2009年08月10日

地理オリンピック名物・真夏のフィールドワークテスト

出張続きでバタバタしておりました。

地理オリンピック報告の続きです。

閉会式も終わり、またまた日本人が金メダルの報も入ってまいりました。

詳細は公式サイトをどうぞ。

 さて、大会も2日目。いよいよフィールドワークの日がやってまいりました。前日、スタッフには熱中症を含め、非常時の対応がみっちりとレクチャーされていました。何しろ真冬の南半球からいらした人々もいます。この暑いのに秋葉原から筑波まで、電車を乗ったり降りたりしながら、しかも「何が出題されるかは明日のお楽しみ」という非情な試験。しかも、「どっか1か所決めてチームでプレゼンしてね」という宿題まで付いてくる・・・・下見ですらどっと疲れた私としては「大丈夫かしらん」と思いながら最後尾にくっついて駅から駅へ渡り鳥でした。

 ちなみに、事前に各チームに案内したGoogle Mapはこちらです。

 朝8時、意気揚々とロビーに集合した各チーム。前日、食堂の割りばしに私が番号を振って作ったくじによって決められたA~Dのグループに分かれて出陣です。つくばエクスプレスに乗って一路秋葉原へ。新しい電車なのでレールの継ぎ目の音が聞こえず本当に静か。無線LANも使えて、「未来の通勤電車」という感じです。 s-kanda.jpg

 秋葉原到着。ここで二手に分かれて、第一ステージ・秋葉原〜神田編(90分)です。ここは、フィールドワーク試験のHow toを会得してもらうために案内人がついて決められたコースを廻ります。片方の案内人は、南国・バンコク&ソウルの安宿仕込みの適当Englishを操る私。「ここがチェックポイントですよ」「地形を見てね」くらいしか言ってはいけないのですが、一緒に廻る先生方の質問が、次の日のテスト問題とどんぴしゃりの事ばかりで焦りました。「・・・先生、その質問にお答えするにs-Fw002.jpgは、わたくし、フランス語をしゃべらなくてはなりません」(チュニジアの先生はアラビア語とフランス語と英語が堪能)などと言いつつ、秋葉原、神田明神、湯島聖堂、昌平橋(神田川)、ラジオセンターなどを歩きました。

 秋葉原の後は、各グループに分かれてそれぞれのペースで各ステージを廻りました。

 

 

 花の浅草、「うーん、うなぎがこんなに安くて美味しいのね」「おお、今日の演芸場のトリは林家正蔵s-asakusa.jpgか。うわっ、"漫談:林家ペー"だって!見たい」・・・・(「英語でガイドシナイト」の大役を果たした後は気楽なもんです)。そんなことをしつつ、改札口で待っていると、各チームとも超真剣な面持ちで帰ってまいりました。中にはお昼も食べずに次のステージへ直行する組や、「ファミレスでご飯でした」という組も・・・・浅草は、またぜひプライベートで来てください。演芸場は必須です。

 次のステージは埼玉県の八潮(やしお)。川を挟んで反対側は東京都というところ。ただ、地名の通り、海水がこの辺りまで侵入する上、後背湿地のど真ん中に突然駅ができて、スプロール現象の真っただ中にあるところです。

s-Fw003Yashio.jpg

写真は、この駅に最も早く到着し、お昼をコンビニおにぎりで済ましつつ、3時間も滞在して最も遅くこの駅を発ったチームです。各チームとも、1か所を決めて、規定ルートを歩いた上でプレゼンのネタ探しをするのですが、このチームは地元の人に「聞き取り調査」を敢行。「つくばエクスプレスが出来て、どうですか?」と、地元の人にインタビューをしています。

 このチームに同行した、大会本部の役員さん(ニュージーランド)は、「いやー、面白い、ここはまた渋いところを選びましたね。でも、暑いわ・・・・」と、2時間半後に駅に戻って来られました。「ねー、"地理の人には"実に面白いところですよね」と返すとニヤリ。マニアック心をくすぐられるところです。

 この組について、次のステージ、茨城県の守谷市へ。ロードサイドの大型店と、街道筋のさびれかかった商店街の対比を見てもらいました。最終組についてつくばみらい市へ。田んぼのど真ん中に忽然と現れた分譲地のど真ん中にある駅に降り立ち、住宅地と農村部を廻るステージです。 s-tsukubamirai.jpgs-P7120329.jpgここもまた、「通好み」なステージと言えます。

 

 

 

 

 

 

 5つのステージを歩き倒して到着は午後6時。みなさんフラフラ。遅い夕食を近所の焼き肉レストランでとり、ホテルの会議室を借りてさらに明日のプレゼン準備、23時でシャットダウンと相成りました。翌日は朝の7時半にホテル発。相当タフな一日だったと思います。

 次の日のプレゼンは、「まー、よく3時間かそこらでこんなに準備したなあ」と感心する出来栄え。さすが国家代表です。無秩序な都市化や、大型店の進出による既存の景観の破壊など、いつも話しているネタも、外国の高校生からバシバシ指摘されると、それはそれで耳痛いものがあります。各グループに入った日本人の皆さんも、陰にひなたに上手にグループをまとめてくれていたようです。

  各国の引率教員の先生方と、各グループの代表選手による審査により、最優秀プレゼン賞を、個人成績とは別に表彰しました。

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フィールドワークテストの採点の間、選手の皆さんは筑波山へ。 一言、一句、一等高線にこだわる採点打ち合わせを横目に、「採点、ご苦労さまでございます」と、筑波を後にして参った次第です。

 まだまだいろいろありますが、詳報は、各スタッフからの写真を集めつつ、公式サイトでご案内したいと思います。国土地理院への表敬訪問、カルチュラルナイトなど、お楽しみイベントもいろいろだったようです。とりあえず、いとちり版の地理オリ報告はこの辺で。

posted by いとちり at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 地理オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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