2016年11月23日

「高校生津波サミット」に行きます。

 金曜日から、生徒2人を連れて高知県に行きます。

 国連の「世界津波の日」にちなみ、「高校生津波サミット」という国際会議に出ます。

 高知県のサイトへ

 5月ぐらいに県から案内があって、「行く人!」とオープンで言ったら手が挙がったので、じゃあ、準備しようかと出してみたら、静岡県からうちと、もう1校(静岡学園さん)だけなんだそうです。でも、昨年から色々とお世話になっている宮城県立多賀城高校さんとか、この間視察に来ていただいた宮城県立石巻西高校さん、直接勤務はしてませんけど、若いころいろいろ部活とかでお世話になった立命館高校さんとか懐かしい学校の名前も見えて、心強い限りです。

 外国からの参加生徒さんの方が多いようで、私たちの分科会は、中国の生徒さんが議長で、ミクロネシア、パプアニューギニアの方と同じメンバーになります。「津波への備え」という分科会で、うちの生徒も英語で発表するのですが、まあ、いろいろと難しいことを喋ってもいかんだろうということで、毎度おなじみの「デジタル地図帳」を使って防災教育教材を作ったらどうなるんだろうか?というテーマで、沼津市の静浦海岸に行ってフィールドワークとヒアリング(現地の小中学校への売り込み)をした結果を報告します。
で、フィールドワークもあるので、会場の「黒潮町」のハザードマップをタブレットに入れて、現場でデモしようと思っています。

 新幹線と、飛行機と、送迎バスを乗り継いで約9時間の長旅です。めったに出来る経験ではないので、生徒ともども、楽しんできたいと思います。

 主催者に送ってYoutubeにアップするはずの「プロモーションビデオ」なんですが、締切を過ぎて載せられなくなってしまったので、自分の方にアップしました。

いろいろとお問い合わせをいただいておりますが、こちらをご覧いただければと思います。

黒潮町(入野地区)のハザードマップと地形図
これを「デジタル地図帳 黒潮町バージョン」に入れます。
1-黒潮町0011.jpgtosairino.jpg

posted by いとちり at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界地理の教材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月03日

もくじ&立ち読みページ

 版元のベレ出版さんの公式サイトで、目次と立ち読みページが開設されました。
 なるほど、いいところを切ってもらってます。
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 「本シェルジュ」というSNSを教えてもらいました。
 書評とはちょっと違い、自分でテーマに合わせて本棚(本屋さんのWフェア”みたいなもの)を作れるサービスです。「自分の本と並べて売って欲しい」本を見繕ってみました。

ホンシェルジュ本棚
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posted by いとちり at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月01日

タブレットコンピューターを用いた地形図の読図指導(日本地理学会)

 東北大学で行われた日本地理学会で発表してきました。

 地理Aの「自然環境と防災」の実践ですが、2022年度から実施される新必修科目「地理総合」(仮称)を見越して、地形図の読図指導に全く自信のない先生サポート(もちろん、自身のある先生はより分かりやすく効率的に)するための教材としてGISの成果を生かしていこうという趣旨です。

 地形図を読めない子を、読めるように指導するのは大変です。しかも使うのは市販の地形図ではなく白黒の「地形図プリント」のみ。限られた時間の中で、結局教えるのは「尾根線、谷線」や「土地利用」といったもので、後は「センターに出るぞ」で済ましてきた観もあります。また、「防災」のジャンルも、基本的に身近な地域を対象として、「ここが危ないぞ」「怖いぞ」「家建てちゃダメだぞ」的な教訓めいた指導になりがちです。そのあたりをきっちりと批判したうえで、次の新科目につなげていかないと、必修地理総合って、結局は地理Aの焼き直しなんでしょ?という解釈になってしまいます。

