2009年12月16日

「幽霊空港」考

茨城空港、国内線ゼロ 来年3月開港時定期便 ソウルのみ

(読売新聞12月16日)

 城空港(茨城県小美玉市)が国内線の定期便就航が決まらないまま、来年3月11日の開港を迎える見通しとなった。国内の航空会社に路線就航を働きかけてきたが、経営環境や経済情勢の悪化を理由に断られ続けた。国土交通省は「開港時に国内線がない空港は聞いたことがない」としている。  開港時の就航路線は現在、韓国アシアナ航空のソウル(仁川(インチョン))便(1日1往復)のみ。県幹部は読売新聞の取材に「路線の周知や航空券販売などを考慮して、路線の決定は開港3か月前がリミット」と述べ、開港時の国内線就航を断念したことを明らかにした。  1999年の国の需要予測では、札幌、大阪、福岡、沖縄の国内4路線で年間約81万人を想定していたが、ソウル便だけでは搭乗率75%と想定しても7万7000人にとどまる。  県は国交省に路線誘致交渉への協力を再三求めているが、国交省は「国が就航誘致をした例はない。茨城空港も地元が責任を持って誘致するという約束がある」との姿勢だ。ソウル便のほかは、台湾などへのチャーター便や、開港数か月後にアシアナの釜山便開設が決まっているだけだ。  国営空港なので維持管理費は国が負担することになっているが、県の第3セクターが管理運営する空港ターミナルビルも、1日1往復では年間で最大1億円の赤字になるとされ、県は利用者から空港使用料を徴収することも検討している。
この手のニュースを見るたびに、「いつか静岡も・・・・・」という気分になるのは私だけでしょうか。 「頼みの綱はソウル線。でも、そのソウル線もなくなったら・・・・こうなる」というケースがあります。イギリスのBBCが「世界一静かな空港」と皮肉った、韓国東部の襄陽(ヤンヤン)国際空港です。 まずは、こちらの動画をどうぞ。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8052742.stm ピッカピカです。でも、誰もいません。映画のロケなんかやるには最高ですが・・・・。 動画の日付が2009年5月18日。レポーター氏は、「この空港では、最近商業的フライトがあったのは、昨年の11月」と言っています。最後の定期便だった釜山線が運休したのが2008年の6月。チャーター機すらも飛ばない空港です。 日本語による解説はこちらが詳しいです。 ロケットニュース24 2009.5.18 全く定期便がなくなった今も、管制官など、11人の職員が働いているそうです。「4億ドルを投じて建てた襄陽空港のターミナルのうちの1つは、6ヶ月の間にたった一人の乗客しか利用していない」のだとか。  韓国の日本海側(向こうでは東海と呼ぶ)の江原道。行きました。スルメがうまいところです。急行列車でのんびりトコトコ・・・・。もう15年以上昔ですが。 作ったはいいものの、就航する路線がなく、「開港できない」空港なんてもあります。  蔚珍空港の屈辱 航空会社の需要なく開港できず  (中央日報(韓国):2008年11月12日) 韓国は、仁川国際空港の成功で、航空政策が非常に上手くいっているように映りますが、国内13空港中11空港が赤字なのだそうです。特に、1990年代後半から雨後のたけのこのように作りまくった空港(多くは軍用施設の転用ですが)失敗に終わりました。「まず政権レベルで政府予算が政権の小遣いではなく全国民が血と汗を流して集めた税金であるという覚醒が必要だ」という、現地新聞の社説の指摘は、そっくりそのまま日本にも当てはまるように思います(中央日報:2009.3.31 【リンク】 ●今や地方空港問題の、入門書的な存在ともなった「血税空港」  (2009年5月:幻冬舎新書)  著者の森 功さんのブログでの紹介記事はこちらです。 http://mori13.blog117.fc2.com/blog-entry-493.html 福井空港(福井空港振興協議会) http://www4.ocn.ne.jp/~fukui-ap/ 日本で最初に定期便を失った空港です(1976年3月)。  滑走路を延伸してジェット化に対応するか、現状維持かでもめた結果、現状維持を選択。お客は小松空港に流れて定期便ゼロになった歴史があります。ちなみに、1994年に「延伸・ジェット化」に舵を切ったものの、今や存亡の危機に立たされているのが、信州まつもと空港です。
posted by いとちり at 21:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 静岡空港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 拙著の紹介ありがとうございます。6月25日静岡朝日テレビで空港問題を取り上げるらしく、コメントを求められました。
Posted by モリ at 2009年12月18日 09:56
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