2011年07月11日

採点の友

 えらくご無沙汰しております。

 パワポで教材を仕込んだり、テストを作ったり、あちこちに原稿を書いて、大げさでなく「毎日が締め切り」状態で1学期が過ぎようとしています。休みに入ったら、春からあちこちに書かせてもらった記事をアーカイブしたいと思います。
 で、週末は家に閉じこもってひたすら採点していました。

 採点の友に、iPadで「マイヤ・ヒラサワ」をヘビーローテーションでかけながら・・・。

 ははーんと思った方、鉄ちゃんですか?それとも地理屋さんですか?私は、両方です。
 Youtubeで200万アクセスを突破し、国際CMコンテストで賞をもらった伝説のCMです。


 最初は、ただ単純に「すげー」と思って見ていたのですが、関連の動画(九州ローカルによるメイキング番組がめっぽう面白い・・・例えばこちらhttp://youtu.be/Bz3e_ZDD5-M)を見たり、「なんでここに駅を作った(作れた)んだろうか?」等、地図帳を見ながら考えたりしていると(←遊んでないで採点しなさいと言う感じですが)、結構深いものがあります。
 
 もう10年以上前、修論を書くために九州にどっぷり滞在していたのですが、その時はだいぶ高速バスのお世話になっていたのを思い出します。レールは急な坂を登れませんから、どうしても遠回りになってしまいますが(特に東西の連絡)、バスは安いし景色もいいし、本数も多くて便利です。

 熊本、鹿児島などの沿線は、「新幹線効果」がありますが、宮崎や長崎、大分あたりは、あまり時間短縮にならないみたいですね。長崎に行くには、新鳥栖で降りても接続が悪いので、直接「かもめ」に乗るかバスで直行した方が便利なようです。大分は、たまに「小倉から“さくら”に乗るべし」という指示が出ますが。

 もっとも、九州はアジア(特に韓国や中国)からの観光客に大人気(=私の修論はこれでした)なので、向こうから九州を廻るツアーに
「新幹線乗車体験」を入れて売り出してもいいのではないかと思います。別府―阿蘇―熊本―福岡の「ゴールデントライアングルコース」の一部に新幹線を組み込んでみてもいいのではないかと思います。“つばめ”で約1時間の旅です。新幹線って、「のぞみ」「ひかり」クラスは満員でも、「こだま」クラスはどこに行ってもガラガラですから、活性化策によいのではないでしょうか。

 空港もそうですが、作ったからには地元の人が使うのはもちろん、いかに他の地域の人に「使ってもらう」かが問題です。建設費は、「現金一括払い」ではなく、将来にわたる長い長い借金(地方債)で作ったわけですし、駅を作った自治体は、毎年のメンテナンス代も結構かかるはずです。

 ご祝儀気分が一段落して、
「作ったもののどうしましょ」「これからどうなるんでしょ」という段階になった時、じっくり考えてほしいと思いますし、その時は「地理学」の出番だと思います。
 中心市街地から思いっきり離れて作られた「新大牟田駅」「新玉名駅」のような駅とその周辺がどうなっていくのか、「新富士」の住民としては、とっても興味深いところです。こちらは23年経ちましたが、んー・・・・どうなんでしょう。

また授業のネタにできたらよいなと思いました。


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2011年02月16日

ご無沙汰でございます。

 ご無沙汰しております。

 論文にコラム、昼は学校でテスト作りと、締め切りがどさっとやってきて、キーボードを叩く時間は長く、肩こりにあえいでいますが、ブログはご無沙汰です。乗っけたいことはたくさんあるのですが、なかなか手が回りません。明日明後日は出張です。

 今、ひいひい言っている分、今月末〜来月にかけて、どどっと活字媒体として皆様のお目にかかれると思いますので、またご笑覧くださいませ。

 あ、そうそう。ブルートゥースでつながるGPSロガーを買いました。
 またいじりながらいろいろ書きます。
 
 では、再び潜航・・・・・。
posted by いとちり at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | いとちりのコンセプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月04日

高校生よ、宇宙を目指せ

 日本版GPS(準天頂衛星:「みちびき1号」)を使って、高校生向けの教材を作ろうというJAXAのプロジェクトに首を突っ込むことになりました。理系の王道、今旬の「ロケット&宇宙」、目指せ未来のミッションスペシャリストということで、ずいぶんこちらの世界、熱いようです。主だったものにリンクを貼ってみます。

○能代宇宙イベント
http://www.noshiro-space-event.org/event.html
 日本の宇宙業界にとって、「能代」(秋田県)は、「大隅」(鹿児島県)、「種子島」と並ぶ聖地でありまして、そのあたりの事情は幻冬舎新書の「はやぶさ」に詳しく書かれています→いとちりBooks2010/11/23)
 例の小惑星、「イトカワ」は、この地で小型ペンシルロケット実験を繰り返した「日本のロケットの父」、糸川英夫東京大学名誉教授の名にちなんで2003年に命名されました。その聖地で高校生、大学生向けに行われるイベントのポータルサイトです。
 ロケットから放たれた「缶サット」(350ml缶に詰め込まれた電子回路とカメラ)で、地上の目標物をいかに長い時間正確に撮影できるかを競う
「缶サット甲子園、生卵を積んだ手作りロケットを打ち上げて安定性(卵がつぶれないか)と滞空時間、到達高度を競う「ロケット甲子園」があり、どちらも世界大会があるそうです。
○ロケットガール&ボーイ養成講座
http://www.wakayama-u.ac.jp/ifes/rgb2010/
 「ロケットガール」という、アニメにもなった小説があるそうですが、こちらは正真正銘のロケット組立合宿。秋田大学、東京工業大、和歌山大が行っています。
 進捗状況は
ブログ
で逐一報告されています。

 これが第一期生(ロケットガール)の打ち上げシーンです。


○JAXA宇宙教育センター
http://edu.jaxa.jp/
 宇宙に関する様々な教育イベントやコンテスト、教材貸出し、動画、ブログなどがあります。
 ゲーム
「マイ人工衛星を作れ!」が面白いです。
 われわれ地理人にゆかりの深いミッションといえば「だいち」(陸域観測技術衛星)「みちびき」ですね。バナーをもらってきましたので、貼り付けます。
みちびき特設サイト
posted by いとちり at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | いとちりのコンセプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

地に落ちた英国BBC

やれやれです。


BBC側、日本大使館にも謝罪 二重被爆者の不適切放送で

 【ロンドン共同】英BBCテレビのお笑いクイズ番組「QI」が広島と長崎で二重に被爆し、昨年死去した山口彊さん(長崎市出身)を「世界一運が悪い男」などとジョーク交じりに紹介した問題で、「不適切だ」と抗議していたロンドンの日本大使館に21日、番組プロデューサーからの謝罪文が届いた。
 プロデューサーは、一足早く、謝罪メールを送っていたが、大使館には書簡で回答したため遅れたとみられる。

 謝罪文は17日付。「われわれが(日本人視聴者を)不快にさせてしまい、大変残念だ」とした上で、原爆に関して「日本人の潜在的な敏感さを軽視したのは明らか。お気楽な番組で扱うには不適切と日本人が見なすのは想像に難くない」などとしている。



 内容は論外。問題は、
「謝罪」の仕方ではないでしょうか。
 プロデューサーはメール1本、局は「書簡」で。やれやれ、倫理観は欠如しているくせに、つまんないところで官僚意識丸出しですね。文面もまたひどいもんです。お笑い番組をやったり、凝った教育サイトを作ったり、なかなか面白い局だと思ってましたけど、やっぱりBBCも根っこは官僚なんですね。
 普通、頭を下げに出向きませんか?即効で。同じロンドンにいるんだし。謝罪文を起案して、決済を待ってから送りつけて「一件落着」とでも思ってるんでしょうか。まったく、どっち向いて仕事してるんだか。
 日本大使館も、
「責任者出てこい!」って突っ張るべきだと思います。大使館が及び腰なら、新しいNHK会長でもだれでもいいです。ちゃんというべきです「面と向かって謝れない奴は、紳士じゃない。」って。
 明治のサムライ上がりの外交官達、あるいは吉田茂あたりだったら、こういう時どうしたでしょうね・・・・・?。英語ができるとか、駆け引気に長けているとか、そういうのとは別のスキルだと思います。
  事を穏便に済ませるのではなく、BBCのえらいさんが
「くそ、恥かかせやがって」と真っ赤になって怒るぐらい、国際社会の場で徹底的に糾弾するべきです。だって、それだけのことをしてるんですから。
 プレスリリースを書いた大使館の広報官かどなたか知りませんけど、「書面にしたから(決済を待っていたから)遅れたんだろう」なんて「同業者(公務員)の事情」を推し量っている場合ではありませんよ、ほんとに。それをそのまま流す通信社も通信社です。ロンドン在住の日本のエリート達は大丈夫なんでしょうか。もっと頑張ってほしいものです。

posted by いとちり at 01:09| Comment(1) | TrackBack(0) | いとちりのコンセプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月04日

年頭所感―地理教師をめざす皆さんへ

  あけましておめでとうございます。
 年末年始、一切パソコンに触れられない環境に身を置き、ひたすら本ばかり読んでいました。年に1度はこういう生活もよいものです。
 
 さて、今年の抱負といいますか、所感を書きます。

 「地理の教育」の視点から色々書いているこのブログ、5年目に入ります。

 業界の皆さんには言うまでもない事ですが、地理教育は、マイナーの域を抜け出せないと言いますか、今も絶滅の危機から抜け出せていません。これは冗談でも何でもなく「履修する(させてもらえる)人間が減る(減らされる)→専攻する人間も減る→指導者が減る→教えられる人がいないから、開講しない」という負のスパイラルから抜け出せていません。「高校地理」の危機は目を覆わんばかりです。特に、人材の確保は深刻です。「センター試験」で各大学が課す科目の割り振りをちょこっと変えるだけで息の根は止まります。問題集を見て明らかなように、地理はあまりにもあの4択試験に依存しすぎているのをなんとかしなければなりません。

 また、人材育成、人材獲得の問題も深刻です。
 我が静岡県では、全国的にも珍しく、高校の社会科(地歴・公民科)を科目別に採用します。インターネットで合格発表をしますので、どの科目で何人採用しているかが分かります。

 例年、40〜50名ぐらいが受験します、1次試験の結果、4名が合格。
http://www.pref.shizuoka.jp/a_happyou/kyouiku/kyouin_itiji_23.html
 2次試験で絞り込まれて、今年もたった1名が合格しました。
http://www.pref.shizuoka.jp/a_happyou/kyouiku/kyouin_2ji_23.html
 
 私の時も1名。ここ10年ぐらい、基本的に、静岡県の地理教員には「同期」がいません。
 他と比べてみると、

 高校日本史4名 高校世界史 4名 高校政治経済3名 高校数学20名 高校物理5名 高校生物6名 高校音楽1名 高校美術3名 高校家庭科4名 高校農業3名 高校機械2名 高校土木2名 高校商業7名 高校情報1名 高校福祉3名

 実業高校の専門科目ですら複数名採っているにもかかわらず、どんな学校でも学ぶ機会(権利)がある(はず)の高校地理が1名。ちなみに、理科の「地学」は最初から募集がありませんでした。

 主に文系の生徒の履修者が多い高校生物で6名を採用しているにも関わらず、理系に選択者が多い高校地理は1名。必修の現代社会を持つ事も期待される政治経済で3名。選択科目(そのうち必修化?)の日本史で4名の採用があるのに高校地理は1名。発言力というか、政治力というか、このアンバランスに対しては、静岡県の現役地理教員はもっと物申してもいいのではないでしょうか?少なくとも1次試験で4名を通しているのですから、もっと取ってもいいはずです。
 
 私も若いころ、1度2次試験で落っこちていますので(3→1の選抜で)、あの屈辱、無力感は相当なものがありました。しかも、「2次で落ちたんだから、講師等、条件のいい仕事が来るだろう」なんてたかをくくっていたのですが、全くありませんでした。静岡に仕事はなく、日本をぐるっと半周して、戻ってくるのに更に数年を要しました。「年越し派遣」じゃないですが、勤めている講師の職場をすぱっと切られて年度末を迎える人たちのことを思うと、毎年3学期は胸が痛みます。
 
 一度正社員になってしまうと、契約社員時代の苦労はふっと忘れてしまうもの。これは教員の世界も一緒です。特に、厳しい倍率の試験をかいくぐると、妙な「エリート意識」がついてしまうものだと自制しなければなりません。確かに、倍率50〜60倍の試験をくぐりぬけて、県下でたった一人の合格者になるというのはすごいことです。しかし、その後もずっと「採用1人」の状態に何とも思わないのは罪です。
 
 現に、現場では
地理を教えられる(教えたいと思う)教員はどんどん減っていて、なおかつ「地理の講師が出来る」という若者も減っています。昨年も、一昨年も、その前の年も、頼まれて他校の地理の非常勤講師を探しましたが、最近は「地理学科を出ていても、高校時代に地理を習っていない」という学生さんが増え、特に「進学校(の方が地理のコマ数が多く、講師の需要が発生しやすい)はちょっと・・・・。」ということで、「該当なし」のお返事を頂くことが多くなりました。「雇用のミスマッチ」はここでも発生しています。

 
「いきなり常勤講師」というような美味しい話はめったにありませんが、「地理の講師」市場自体は、結構売り手市場です。「地元じゃないと・・・」とか、「非常勤じゃねぇ・・・」という気持ちは非常によくわかりますが、他県でもどこでも、まずは飛び出して行って欲しいと思いますし、静岡県にも飛び込んでできて頂きたい。また、「地理の講師が欲しいけど、あてがない」という先生方、あきらめる前に情報を発信していただければと思います。私も、何か微力が尽くせるかもしれません。

 いきなり採用数を増やすのは難しいかもしれませんし、批判ばかりしていても始まりません。ただ、状況が改善されるまで、有能な若者をいかにつなぎとめておくか、地理教育界にとって火急の問題だと思います。来年は、いよいよ新しい学習指導要領(かなりリニューアルされた地理Aの登場)が控えています。面白い授業を浸透させるには、周到な準備と、人材の確保が欠かせません。
 
 地理教育という「レア」なテーマですが、今年もどんどん情報発信をしていけたらと思っています。
 幸い、昨年を上回る形で、今年は雑誌の連載等のお話を頂いています。
 また紙のメディア等でお目にかかる機会も増えますが、今年も1年、「いとちり」をよろしくお願いします。

 
posted by いとちり at 07:33| Comment(1) | TrackBack(0) | いとちりのコンセプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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