2009年01月28日

福島空港の教訓

今月は、27日にしてアクセス1万1000件を突破。ご愛読ありがとうございます。 

さて、今朝の朝刊1面から。

日航、12路線を廃止・減便 09年度、全日空も10路線

 日本航空と全日本空輸は世界景気低迷による需要減を受け、不採算路線の見直しを加速する。2009年度に日航は国内線・国際線合計で12路線、全日空は10路線前後を廃止・減便する。両社は原油高などを理由に07、08年度も大規模な路線整理に着手しており、3年間で路線が1割減ることになる。削減対象が集中する関西国際空港や地方の経済にも大きな影響を与えそうだ。                                      

 (日本経済新聞)

 計画段階ではあれだけ「いらないいらない」と言われ、今年3月開港予定が測量のミスや反対派の地主が立ち木を切ってくれないということで、開港日がずれ込むと「何やってんだ、とっとと開港しろ」と叩かれまくっている静岡空港。この6月からは、私達も事故ハイジャック、そして「撤退」という言葉に敏感になる県民になるわけです。

 空港ができると、九州が革命的に近くなるなとか、修学旅行はどうなるんだろうとか、高校関係者の間では何かと話題に上る静岡空港ですが、「果たして本当に採算取れるんだろうか」という疑問に対して、格好のケーススタディーがあります。そのうち予算が取れたら是非やってみたいと思う研究、それが「福島空港の研究」です。


福島空港  


静岡空港建設予定地(住所がまだないので、緯度経度でひきました) 

 Wikipediaで福島空港をひいてみましょう。国語の時間じゃないですが、主語を「静岡」に取り替えるだけで、静岡空港の未来が透けて見えるような気がします。

(1)開港は1993年3月20日である・・・・・・静岡も2009年3月開港予定だった。

(2)滑走路は2000m1本で開始・・・・・・・・静岡は2200m

(3)就航地は新千歳、那覇、伊丹、ソウル、上海で、羽田・成田へは飛ばない

・・・静岡もほぼ一緒の条件です。

(4)需要予測達成率は38.0%と、日本国内の空港ではワースト4位であり、運用方法・存在意義が問われている(2006年)⇒静岡もそうか書かれなきゃいいですが・・・。

(5)東京まで新幹線で1時間で行ける。福島市からは、仙台空港に行った方が便利で便数も多い。

浜松の人は中部国際に行き、沼津・三島人は羽田に行きという構図が・・・・・。

(6)那覇空港便は2007年度の搭乗率は63.8%で、修学旅行期には臨時便も運航される。搭乗率60%以上であれば採算が取れると言われる航空路線では悪くない数字であるが、燃料費高騰に加え、団体客が多く1旅客あたりの単価が低いこともあり好調とは言われていない。2008年7月31日に廃止届が提出された。

まさに「豊作貧乏」「薄利多売」。静岡県の高校も沖縄大好き。

 二の舞にならなきゃいいですが・・・・。

(7)広島西飛行場便、福岡空港便 - ジェイエアが2001年4月より開設。2002年3月をもって運休。

   函館空港便 - 中日本エアラインサービスが1995年より夏期季節運航で開設。2001年をもって運休。

ニッチ(隙間)をついて小型機を飛ばす戦略は静岡空港でも検討中。大丈夫か?

(8)仁川国際空港便は開設以来好調に推移している。2005年9月に週3便から週5便に増便されたが、利用率70%程度と好調なものの、1旅客あたりの単価が低く収益が悪いことから、2006年9月に再び週3便に減便した

 福島放送ニュース(2009年1月12日付)によると、福島=仁川便の日本人搭乗率は18.8%とのこと。乗客の8割が韓国人旅行客。特定の国の観光客に頼り、それがパタッと人が来なくなるリスクは、12年前、「アジアからの観光客に支えられて、未来は明るい」という結論で締めくくる寸前に、東アジアで通過危機が起き、すべてを書き直す羽目になった我が修士論文@九州・別府で嫌と言うほど味わいました。

  静岡のゴルフ場が韓国人であふれかえる事はないにしても、搭乗率欲しさに団体客を呼びまくりをしたところで全然儲からないと言う教訓は、肝に銘じておいた方がよいかと思います。

 空港ができれば、確かにこれまで静岡に来るなんて事がなかった人をたくさん呼び込めるかもしれません。しかし、膨大な元手と維持費がかかっているので、利用者と売り上げがどんなに多くても、そう簡単には儲からない巨大なインフラを我々は手にしてしまったわけです。高速道路がドル箱路線ではとっくの昔に建設費の元を取っており、無料化してもいいはずなのに、赤字路線の維持と新たな道路建設の為に延々と料金を払わされているのと同じように、どれだけ県の税収が増えようとも、静岡空港が赤字を垂れ流す限り、どこかが割りを食う事は間違いありません。しかも、パッと見賑わっているように見えるから、たちが悪い。外国人観光客が、自分の田舎ではしゃいでいる姿は、自尊心というか、自己満足度は上がりますし、TV受けするネタです。しかし、客単価が少ない人の行列をどれだけ作ったところで、経営上は全くメリットはないということは、先輩・福島空港が悠然と語っているようにも思います。

 さあ、福島空港の未来はいかに。 静岡空港は、福島の教訓を生かせるかどうか・・・・。

 

posted by いとちり at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡空港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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