二宮書店の高校向け冊子「地理月報の連載記事です。
コロナ禍の前に倉敷で取材をしたものです。
浸水域のまっただ中にあり、実際に浸水した土地で家を再建されているところがたくさん見られましたが、それは決して非難されるものではないと私は考えます。再び洪水に遭うかもしれないリスクと、住み慣れた土地で生活基盤を再建したいという希望、土地の利便性、強靱化される治水対策とを天秤に掛けたうえでの決断であり、そうした方々が作るコミュニティが、災害経験をどのようにして後生に伝えていくかを考えていかなければいけません。そのために高校の地理教育で学ぶ知識や技能(特にGISを用いた作図)をどう役立てていくのか、地元の教育関係者だけでなく、あらゆる方面からの支援が必要です。
「近くの”もしも”よりも遠くの”リアル”から学ぼう」は、この連載の基本コンセプトですが、学術的研究や報道資料も豊富で、非常に教材化しやすい場所ではないかと思います。
取材に協力いただいた皆様、ありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。