2010年04月22日

「駅前洞窟」の危機と富士山の日

 三島駅新幹線口(北口)。
 前任校では、毎日ここを通り、なじみの深い景色ですが、この地下に巨大な洞窟があるのをついこの間知りました。

○現地調査報告:NPO法人 火山洞窟学会
http://vulcanocave.poc.jp/mishima20100206/
○三島里山倶楽部 
 トップページの地図が分かりやすいです。
http://mishimasatoyama.web.fc2.com/page035.html
 
 1万年以上も前に出来た富士山の溶岩洞窟(風穴)。前任校に詳しい先生がいて、山梨の青木が原樹海の洞窟探検に何度か行きましたが、こんな身近な所にこんな洞窟があるとは・・・・しかも、三島市の独断でそれがコンクリート詰めにされようとしているとは・・・・(!)自分の所ながら、「静岡県の政治家って本当に富士山に対して罰当たりな人種だなあ」と思います。まあ、そういう人を止めたり、落選させたりしない住民も住民ですし、「上司の命令だから」と、稟議書一本で実行してしまう公務員も公務員なんですが)。「世界遺産」なんて威勢のいいことを言ってますが、我々の代で、着実に身上食いつぶしてしまっているような気がしてなりません。

 ところで、2月23日は富士山の日。京都生まれのアイデア知事がぶち上げたローカルホリデーですが、
「うちは普通に学校やります」と、反旗を翻す自治体がちらほら出てきました。3つあるうちの2つは、政令都市を標榜して何かと県と対立している静岡市と浜松市(県と政令市が仲が悪いのはどこでもいっしょですね)、もうひとつは静岡空港の開港と引き換えに辞職して後継者を落選させられた前知事の地盤に近いK市。このあたりはなんか「反対のための反対」という感じもします。

 富士山の日に関しては、以前、批判的な文章を書きました
(いとちり2010年2月3日)。子供たちを休ませるか否か以前に、何のための日で、その日何をするべきかをしっかり位置づけなければただのパフォーマンスに終わってしまいます。

 あえてもう一度同じ論旨で書きますが、この日は、にわか勉強で富士山の知識(本を読めばわかるような)を深めたり、
「富士山最高!富士山を世界遺産に!」と、大政翼賛的なお題目を唱える日にするだけなく、静岡県民が富士山とどう関わって来たのかを考えたり、富士の傍に生きることの意義を強調する一方で、先人達(特に明治以後「静岡県」「山梨県」が出来て以来の人々)が「殖産興業」やら「経済成長」やら「地域活性化」の名の下に、いかに富士山を傷つけ、かつ見て見ぬふりを続けていることを直視して、「どうなのよ?」と考える機会があってもいいと思います。

 「富士山の日」に賛否両論があるのは当然だと思います。ただ、「うちは休ませる、休ませない」という議論をするのではなく、賛成・反対両方の人達がそれぞれの趣旨でイベント(フィールドワークでもいいです)を組んで、教師も生徒も学校を離れてみんなで考える機会が保障されてもいいのではないでしょうか。

 たとえは適切かわかりませんが、2月11日の「建国記念の日」に、祝い、日本人としてのアイデンティティを確認する会がある一方で、「日本国」の名の下に、先人達が過去に行ってきた戦争や教育を考えるイベントが行われます。「興味ないや」という人は別に出なくてもいい。ただ「富士山について真剣に考えてみたい」という教師や生徒が集まれる日が平日に作られるのは貴重です。土日は(特に高校は)部活漬けで、意識の高い生徒や、意欲ある教員ほど部活にも一生懸命だったりするので、行きたくても行けない、人が集まらないというパラドックスがこの県(国)にはあります。

 これから扱いを考える自治体の教育委員会の方々には、県への姿勢や、政治色、「保護者の心配」「授業時間確保」[「自分の所から富士山が見えるか否か」といった近視眼的な視点での議論は置いておいて、もっと大所高所から「富士山の日」を考えてみてはどうかと思います。
 
posted by いとちり at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | City&Mt.富士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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