日帰りで京都の立命館大学に行ってまいりました。
母校を訪ねるのは、札幌勤務時代以来のはずなので、恐らく9年ぶりぐらいなのではないかと思います(昨年秋、修学旅行で正門の前を通りましたが)。勤務校から同大の地理学科に進学した2人の卒業生も来てくれて、懐かしくも緊張する講習会でありました。在学時代からある古い建物の間に新しい建物が建っていて、いささか戸惑いましたが。
今や各地で行われるようになった「GIS day」。最も歴史が古く、常に最先端の情報を発信してきたのが「関西」であります。今回の共通テーマは「防災とGIS」。午前中は文部科学省、京都府、航空写真・測量のパスコ」のお三方による基調講演、6回目を迎えた小学生による「安全安心マップコンテスト」(うちの娘くらいの子がよそ行きの格好をして表彰状を受け取る姿が大変微笑ましかったです)と大変内容の濃いものでした。
基調講演の中で、地域との連携においては、画面上の情報提示よりも紙地図が有効であるとの指摘がありました。確かに、情報を画面で提示しながら危険箇所を云々考えたりするよりも、印刷した地図を公会堂の壁に貼ったりテーブルに広げたりしてああでもないこうでもない意見を出し合うことが有効である・・・・「我が意を得たり」という気持ちで午後の実習に入ることができました。
当初、無料ソフト「MANDARA」を使った実習を提案するつもりだったのですが、システムの都合で最新版のMANDARAが入らず(大量のデータだと落ちてしまいます)、「地図太郎」の登板となりました。上位版の「地図太郎Plus」の講習会ライセンス版を作っていただいて、16名の参加者の皆様にレクチャーさせてもらいました。
マニュアルの前書きにも書きましたが、このメソッドの最大の売りは「大判に印刷してみんなで囲める」ことにあります。昨年、校内展示を皮切りに市民会館、市役所ホール、小学校と、あちこちに引っ張りだこだった「自作ハザードマップ」。フリーハンドの「DIG」(災害イメージゲーム)よりも説得力ある地図を描くことができる上、電源もパソコンのスキルも要りません(作る先生には必要ですが)。ソフトの価格からして、パソコン室のすべてのパソコンにインストールして使ってもらうのは難しいとは思いますが、学校に一本、教科の予算なり防災担当課の予算で買って使ってみてもいいソフトなのではないかと思います。
「GISで授業をやってみたい」という方にとってはちょっと変化球だったかもしれませんが、「防災教育」を無理なく自然に進めていく上では何かしかのヒントになったのではないかと思います。
ずいぶん遠くからもお越しいただいて、ありがたい限りです。またお近くに行ける機会がありましたら、土地のネタを使って一品作ってみたいと思っています。
【講習会マニュアル】

20121027itochiri.pdf(PDF5.45MB)
【リンク】本日使ったソフト・データの調達先です。本日
使ったソフト・データの入手先です。
○地図太郎/地図太郎Plus(東京カートグラフィック社)
http://www.tcgmap.jp/product/chizutaro/
○基盤地図情報ダウンロードサービス(国土地理院・標高メッシュ/標高点)※事前登録が必要です。
http://fgd.gsi.go.jp/download/?JUMPPAGE=ADVERTISE
○CSVアドレスマッチングサービス(東京大学空間情報科学研究所)
http://newspat.csis.u-tokyo.ac.jp/geocode-cgi/geocode.cgi?action=start
○国勢調査小地域別統計(総務省・統計GISの総合窓口)
https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/toukeiChiri.do?method=init
○あなたの街の避難所チェック(京都市・水災情報館)
http://www.suisai-kyoto-city.jp/suisaiweb/shelter.html
【防災をはじめ、各種マニュアルはこちらから】
http://itochiriback.seesaa.net/category/12375151-1.html