11月13日(水)に、拙著『地図化すると世界の動きが見えてくる』が店頭発売されます。
既に、Web書店では販売が始まっています。
どんな本なの?という方のために、中身をちょっと出しで紹介して行きたいと思います。
まずは、第1章第1項の「減る水田、広がる畑」ー栽培面積から見る中国農業の今から。
中国の農作物の省別栽培面積の変化(1999〜2013年)を地図化しました。米・小麦・とうもろこし・野菜です。
「どれがどれだかわかる?」と、授業で問いかけてみると、中国の地理のイントロになりますね。
(1)黄河以北で増えてます。
(2)南部の内陸で増えてます。
(3)全体的に減っています。
(4)全体的に減っています。長江以南の沿岸部の減りが激しいですが、東北部で伸びています。
<答え>
(1)とうもろこし (2)野菜 (3)小麦 (4)米
とうもろこしは、家畜の餌として(所得の増大に伴い、肉食の需要が増えています)、野菜は都市向けと冷凍の輸出向けで栽培面積が伸びています。主要穀物として国からの生産割り当てがなされていた米や小麦は栽培面積を減らしつつあります。
米に関しては、激減している地域と増えている地域があるのはなぜでしょうか?本文では、東北部で水田の面積が広がりつつある背景について解説しています。
かつて日本人が「満蒙開拓団」として稲作を定着させ、米の栽培限界線を大きく北に動かした中国東北部。中国の環境問題や食の安全に対する関心が高まる中、「東北の米」が再び注目されているようです。