JICAの「青年海外協力隊」で、ミクロネシア連邦に派遣されている川上さんのブログを興味深く読みました。
http://blog.goo.ne.jp/micro_jocv/e/535cd3d9bf00cc5139afc36aeef03e16
彼女は、ミクロネシア連邦の「ポンペイ州」というところにある環境NGOに派遣されていています。魚の生態系やサンゴ礁の保護地域の選定や研究を、アメリカやオーストラリアなどの研究者と共同で行う団体なのですが、調査に使ったデータが解析もされないまま放置されているのを憂い、GIS(地理情報システム)でせっせと料理されているそうです。
<本文より>
私の配属先からの要請はその置き去りにされたデータをGIS(地理情報システム)を用いて空間的な解析をすることです。CSPが単独で行ったプロジェクトのデータは2005年からたまっており、その解析を行うのが最優先だと思いました。
本来私達ボランティアは「釣った魚を相手に与えるのではない。魚の釣り方を教えるのだ。」と言われるように、なんでも自分でこなし、出来上がったものを任国の人々に与えるのではなく、一緒に活動をし、その中で任国の人々にもそういう方法があるのだと知ってもらうために派遣されています。
しかし、言葉でGISの利用価値を話してもなかなかピンとこない、さらにそれぞれに取り組んでいる仕事がすでにあり、そこにプラスGISなんていう分けのわからない仕事は入れたくないようで、一緒に活動するということが大変難しい状況です。
同じような話が、日本のあちこちで聞こえてきそうです。
せっかく専門家が学術調査をしても、その成果やデータを地元の活動に生かせなければ何の意味もないわけですし、その生かし方は上から与えられるのではなく、自分達がニーズに合わせて調達および加工していかなければなりません。
我が地元の「富士山」も、実に色々な観測や研究が行われてはいるものの、それを地域の活動や教材として活用されているかというと、「うーん」という感じです。私のような人間が触媒役をしなければならないにも関わらず、まだまだだなあという気がします。
南の島で孤軍奮闘する青年の成果を楽しみにしたいと思います。
【リンク】
彼女が派遣されているNGOです。
The Conservation Society of Pohnpei
http://www.serehd.org/Home.html
ミクロネシアの地図を貼っておきます(↓)
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