2012年01月30日

防災フェロー講座修了プレゼン

 静岡大学に、ほぼ隔週で1年通った「ふじのくに防災フェロー講座」(http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/sbosai/fellow/)の研究成果発表会のプレゼンです。
 11月にいただいた、GIS学会の「初中等教育におけるGIS活用実践表彰」の国土交通大臣賞受賞講演をベースに、新たに行った取り組みと、関係者を意識した結論(主張)を加えました。

 内容を要約しますと

(1)「防災」と「GIS」は、次期学習指導要領の「高校地理」の切り札になる
(2)年に1、2回「防災の時間です」「GISの時間です」と、イベント的に取り上げるのではなく、ありとあらゆる場面で取り入れられるはずであり、その方が教育効果は高い
ほぼ無料・50分完結・教科書準拠(=毎度おなじみのコンセプトですが)で教材を作ることにトライ。いろんな場面で試してみて、良し悪しを考える。
(3)作った教材
  @黒板にスライドを投影する授業を毎時間行う・・・・生徒は白地図などに書き取る=効果あり
  A標高の段彩図や津波の到達線を描いたGIS図を大判印刷で展示=話題沸騰・注文多数
  BiPadに地図を載せて持ち歩く・・・・狙いはよかったのだが、ソフト面・ハード面がまだまだついてこないので教材としてはまだまだ発展途上。
(4)考察と結論
@「ほぼ無料・50分完結・教科書準拠」・・・・「防災」&「GIS」で実現可能
A「ほぼ無料」で、「ハザードマップ」を自作する方法を構築する事ができたが、素材の調達や加工にはテクニックが必要。⇒専門家ユーズのデータを一般向けに使えるように橋渡しをする必要あり。
B授業であれこれ教え込むよりも、大きな地図をバンと作ってそれを囲むことで得られる教育効果は大きい(みんなで作る過程、地域の長老にあれこれ語ってもらう過程)。ただ、これまでのようなDIG(図上訓練)的な「危ないところ探し」ではなく、きっちりとGISで地図を描き、必要な情報のみを重ねて、より見やすい地図をあらかじめ作ることで、防災教育は充実するだろうし、「地理らしさ」が出る。
C完成された「ハザードマップ」(画面の中にありとあらゆる情報が詰まっている)を分解して、必要な情報を組み合わせる事で、さらによい教材が作れると思う。ただ、「元データ」を公開している所は限られており、行政には努力してもらいたい。

 けんけんがくがくのコメントを頂きました。

 特に考察のCに関しては、なかなかうまく行かない事情も分かりました。言いっぱなしでなく、同じ受講生として、直接行政の方々と突っ込んだ議論ができたのが、この講座の最大の魅力だったと思います。毎回、宿題はしんどかったですが、いい経験になりました。

 小出しにあちこちに出しているネタですが、またカラー表示ができる媒体に、「卒業論文」として投稿したい思います。

【ダウンロード】
20120128.pdf
posted by いとちり at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 学会発表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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