2013年12月08日

「第1回 伊豆防災シンポジウム」に行ってきました。

 「第1回 伊豆半島防災シンポジウム」というイベントがあり、伊豆長岡まで行ってきました。
 

〇事務局の伊豆市のサイト 

   http://www.city.izu.shizuoka.jp/form1.php?pid=4504

 基調講演は、東日本大震災の際に、岩手県の「防災監」を務められた越野 修三氏(現:岩手大学教授)。たまたま先週、図書館で氏の本を借りて興味深く読んだところだったので、案内をいただいてすっ飛んで行った次第です。

 「盛岡の司令部」で何が起こったのか、第一声で何をしたのか、「甚大な被害を受けている場所ほど情報は入って来ず(市町村の庁舎自体が壊滅)、指令ボード上の地図は真っ白。何も判断材料がない中で何をしたのか」、組織をどう作り、どう改変したのか等、具体的なデータを交えての講演は大いに勉強になりました。

「”空振り”は、許される。でも”見逃し”は絶対に許されない」
   
  
という言葉が印象に残りました。
  自衛隊の指揮官として、阪神大震災の時に広島から被災地入りのスタンバイをした際、なかなかGoサインが出なかったこと、「前進目標」(どこに向かって進めばいいのか)がなかなか決まらず、口惜しい思いをした経験から、岩手県の防災監就任後、自衛隊にあらかじめ前進目標を決めてもらい、知事から派遣要請があれば、被害の大きさがわからなくても自動的にそこに行く体制を整えたそうです。これが、次の日の朝からの捜索活動や避難所のニーズ(県は独自に避難所の数すら把握できなかった)の把握に役立ったそうです。

 第二部は、国土交通省の沼津事務所の所長さんによる「伊豆版櫛の歯作戦」の概要について、第三部は、観光客の避難誘導について、鉄道会社の運行本部長さんと伊東市の防災監、土肥の旅館組合の副会長さんのパネルディスカッションでした。

  この会の存在を紹介していただいたのが、勤務先の学校の近所にお住いの、防災指導員の方です。現役の自衛官をされながら故郷の釜石市を行き来されており、「業界」に広い人脈をお持ちの方です。帰りに
三島まで送ってもらいましたが、「伊豆の真ん中を貫く大動脈」を走りながら、「ここは、絶対通れなくなるよね」「ガソリンとか、どうやって届けるのかな。あんときはこれがどうにも大変だったけどね」とか、物流屋連絡の課題を実地でレクチャーしていただきました。

 今回のシンポジウムでの問題提起は、「南北軸」です。沼津以南の伊豆半島が孤立し、沿岸部が壊滅的な打撃を受けた際、情報をどう集約し、どう道を切り開き、要救護者を搬出するかといった問題です。東名と新東名がクロスし、建設中の「伊豆縦貫道」の起点である今の勤務校のあたりは、まさに
「扇の要」であり、岩手で言うところの遠野か花巻のような場所になるのだなということを改めて思いました。避難所であり、なおかつ物資の集約拠点にもなりうる県立高校同士の連携や、防災教育担当者の交流も重要になってくるのではないかと思いました。

 「沿道に立って、遠くからやってくる緊急車両を着実に拠点に案内するのも立派なボランティア」
 
 
 

  確かにそうだと思います。「カーナビがあるじゃん」というかもしれませんが、どの道が通れるかは刻一刻と変わりますし、情報を届ける携帯回線もダメになってるかもしれません。また、ランドマークが崩れたり、
波にさらわれていることだって考えられます。あと、ヘリからの偵察に対してどんなメッセージを送るのかも
重要だとのことでした。

  講演の後、色々な方を紹介していただきました。また、タブレットを使ったGISによる情報集約システムの展示もありました。安定した電源(ソーラーなど)と通信手段(衛星インターネットなど)を用意すれば、司令部の情報収集に威力を発揮するのではないかと思います。
 

  「半島の孤立」
「内陸と、海辺との連携」
は、この地域の防災を考える上で重要なキーワードになると思います。ただ、富士山噴火の場合は、立場は逆転します。宿泊施設と港湾を備えた伊豆は、脱出にあたっての重要な基地になるはずです。
 地図を広げてどう「作戦」を練り、実際に「訓練」を重ねること、それを教材化することで、これまでの「身近な地域の危ないところ探し」から一歩踏み込んだ実践を作っていければと思います。

【リンク】
越野 修三(2012)東日本大震災津波 岩手県防災危機管理監の150日 (Amazonのサイトへ)

bosaikan.jpg
「ブクレコ」に書いたレビュー

以下メモ的なリンク。閉館間際で十分にお話を伺えず、すいませんでした。

〇タブレットを用いた「電子宿帳」&「電子避難者名簿」システム(ワコム)
http://www.wacom.com/ja-jp/jp/overlays/articles/2013/jp-1042
Windowsのタブレットを使われていました。

〇大画面の地図に手書きで情報入力―株式会社ターニングポイント
http://www.tp-net.com/index.html
 
電子黒板の避難所版といった様子。GISデータを読み込んでその上に書き込まれていました。
〇防災コンサルティング会社 (株)総合防災ソリューション
http://www.dpsol.co.jp/index.html
社長さんは、元自衛隊富士学校の教官・静岡県の防災調整監。
著書で静岡版の「図上演習」等を解説されているので、さっそく読みます。
posted by いとちり at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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