2010年01月27日

「ブラアプリ」という実験

 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(本社:東京都港区、社長:佐藤孝、以下博報堂DYメディアパートナーズ)は、経済産業省からの委託を受け、日本放送協会の協力のもと、歴史を感じながら街を散策する番組「ブラタモリ」の番組素材を活用した日本初となる位置情報に連動したiPhone向け動画配信サービス「ブラタモリ提供ブラアプリ」を開発しました。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/release.aspx?i=242037

 「ブラタモリ」 「日本初」、「位置情報連動」「動画」・・・地理関係者としては触れずにはいられないニュースなので、早速飛びつきました。が、悲しいことにパソコンでは見られない(当たり前ですが)上、私はi-phoneはおろか携帯すら持っていない人間なので、イメージ画面を見るしかできません(→こちら)。

 「すごいー!」「使ってみたいー!」では、ただのミーハーなので、実際に使えないなりに、このコンテンツが目指している「実験」の性格について調べてみました。
  「ブラアプリ」の開発にかかわった会社が今、東京国立博物館でi-phoneを使った館内ナビゲーション&展示案内の実験を行っています。You tube動画による解説も付いていますので、「ああ、ブラアプリは、これの野外版なんだな」という事がわかります。
http://www.koozyt.com/solutions/amp/horyujitreasures/
「相田みつを美術館」バージョンもあります。
http://www.koozyt.com/solutions/amp/damono2/
 東京に遊びに来た地理好きが、このアプリを見ながら上野駅で降りれば「上野編」の中で出てきた動画が、秋葉原に差し掛かれば「秋葉原編」の解説が、放送回で検索することなく出てくるという仕組み・・・・なんでしょう。古地図も一緒に出ればパーフェクトなんですが、それはまた別途古地図のサイトを開いて眺めるという感じになるのではないでしょうか。
 このシステムの主な売り込み先はテレビ局や自治体などです。グルメ番組で紹介したお店の動画にリンクを貼り、実際にそのお店を目指す人のためにナビゲーションをしたり、映画やドラマの「ロケ地廻りの友」にするなどの利用が考えられます。実際のロケ地を前に、ドラマの1シーンが見られるというのもいいものです。大河ドラマの最後に3分間流れる、「ゆかりの地紹介」の動画を切りだして現地で見られるようにしても面白いと思います(本編は肖像権の問題等があるので、なかなか難しいでしょうが、こちらは人物は映らないので載せやすいと思います)。この不況とテレビ離れで、テレビ局はCMの収入が激減しているらしいので、あの手この手で商売する方法を模索しているのですね。

 「場所に絡めた動画」の用途は、地理のフィールドワークの指導にもうってつけなのですが、まさか40台分i-phoneを学校で買うわけにもいかず、かといって「レンタルi-phone」のようなサービスがあるわけでもなく、うーん、厳しいかなというのが率直な感想です。あればあったですごく面白い実践が出来そうなんですけどね。
【リンク】
 プレスリリースで触れられていた「AR」(拡張現実)。i-phoneで目の前の景色を撮影するだけで、その景色に関連付けられた情報が表示されるアプリ、「セカイカメラ」などが有名ですが、この「ブラアプリ」もその仲間に入るようです。
 これから流行りそうな言葉なので、入門書の紹介にリンクを貼っておきます。
ARのすべて-ケータイとネットを変える拡張現実









posted by いとちり at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ブラタモリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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