2015年10月03日

地理教育のこれからを考えるライトニング・トーク

 10月10日に行われる、GIS学会についての記事を前回取り上げましたが、翌週に行われる若手の地理教育関係者によるトークセッションを紹介します。

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「すごい地理教育トーク」

■日 時: 2015年10月16日(金) 18:00-20:30
■会 場: 青山学院大学スタジオ B1F講義室(表参道駅徒歩5分)
■主催:  ESRIジャパン株式会社xNPO法人伊能社中x青山学院大学

■参加費: 無償


■ 詳細・申し込みはこちらから

http://peatix.com/event/119665/


トークゲストは・・・・・・

・Jesef Kerski博士ESRI社 本社教育担当マネージャー)

 Kerski先生については、前回の記事でご紹介した通りです。

 私が教材頒布サイト「いとちり」を作ろうと思い立ち、いろいろと参考にさせていただいている師匠です。


・古橋 大地氏

マップコンシェルジュ社代表・青山学院大学地球社会共生学部・教授)

  最初にお会いしたのは、自分が前の前の勤務校時代、10年ほど前に、首都大学東京で行われた「GIS-Day東京」で、高校生向けワークショップが行われた際、生徒を引率して連れて行ったときに講師として色々教えてもらった時だと思います。歳も近いですが、常に自分の斜め前方(というか、古橋さんの方がまっすぐ前で、自分が斜めかも)を突っ走っている、起業家です。今回のセッションの進行役。


・河合 豊明氏(文教女子大学付属高等学校教諭)

 うち学校で防災学習の講演をしてもらいました。勤務校が、昨年広島市を襲った大規模土石流の現場に近く、Google Earthを使って被害の全容や災害のアーカイブを試みられました。地理学会のセッションで座長を務めるなど、地理教育界の若手のホープ。


  →氏の授業に関する紹介記事はこちら


・田村 賢哉氏NPO法人伊能社中理事長)

 私が「ティーチング・フェロー」の肩書で籍を置かせてもらっているNPO法人の若きボス。

 関西を拠点に立ち上げたNPO法人を全国区に拡げ、現在は首都大学東京の博士課程に所属しながら地理の授業だけでなく、防災イベントや日本学術会議の委員など、様々な方面で活躍されています。


  田村氏のプロフィール(DECO=すごい災害訓練プロジェクト)のスタッフ紹介記事より



他に、私は初対面となりますが、

 ・佐藤 博之氏(明法中学校・高等学校教諭)

 ・星田 侑久氏 (ESRIジャパン、京都大学非常勤講師)


という顔ぶれです。


18:00スタートで、パネルディスカッションの後、フリートークとのこと。

現役の先生はもちろん、「地理の先生」を目指している学生さんは必聴かと思います。


 必修化が方向づけられたものの、「そもそも、地理の勉強って何?」という問いにスパッと答えられないまま右往左往する先生が続出することになりそうな今日この頃。若手(というか、未来の中堅どころ)のネットワークづくりが求められるところです。・・・・・地理必修化が実現する頃は、自分は「ベテラン」の仲間入りなんだなあと思いながらも、20代の先生方のトークに耳を傾けてみようと思います。





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posted by いとちり at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月29日

秋の大物教育者、来日ラッシュ

外国の事情はあまりわからないのですが、そんな私でも「おおっ!」と思う方々が相次いで来日されます。

(1)教育GISのカリスマ、Joseph Kerski 師匠が来日! 

 10月10日(土)に、表彰式があるGIS学会の大会プログラムが発表になりました。

 表彰式のあるセッションは、12:40からの特別セッション(1)「オープンデータ時代の学校教育におけるGIS」(会場A:447教室)です。「毎日新聞社賞」は3番目のプレゼンになります。
 あと、表彰式と前後するかもしれませんが、毎日新聞の「教育と新聞」欄で取り上げていただけることになり、近々学校に取材に来ていただけることになりました。

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授賞式後、いろいろと懇談したいところではありますが、その直後に別会場でアメリカESRI社の教育ディレクター、Joseph Kerski氏の来日講演があります。これは大注目です。
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 Kerski氏とは直接面識はないのですが、もともと、この「いとちり」というサイトを作るにあたって(2006年からやってます)強く影響を受けました。

 コロラド州のUSGS(アメリカ地質調査所)の研究員だったKerski博士は、GIS(地理情報システム)の世界と学校教育のギャップを埋めるべく、「ダウンロードして、解凍すれば即使えるデータと指導案」を量産し、「ロッキー山麓のGIS研究所」のタイトルで、様々な教材を公開。更に、普及し始めたYoutubeを使ってフィールドワークのやり方や、情報の整理の仕方などをレクチャー。まさに「デジタル地理教材のデパート」となりました。

 その後、2006年からGISソフトの大手、ESRI社の地理教育担当マネージャーに就任。同社の教育プログラムの策定や、K-12(小学校から高校まで)のカリキュラムの提案など、精力的に活動されています。
 〇Kerski氏のWebサイト

  「いとちり」を立ち上げたとき、和製Kerskiになれればと思い、彼を追いかけてまいりました。
自分にとっては雲の上の人ですが、来日され、基調講演を行うようです。
また、この学会とは別に、ESRI社日本法人とNPO法人伊能社中の共同で、翌週にKeski氏を囲むシンポジウムを企画中とのことです。詳細が分かりましたらまたまたこのブログに書きますが、憧れの先生を相手に、思いっきり地理教材トークをかませればと思っています。

 Jリーガーが、国立競技場でメッシとプレーできるくらいすごいことなのです。

(2)地理教育の国際シンポジウム

  ちょっとこっちは勉強不足で、パネリストのゴージャスさはいまいち実感できないのですが、とにかく地理オリンピックや国際学会で活躍されている方々が、それぞれの地域の地理教育の現状とESD(持続可能な開発のための教育)について議論されます。是非行こうと思うので、こちらもリンクを貼ります。
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 世界や日本の地理を扱う際、問題点を指摘して「大変だねー」「いけないねー」と批判するだけでなく、そこにいる人が豊かさを享受しながらも、環境と調和させながらいかにして持続可能な発展を遂げていくか、それを考えるのがESDです(と解釈しています)。例えば、石炭や石油を掘りっぱなしではなく、バイオマスなどの再生可能な森林資源を上手に使いながらエネルギー問題を考えていったり、フェアトレードのようなシステムを作って、プランテーションのインフラを生かしながら、現地の人達の生活水準を向上させ、農業の多角化を目指していくなど、国連もプロジェクトチームを作って教材開発や普及に努めています。これから必修化が検討されている新科目の「地理基礎」の設計にも大きく影響を与えるであろう考え方です。

 ESDの本場、と言いますか、ケーススタディによって分析や意思決定を求めるヨーロッパの地理教育、分厚い教科書で意外と細かいアメリカの地理教育。本当はいろいろと展開できるはずなんですが、独特の試験制度や必修/選択のシステムなどの「お家の事情」で今一つ元気がない日本の地理教育。博士、マネージャーとして国全体の教育を俯瞰する立場からどのような発言が飛び出し、それを受けて日本の研究者がどう答えるか、それらの議論を踏まえて「現場」の我々はどうコミットしていくか、興味深いシンポジウムかと思います。

 日々の業務に忙殺され、外の世界を知らないといわれがちな我々教員。外国との接点なんて夢のまた夢という気もしますが、こうやって重鎮の方々が来日されるのは、とてもありがたいことだと思います。地図やデータの形式は世界共通ですから、こうした交流をきっかけに、各地の教員の方々と教材のやり取りや、日本地理を学ぶための教材提供ができたらと思います。

posted by いとちり at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月08日

G空間EXPOアイデアワークショップのイントロスライド

 当該週になりました。

 11月13日(木)国土交通省などが主催する「G空間EXPO2014」(東京・日本科学未来館)の「Geoエデュケーションプログラム」に今年もプレゼンテーターとしてお邪魔します。今年は「位置情報を活用した未来の学校教育」をテーマに、先行事例を肴にどんな教育、教材を作れるのか、参加者の皆様にアイデアを出してもらおうというのが趣旨です。

  iPadが出たばかりのころから「これは地図帳になる!」ということで、地図帳の製作元やらソフトの会社さんやらに出入りして、色々試していますが、もうぼちぼち予算が少ない公立学校でもなんとか目鼻が立ちそうな環境が整ってきたように思います。SIMフリー版=携帯電話回線の契約をしなくてもGPSがついてくるiPadの登場(というか日本での解禁)が大きいです。今年、科研費で10台導入できたので、まあおっかなびっくりいじっていますが、そのあたりの進行状況も含めて話題提供します。他に中学校、研究の現場の最前線の話題提供もあります。その上で、主催者側で用意していただいていたiPad等をいじっていただきながら、先生方、教育関係以外の方からもアイデア出しをしましょうという趣旨です。

 学会発表での知見の披露でもないので、とりあえず出来上がったスライドを全面公開します(当日ちょっと変わってるかもしれませんけど)。平日ですが、興味のある方、ぜひお越しください。

〇公式サイトはこちらです。参加には、事前登録が必要です。


posted by いとちり at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月10日

オープンデータと地理・防災教育(8月20日:日本学術会議シンポジウム)

  8月20日、日本学術会議主催のシンポジウム
 にて、講演をします。

  内容は、仙台で行った「ジャイアンシチュー・プレゼン」をベースに、私たち学校教員がオープンデータなる素材をどう理解したらいいのか(なにが美味しいのか、どんな栄養になるのか、どう料理したらいいのか)についてお話ししようと思います。

  先ほどから手こずっているように、行政は、情報自体はオープンにしてくれてますが、ちょっと料理しよう思うと壁に突き当たります。硬い硬い鰹節、水が用意されていない昆布、カチコチの冷凍マグロみたいなもんです。

  一方で、お客さん達はあまり歯ごたえのある素材、おいしくない素材は喜びません。地理に関しては、「センター対策」という万人受けする(?)ロングセラーの“レトルト食品”がありますので、料理する人自身もあまり素材そのものにあたる機会は少ないのではないかと思います。硬い硬い鰹節と格闘することはおろか、「削り節」(インターネットを介して提供されているオープンデータ)すらも利用されないままの状態が続いています。本シンポジウムがテーマにしているオープンデータを使いこなせる人材は、かなりハードルが高いんじゃないかと思います。

 随分発表される方が多くて、十分なディスカッションの時間はないかもしれませんが、例によって内角高めぎりぎりのところを狙ってプレゼンを準備します。コンピューターを使おうが、開示されていようが、自分で作ろうが、地理情報は地理情報じゃないか・・・・?
お時間ありましたら是非お聞きいただければと思います。

日時:2014年8月20日 13:00〜17:00(伊藤は15:00〜15:15)
会場:日本学術会議講堂(地下鉄千代田線「乃木坂」駅5番出口すぐ)

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posted by いとちり at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月08日

盛会御礼&資料いろいろ

 日本地図学会のワークショップ防災教育のための地図教材−自分で作るハザードマップ」全国津々浦々から20名の方をお迎えして、盛会に終えることができました。初めて「震災記憶地図」への地図搭載のHow toをやってみました。東北対象の無料アプリですので、ぜひ積極的に使っていただきたいものです。

  「復習」の需要にお応えして、いろいろアップしておきます。

・「震災記憶地図」のサイトリンク(ログインには、Twitter IDが必要になります)
なお、地図の搭載・公開には、版権者の許諾が必要です。「こんな地図を載せて公開したいんだが」
というご相談は、地図学会学校GIS教育専門部会(主査:私)の方で取り次ぎますのでご連絡ください。

・ワークショップのサイトです。データ等、ここに入っています。

・イントロダクションのスライド(完全版)です。


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イントロ1  私    
イントロ2
 「Google Earthと防災教育」井出 健人氏
 (NPO法人伊能社中事務局長)
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ワークショップの様子「震災記憶地図」にハザードマップを載せる
撮影:太田弘先生(地図学会常任委員)
posted by いとちり at 23:51 | TrackBack(0) | イベント・セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする