2009年06月27日

イチゴ空中戦―どう出る?静岡空港

 静岡県知事選が盛り上がりつつありますが、各候補とも、「ブランド農産物の輸出!」と打ち上げている割には、あまり具体的な中身が見えてきません。なんでも、静岡空港に出入りする飛行機は、今のところ小さいため、空港でよく見かける「エアカーゴコンテナが積めない」んだとか。つまり、乗客を増やし、飛行機を大きくしない限り、おちおち貨物も積めない・・・・(悲)

  軽くて、コストパフォーマンスがよくて、鮮度が命の農産物と言えば・・・・やっぱりイチゴでしょう! ということで、イチゴの空輸事情をちょっと調べてみました。私の月刊「地理」でのデビュー作は、「いちご処・静岡」という、果物特集で書いたコラムなので、イチゴにはちょっとうるさいです。 べにほっぺ

【王者・福岡の“あまおう”】

 いちご空輸の「王者」です。ちょっと古いですが、福岡空港を管轄する門司税関が詳しい資料をアップしています。

門司税関
http://www.customs.go.jp/moji/moji_toukei/data/f17-12-ichigo.pdf

こんな記事も 

「空飛ぶイチゴ」が切り拓く福岡空港の新・アジア物流

(フォーラム福岡 2005年3月31日)

http://www.forum-fukuoka.com/airport/asia/4_1823/ 

イチゴ「あまおう」、露の高級スーパーでも人気(読売Online2009年3月10日)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090116-754442/news/20090310-OYT1T00715.htm 

 「いちご処・静岡」の取材の時に、静岡県の農林試験場で聞いた話ですが、福岡の「あまおう」の強さは、農協や行政が強いリーダーシップを持って、一定の品質のイチゴをどどーっと大量に供給できることなんだそうです。“あまおう”が開発されたのが2003年。「いちご生産日本一」の座を栃木県に奪われ、それを取り戻すべく、首都圏をターゲットに「とちおとめ」を仮想敵として開発されたとか。普通のイチゴより「あまくて、おきくてまい」(そのかわり、ちょっと高い)あまおう。徹底した温度管理で福岡空港から「それーっ!」っと羽田に空輸する体制を整えてから切り込んだわけですから、香港やモスクワへ輸出なんざ、朝飯前といったところなのではないでしょうか。 逆に、意地悪な見方をすれば、国内の競争が激しい中、これだけの設備投資をしてしまったので、少しでも高く買ってくれる所を探してこないと、採算が取れないので焦っているという面もあるのかもしれません。

<あまおうの開発ストーリー>

http://auction.woman.excite.co.jp/item/100129912(ウーマンエキサイト・オークション)

【がんばれ!がんばった・・・けど・・・・福島】

良くも悪くも静岡空港の「未来形」になりそうな福島空港(詳しくは拙稿「福島空港の教訓」をどうぞ)。「福岡に続け」と言わんばかりに、2008年に、いちごの輸出を関西空港経由で試みましたが・・・・。

いちごの空輸にチャレンジ(福島放送:2008年02月23日)
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=200802233
関西空港経由で香港に送ったら・・・・腐ってしまいました(福島放送2008年3月5日)
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=200803059
リベンジをはかり、成功今度は成功。1パック¥1800円で、34パック売れたとか。
(朝日新聞:2008年03月18日)
http://www.asahi.com/food/news/TKY200803180222.html

福島−関空便は、2009年1月末で撤退してしまいました

【北からの使者】

ちょっと北に目を向けると、北海道の農業ベンチャーが「夏イチゴ」の大量空輸作戦で着々と端境期需要を狙っています。羽田の傍に巨大な物流センターを持っているとか・・・。

http://www.hob.co.jp/(株式会社ホーブ)

【さて、静岡は・・・・?】

 と、まあ自分のブックマークを兼ねていろいろとリンクを貼りました。「農産物のブランド化」とか、「輸出戦略」とか、耳触りのいいフレーズが飛び交っていますが、一つわかったことは、「相当な覚悟と戦略を持って、設備投資をした上で挑まないと、必ず失敗する」ということです

 素人考えですが、もし静岡イチゴを輸出しようと思うならば、静岡空港から直接外国の空港に飛ばすのではなく、王者・福岡の流通網に乗っかって行くのが良いのではないかと思います。静岡―福岡便ならば、1日3便飛んでいますし、最悪欠航となった場合でも、トラックや貨物列車を飛ばしていけば何とか翌朝には福岡に着きます。今のところ、機材が小さいので冷蔵コンテナを積めませんが、小口のものをこまめに運んで行く方法で実績を作っていくしかないと思います。ただ、輸送費や倉庫代ををかけて紅ほっぺを海外に輸出して本当に儲けが出るのかは怪しいところ。「いちご輸出で稼ぐ」ことはあまり意識せずに、「イチゴ狩り観光客を誘致するためのキャンペーン商品」くらいの位置づけで考えた方がいいかも知れません。

 静岡は、日本のイチゴ栽培発祥の地であります。歴史が違います。うちの近所には「イチゴの自動販売機」もあります。とりたてのイチゴは本当にうまいです。地産地消の美味さにかなうものはないです。イチゴの空中戦、「はー、やってるねー」と言いつつ、利用させてもらえるところは利用して、元祖の余裕をかましてもらいたいものだなと思います。

 

posted by いとちり at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡空港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック