に使う)と「文系用」(受験に使わない)で内容やテスト、担当者を分けてみたり、ノンプロパーの先生方がGISなどを使って(ある意味教科書にとても忠実な形で)実践しようとすることに難色を示すなど、「オールドプロパー」な対応が、現場を窮屈なものにしてませんか?というサジェスチョン。必修科目を生かすも殺すも現場次第なのではないでしょうか?

 レジュメとスライドをアップします。
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posted by いとちり at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月03日

すぐに使える地理総合の教材(10)プレート境界と大山脈

世界のプレート境界や、山脈を地図帳で確認する際、紙の地図帳で各自確認してもらうだけでなく、デジタル地図帳の画像を情報端末上で確認すると、よりわかりやすくなります。ロイロノートなら、地図帳の画面に直接線を書き込むことができます。
こんな感じです。
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posted by いとちり at 19:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする