2019年11月13日

発売記念 中身案内A聖地メッカの巡礼制限

 第1章「アジアを地図化する」から、サウジアラビアの話題です。

mecca01.jpg
巡礼者の出発国別人数(2011年)  

mecca02.jpg
巡礼者の出発国別人数(2016年)
mecca03.jpg
メッカへの巡礼者出発国別人数(2011〜2016年) 
isram.jpg
イスラム教徒の国別人口と人口に占める割合

 聖地「メッカ」への外国人巡礼者数が激減しています。
 送り出し国の経済水準の上昇や、LCC(格安航空会社)の定着、原油価格高騰で産油国への出稼ぎ労働者が増え、かつてない勢いで巡礼者を増やし続けてきたメッカですが、相次ぐ事故による死者や高齢巡礼者の健康問題など、様々な問題が噴出したため、ここ数年、サウジアラビア政府は外国からの巡礼者の入国に制限をかけるようになりました。信者にとっては「一生に一度の憧れ」である聖地巡礼に対する制限で、「メッカの守護者」としてのサウジアラビア政府に対する批判の声も高まっています。

 日本でも、観光客の急増に伴う問題が発生し、「オーバーツーリズム」が問題視されています。安全な巡礼と神聖な雰囲気を守るべきなのか、それとも巡礼したい信者の願いを聞き、より一層の受け入れに努力するべきなのか、ICTを駆使した安全確保のシステムの導入など、「聖地」をめぐる最新事情についてまとめています。





posted by いとちり at 05:00| Comment(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月12日

発売記念 中身紹介@中国農業マップ

 11月13日(水)に、拙著『地図化すると世界の動きが見えてくる』が店頭発売されます。
 既に、Web書店では販売が始まっています。



どんな本なの?という方のために、中身をちょっと出しで紹介して行きたいと思います。

まずは、第1章第1項の「減る水田、広がる畑」ー栽培面積から見る中国農業の今から。
中国の農作物の省別栽培面積の変化(1999〜2013年)を地図化しました。米・小麦・とうもろこし・野菜です。
「どれがどれだかわかる?」と、授業で問いかけてみると、中国の地理のイントロになりますね。

china-corn.jpg
(1)黄河以北で増えてます。
china-yasai.jpg
(2)南部の内陸で増えてます。
china-komugi.jpg
(3)全体的に減っています。
china-suiden.jpg
(4)全体的に減っています。長江以南の沿岸部の減りが激しいですが、東北部で伸びています。

<答え>
(1)とうもろこし (2)野菜 (3)小麦 (4)米

 とうもろこしは、家畜の餌として(所得の増大に伴い、肉食の需要が増えています)、野菜は都市向けと冷凍の輸出向けで栽培面積が伸びています。主要穀物として国からの生産割り当てがなされていた米や小麦は栽培面積を減らしつつあります。
米に関しては、激減している地域と増えている地域があるのはなぜでしょうか?本文では、東北部で水田の面積が広がりつつある背景について解説しています。

 かつて日本人が「満蒙開拓団」として稲作を定着させ、米の栽培限界線を大きく北に動かした中国東北部。中国の環境問題や食の安全に対する関心が高まる中、「東北の米」が再び注目されているようです。


posted by いとちり at 21:50| Comment(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月04日

シリーズ第2弾『地図化すると世界の動きが見えてくる』11月13日刊行

 2016年に刊行された拙著『地図化すると世の中が見えてくる』は、おかげさまで再重版させていただいております。
 刊行直後から書き始めた第2弾が、ようやく校了し、出版の運びとなりましたのでお知らせします。

  タイトルは、『地図化すると世界の動きが見えてくる』(ベレ出版)です。
 「・・・世の中が見えてくる」がテーマごとに世界と日本を見渡した系統地理、今回は世界の大陸ごとにトピックを地図化した、いわば「大人のための世界地誌」です。何となく聞いたことのある話題、日本との意外なつながりなど、私自身が授業の「小ネタ」にしているような話題について、各国の政府統計等に真正面から取り組んで、教材作りに使うGISソフトで地図化しました。既にオンライン書店や版元のサイトには、もくじが出ており、予約も受け付けております。
sekaino.jpg

 発売は11月13日です。
 前作同様、「ビジネスパーソンが通勤電車で読み流せる、本格的な地理のビジネス書」のコンセプトで、担当編集さんと練りに練り上げました。地理が好きな方、時事問題をちょっと違った角度から眺めてみたい方、おススメです。どうぞよろしくお願いします。

【リンク】
地図化すると世界の動きが見えてくる(版元ドットコム) 内容紹介・目次を掲載。各オンライン書店へのリンクあり。

地図化すると世界の動きが見えてくる(ベレ出版) 出版元の近刊案内

地図化すると世の中が見えてくる(Amazon.com)2016年刊行の兄弟本。
chizuka.jpg

posted by いとちり at 21:17| Comment(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月17日

日本地図学会賞受賞/再重版決定のお知らせ

 地図化すると世の中が見えてくる』をはじめ、学校教育および一般向けの地図教育・普及活動に尽力したとのことで、日本地図学会賞(教育普及賞)を頂きました。本日、立正大学で行われた授賞式で、賞状とクリスタルトロフィーを授与していただきました。
 また、先週、本書の再重版が決定しました。第二弾(地誌編)も、原稿校正に入っています。今後とも、『地図化すると世の中が見えてくる』をよろしくお願いします。

prize01.jpg prize02.jpg
本の紹介(ベレ出版ホームページへ)
posted by いとちり at 21:07| Comment(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月16日

「名著100冊」フェア:ブックファースト新宿店

 ブックファースト新宿店の恒例イベント、「名著100冊」フェアで取り上げてもらっています。
 著名人100人がお気に入りの本を選んでプッシュするというもの。
 拙著を選んでいただいたのは、『経済は地理から学べ』(ダイヤモンド社)をはじめ、地理の参考書を数多く出されている、代々木ゼミナールの宮路秀作先生です。
 出版社の方がお店で撮ってきてくれた写真を頂いたので載せます。

 「素晴らしい地図というのは・・・」と、書評もいただきました。
 素晴らしいかどうかはともあれ、いい地図は言葉の壁を越えることは確かです。
 これからも、「読ませる」地図、「うなる」地図を描けたらと思います。編集担当さんと二人三脚で次回作も作っています。文字通り、作っています。

 公共図書館はもとより、学校の図書室などにもちらほらと入れて頂いている模様。
 身近なところで見つけたら、ぜひパラパラと地図だけでも眺めて、気に入ったらお買い求めください。
1510749575300.jpg1510749568322.jpg
1510749562650.jpg1510749582851.jpg
posted by いとちり at 23:22| Comment(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする