日本大学で行われた、日本地理学会での発表です。
この一年、科研費(日本学術振興会の、学校教員向けの「奨励研究」助成金)を受けて、オープンデータの高校地理教育への活用について研究した成果です。
表紙絵は、桜えび漁(本日、春シーズンの漁が解禁です)に向かう由比港の船団です。オープンデータの
「大海」に向かう船団。情報科や商業科、工業科、公民科などがあります。とっても勇ましいですが、我らが地理歴史科、特に料理の腕が期待されている地理チームはせいぜい陸から竿を振っている状態です。
・地理のIT化は遅れている。オープンデータの活用では、周回遅れだ。しっかりせい!。
・こんなにデータがあふれているのに、それの利用どころか、地理の授業すら選択できない生徒が溢れている。これは危機的状況だ。
自分も議論に参加させてもらった日本学術会議の提言を基に、問題提起を作りましたが、こうした提起に対して「うん、確かにそうだ。でもね・・・・」という考えが浮かんできて、直前に構成を大幅に変えて発表に臨みました。
地理教育へのGISの活用というと、どうしても「生徒にパソコンを操作させる」「先生が、パソコンを操作しながら授業をする」(自分はそんなことできないから、手を出さない)という発想から抜け切れていません。ましてオープンデータの活用となると、スマホアプリを作ったり、作らせたりしなきゃいかんのか?という事になりますので、見ただけでNO Thanks!になります。ただ、そこで発想が止まってしまうと、何も前にすすみませんし、オープンデータなる概念が、技術的な制約の前に逆に狭められている状況を変える必要があると思います。「脱・アプリ製作」「教育のオープン化」というコンセプトは、「データの活用」には経験とノウハウがある地理教育だからできることだと思うのです。
同時開催の高校生ポスターセッションには、iPadアプリを使った地図教材を展示しました。
オープンになっていないデータ(生徒が役場に行ってもらってきた災害現場の写真=クローズなデータ)と、地図を自在に変えられるアプリを使った事例です。理論と実践、助成の研究期間はこれで終わりますが、調達できたiPad10台と共に、引き続き考えて行きたいと思います。
朝からたくさんの方に聞いていただきました。ありがとうございました。
【リンク】 スライド中に出てくる関連情報へのリンクです。
・「地域におけるオープンデータの利活用と地図力・GIS技能の育成」
日本学術会議提言(2014年9月30日)
・NHK「クローズアップ現代」 地図力が社会を変える
番組公式サイト
一応、全編動画(リンクが切れる可能性あり)
・オープンデータの「沖合」で奮闘する、静岡県立島田商業高校の実践
・静岡県で最初にオープンデータ化を実現した、実はすごい自治体。我らが裾野市のオープンデータサイト。かまぼこ(スマホアプリ)にしなくても、切った並べるだけで結構おいしい。
中間報告となった、昨年夏の報告です。あわせてどうぞ。通称、「ジャイアンシチュープレゼン」
●日本学術会議シンポジウムでのプレゼン「オープンデータと地理・防災教育」
(2014年8月21日)
今回は、「かまぼこ」or「舟盛」でしたが、GISを「刺身」に例えた最初のプレゼンがこちら。「GIS?なにそれ美味しいの?」と言われたらサクッと返せるアイデアとしてどうぞ。通称「海鮮丼プレゼン」
●海鮮丼GIS完全版 G空間EXPO2013(2013年11月14日)