○東大が「滑り止め」になる ハーバード大狙う高校生が増加中(J-cast News 2013.2.9)
「進研ゼミ」でお馴染みのベネッセ・コーポレーションが、ハーバード大学をはじめとしたアメリカの上位大学への進学準備を前提とした塾を開設し、着々と成果を挙げている様子が紹介されています。
⇒(「ルートH」http://rt-h.jp/)
あるいはこちら。今からえーっと、15年前の我が「勤務校」(1年だけ常勤講師をさせてもらいました)。
○立命館宇治高校IB(インターナショナル・バカロレア)コース
私が勤務していた時は、宇治橋の近くの古い古い校舎の時で、職員会議で校地移転と、「英語で授業を行う、なんかとんでもなくすごい科を作るらしい」というくらいにしか聞いていなかったのですが、今や押しも押されぬスーパーコースになっています。
あと、我が地元のここ。「イマージョン・コース」が今年20周年なんだそうです。
○加藤学園暁秀中学・高等学校
ここから本題に入りますが、そう遠くない将来、特にトップ層では外国への進学を普通に考える生徒が普通になる時代が出てくるのではないかと思います。その時、「メイドイン・ジャパン」「ティーチ・オン・ジャパン」な我々普通の先生は一体どう立ち向かっていくべきなのかということを考えたくなるのです。
体罰をめぐる擁護(?)論があるように、日本の教育界(先生だけでなく、熱心な保護者やOBを含めて)では、世界から見て随分と異質なものが残っていると思います。勉強を戦争に例えたり、山のような宿題を課したり、年に1回の選択式テストで進路が事実上決定してしまったり、部活があったりなどなどです。
「進路指導」(特に受験指導)は、東大を頂点とする受験システムの中である程度「勝って」これた教員が、あまり代わり映えのしないシステムを初めて体験する生徒達に向かって、圧倒的な情報量の差を武器に「誘導」することが進められてきました。いわゆる「いい大学」を出て、「何度も卒業生を送り出してきた」経験豊かな先生に対して親は安心して「指導」を任せることができますし、若い担任は、経験不足を自らのフレッシュな「成功体験」、あるいは「ITスキル」で補いながら生徒を鼓舞して行けばよかったのです。最近はAO入試とか推薦入試とかで受験生の意欲や活動実績を評価する入試も増えていますが、それはそれで、だいたい「大学の先生が喜びそうなこと」は熟知していますので、そんなに困ることはありません。
ところが、自分の受け持ちの生徒がいきなり「アメリカのIBリーグに行きたい」とか言い出したらどうでしょうか?ハーバードを出て日本の高校教師をしてますという先生にはお目にかかったことがありませんし、「なんかテレビとかに出ていて、ムチャクチャ頭の良さそうな人が世界中から集まってくる大学」ぐらいのイメージはありますが、じゃあ何をどう指導しましょう?となると、全くもってわかりません。
まあ、本人や保護者は、一部のスーパー学校を除いては、そうなったら専門の業者にお任せするか、自分でノウハウを考えるかなんでしょう。でも、「じゃあ、頑張ってね。終わり」でいいのでしょうか?
もちろん、行ったこともない大学のことを知ったかぶって云々言ったり、日本的な人生設計についてどうこう口を挟んでもしょうがないです(その子は卒業後、日本に帰ってくるとは限らないですし)。かといって、全く「Out of my Business」というのも困ります。そもそも、ハーバードって、そんなにものすごいところなのか・・・・?
ハーバード大学は、地理情報システム(GIS)に熱心に取り組んでいる大学で、学生の頃、客員教授がこられていたりしました。調べてみたら、日本の若い研究者の方が留学されて、現地の様子をブログで書かれていました。
○GIS@ハーバード
http://gisresearchatharvard.blogspot.jp/
その中で目をひいたのが、夏の特別セッション(外部者も申し込めば聴講できる)でしょうか。「地理解析センター」主催の「ジオリファレンス・ワークショップ」なる催しの記事です。
http://gisresearchatharvard.blogspot.jp/2008/03/blog-post_22.html
詳しいことは記事を読んでいただくとして、面白いなと思ったのは、「使える地理データとは如何なるものか?」を、参加者がそれぞれのバックグラウンドから述べてやいのやいの言い合うという企画です。きっとそれぞれ“帯に短し”と思っている点があり、解決策を他分野から得ようというのではないかと思います。
日本では、「GISワークショップ」といえば、「GISソフトの使い方講習会」になりがちで、私も受講生として、あるいは講師として行きますけど、こういう企画はあまり聞いたことがありません。この記事を見たり、
あるいはちょっと前に面白く読んだ「ハーバード白熱日本史教室」(新潮新書)などを見て「ハーバードって、なんか面白いところだな」とは思っています。
血のにじむような努力をしてハーバードに入っても、そこで何か面白いことができなければなんの意味もないでしょうし、また、我々凡人教員も暇とお金があればちょいとボストンに飛んでいって(!)サマーセミナーなりワークショップに出て、つたない英語で思うことを述べてくればいいわけですし、U-stやSkypeでつながったっていいわけです。・・・・というか、そういうところでしか「プロの留学業者」と渡り合う方法はないでしょうし、「グローバルな時代に旧態依然とした教育しかできない日本の先生たち」という、これまた旧態依然としたマスコミや学校批判をメシの種にしている評論家の皆さんに対抗する手段はないかと思います。
と、非現実的な事を言っていても始まりません。手始めに、自分の教材や実践を短い英語で書き留めて、
しかるべきところに出してみてはと思います。私は地理教育ですが、こんな新しい電子ジャーナルを見つけました。
○Review of International Geographical Education Online(http://www.rigeo.org/)
読んで字のごとくの電子ジャーナルです。2011年創刊で年3号。今のところ、どこにも「購読料」とか、「掲載料」といった文字は見当たりません。出すのも、読むのもタダ(だと思います)。
雑誌の狙いとして、「とにかく、地理の先生に実践発表の場と、公式のペーパーを書くトレーニングの機会を提供する」(意訳)ことをうたっています。執筆者はまさにワールドワイド、レフリーのボードメンバー(編集委員)も各大陸ごとに割り振られていて、アジアの担当は、シンガポールの大学の先生と、国際地理オリンピック日本実行委員長の、筑波大学の井田先生が務められています。サイトの右下の「Visiter Map」を見ても、常に世界中からウオッチされているのがわかります。また、非英語圏の方々がガンガン書かれていて(論文だけでなくて、査読の経過までもがオープンにされています)、ちょっと競争心が掻き立てられます。
・・・と、いうわけで、話があちこちに飛びましたが、日本の高校から外国の大学にポンポン生徒が進学する時代、日本の高校の先生も、ポンポン外に成果を発表することでそれに応えられたらなあと思いました。
まとまりのない、半分リンク集のような雑文ではありますが、一応「ネタは売るほどある」(と思う)ので、出荷できたらなあと思いました。
「進研ゼミ」でお馴染みのベネッセ・コーポレーションが、ハーバード大学をはじめとしたアメリカの上位大学への進学準備を前提とした塾を開設し、着々と成果を挙げている様子が紹介されています。
⇒(「ルートH」http://rt-h.jp/)
あるいはこちら。今からえーっと、15年前の我が「勤務校」(1年だけ常勤講師をさせてもらいました)。
○立命館宇治高校IB(インターナショナル・バカロレア)コース
私が勤務していた時は、宇治橋の近くの古い古い校舎の時で、職員会議で校地移転と、「英語で授業を行う、なんかとんでもなくすごい科を作るらしい」というくらいにしか聞いていなかったのですが、今や押しも押されぬスーパーコースになっています。
あと、我が地元のここ。「イマージョン・コース」が今年20周年なんだそうです。
○加藤学園暁秀中学・高等学校
ここから本題に入りますが、そう遠くない将来、特にトップ層では外国への進学を普通に考える生徒が普通になる時代が出てくるのではないかと思います。その時、「メイドイン・ジャパン」「ティーチ・オン・ジャパン」な我々普通の先生は一体どう立ち向かっていくべきなのかということを考えたくなるのです。
体罰をめぐる擁護(?)論があるように、日本の教育界(先生だけでなく、熱心な保護者やOBを含めて)では、世界から見て随分と異質なものが残っていると思います。勉強を戦争に例えたり、山のような宿題を課したり、年に1回の選択式テストで進路が事実上決定してしまったり、部活があったりなどなどです。
「進路指導」(特に受験指導)は、東大を頂点とする受験システムの中である程度「勝って」これた教員が、あまり代わり映えのしないシステムを初めて体験する生徒達に向かって、圧倒的な情報量の差を武器に「誘導」することが進められてきました。いわゆる「いい大学」を出て、「何度も卒業生を送り出してきた」経験豊かな先生に対して親は安心して「指導」を任せることができますし、若い担任は、経験不足を自らのフレッシュな「成功体験」、あるいは「ITスキル」で補いながら生徒を鼓舞して行けばよかったのです。最近はAO入試とか推薦入試とかで受験生の意欲や活動実績を評価する入試も増えていますが、それはそれで、だいたい「大学の先生が喜びそうなこと」は熟知していますので、そんなに困ることはありません。
ところが、自分の受け持ちの生徒がいきなり「アメリカのIBリーグに行きたい」とか言い出したらどうでしょうか?ハーバードを出て日本の高校教師をしてますという先生にはお目にかかったことがありませんし、「なんかテレビとかに出ていて、ムチャクチャ頭の良さそうな人が世界中から集まってくる大学」ぐらいのイメージはありますが、じゃあ何をどう指導しましょう?となると、全くもってわかりません。
まあ、本人や保護者は、一部のスーパー学校を除いては、そうなったら専門の業者にお任せするか、自分でノウハウを考えるかなんでしょう。でも、「じゃあ、頑張ってね。終わり」でいいのでしょうか?
もちろん、行ったこともない大学のことを知ったかぶって云々言ったり、日本的な人生設計についてどうこう口を挟んでもしょうがないです(その子は卒業後、日本に帰ってくるとは限らないですし)。かといって、全く「Out of my Business」というのも困ります。そもそも、ハーバードって、そんなにものすごいところなのか・・・・?
ハーバード大学は、地理情報システム(GIS)に熱心に取り組んでいる大学で、学生の頃、客員教授がこられていたりしました。調べてみたら、日本の若い研究者の方が留学されて、現地の様子をブログで書かれていました。
○GIS@ハーバード
http://gisresearchatharvard.blogspot.jp/
その中で目をひいたのが、夏の特別セッション(外部者も申し込めば聴講できる)でしょうか。「地理解析センター」主催の「ジオリファレンス・ワークショップ」なる催しの記事です。
http://gisresearchatharvard.blogspot.jp/2008/03/blog-post_22.html
詳しいことは記事を読んでいただくとして、面白いなと思ったのは、「使える地理データとは如何なるものか?」を、参加者がそれぞれのバックグラウンドから述べてやいのやいの言い合うという企画です。きっとそれぞれ“帯に短し”と思っている点があり、解決策を他分野から得ようというのではないかと思います。
日本では、「GISワークショップ」といえば、「GISソフトの使い方講習会」になりがちで、私も受講生として、あるいは講師として行きますけど、こういう企画はあまり聞いたことがありません。この記事を見たり、
あるいはちょっと前に面白く読んだ「ハーバード白熱日本史教室」(新潮新書)などを見て「ハーバードって、なんか面白いところだな」とは思っています。
血のにじむような努力をしてハーバードに入っても、そこで何か面白いことができなければなんの意味もないでしょうし、また、我々凡人教員も暇とお金があればちょいとボストンに飛んでいって(!)サマーセミナーなりワークショップに出て、つたない英語で思うことを述べてくればいいわけですし、U-stやSkypeでつながったっていいわけです。・・・・というか、そういうところでしか「プロの留学業者」と渡り合う方法はないでしょうし、「グローバルな時代に旧態依然とした教育しかできない日本の先生たち」という、これまた旧態依然としたマスコミや学校批判をメシの種にしている評論家の皆さんに対抗する手段はないかと思います。
と、非現実的な事を言っていても始まりません。手始めに、自分の教材や実践を短い英語で書き留めて、
しかるべきところに出してみてはと思います。私は地理教育ですが、こんな新しい電子ジャーナルを見つけました。
○Review of International Geographical Education Online(http://www.rigeo.org/)
読んで字のごとくの電子ジャーナルです。2011年創刊で年3号。今のところ、どこにも「購読料」とか、「掲載料」といった文字は見当たりません。出すのも、読むのもタダ(だと思います)。
雑誌の狙いとして、「とにかく、地理の先生に実践発表の場と、公式のペーパーを書くトレーニングの機会を提供する」(意訳)ことをうたっています。執筆者はまさにワールドワイド、レフリーのボードメンバー(編集委員)も各大陸ごとに割り振られていて、アジアの担当は、シンガポールの大学の先生と、国際地理オリンピック日本実行委員長の、筑波大学の井田先生が務められています。サイトの右下の「Visiter Map」を見ても、常に世界中からウオッチされているのがわかります。また、非英語圏の方々がガンガン書かれていて(論文だけでなくて、査読の経過までもがオープンにされています)、ちょっと競争心が掻き立てられます。
・・・と、いうわけで、話があちこちに飛びましたが、日本の高校から外国の大学にポンポン生徒が進学する時代、日本の高校の先生も、ポンポン外に成果を発表することでそれに応えられたらなあと思いました。
まとまりのない、半分リンク集のような雑文ではありますが、一応「ネタは売るほどある」(と思う)ので、出荷できたらなあと思いました。