 「自然環境と防災」は、地理A独自の単元ですが、その内容は身近な場所の危ないところ探しではありません。今回の実践も、「ほぼ無料、50分完結、教科書準拠」の原則に従って教科書で取り上げている雲仙・普賢岳の災害を取り上げました。「近くのもしも」ではなく、「遠くのリアル」。そして何より「地図から考える」「地図から読み取れることのみを使って議論を組み立てる」(憶測や直感、ネット的知識などの知ったかぶりで被災地を論じない)ことを意識して教材を作りました。

 地形図が読めない、読み方を指導できない人が教壇に立って大丈夫か?高校で地理を履修していない人が地理を教えられるのか?という危惧を持つ人が(特に地理のプロパーに)多くいます。しかし、それは嘆くべき事実ではなく、避けられない現実です。また、高校で地理を履修しなかった(させてもらえなかった)生徒がいるという現実を20年以上にわたって放置してきた責任の一端は、研究者だけでなく、現場の教員にもあることを忘れてはいけません。「地理は、センターで使う理系の科目だから・・・・」「文系は日本史か世界史。これ、常識でしょ」と指導し、後進を育ててこなかった(特に進学校の)先生も責任の一端があります。

 素性はどうあれ、分からないのならば分かるようにするしかない。便利な道具を使って「ああ、地形図ってこういうことか。防災関係の発問って、こんなことを振ればいいのか」と自分も生徒も理解してもらって、そこからOJTで技量を高めてもらっていくしかありません。そのための教材は、実施5年前の今から作っていかなければなりません。

 「読図」や「作図」の指導は、地形図だけではありません。地図帳をどう使うか、白地図をどう使うか、ノートに地図をどう描かせるか、地名や用語はどこまで、どう覚えてもらうか、そして個々の生徒の取り組みや到達度をどう評価するか、興味を持って「ツボ」にはまった生徒をどう引き立てて、地域に関わらせていくか、「地理の先生」として要求される技能は多々あります。それら一つ一つを見える化、言語化して伝えていくことが必要です。

 危惧するところでは、そうしたステップを一切踏まずに「必修の地理?ああ、世界情勢と時事問題を面白おかしく語っておけばいいんだ」と、ろくに教科書も地図も使わずに我流で勝負してしまう先生、そして一緒に組む相手にもそれを押し通してしまう先生が蔓延してしまうところです。「防災」も、センセーショナルな映像を見せて、ちょこっと背景を説明して、「いつか、自分達も・・・・」なんて危険を煽る、あるいはメディアの焼き直しで「だから行政は・・・」みたいな感じの犯人探しの授業があちこちで行われるかもしれません。現に公民科の「現代社会」がそんな感じになってしまっている場面を多々目にしてきました。一頃よりだいぶ少なくなったと思いますが、「教科書は使わない」「指導書なんか、見もしない」「学習指導要領なんて、新採の時以来見たこともない」なんていうベテランが陥りやすい「我流の罠」です。

 そうならないために、何はともあれ「地図を使う」「地図で教える」ことは徹底していくべきだと思いますし、若手がうっかりそういう残念な先生と組んでしまったとき、自分の頭で考え、自分で教材をアレンジできるように、現物を用意し、手が届くところに届ける仕組みを今から作っておくべきだと思います。

 プレゼンの後、そうした理想を浸透させる(質問された方の言葉を借りればW闘う”)の担い手は誰か?と聞かれました。「自分は地理のプロパーだ」と思っている先生方がまとまることは第一だと思いますし、教育の内容と質を一定に保つ教育行政上の施策も大事だと思います。ただ、一番浸透しやすく、影響力があるのはそれ以上に教科書会社が出す出版物(特に資料集と地図帳、関連教材)だと思います。 
 今、某社の指導書の附属DVD教材集に原稿を書いていますが、教科書や資料集、社が出すサポート教材を組織的に作っていくことが何より重要かと思います。内容は全く同じでも、個人がこうやってブログに載せたり学会で発表するのと出版物で出るのとでは浸透力が違います。書く側も、「編集のプロ」の冷静かつ客観的な指摘を受けてブラッシュアップできます。今、「教科書」の書き手は圧倒的に大学の先生が多くを占めていますが、「資料集」や「教材集」の編さんに現場の先生方が積極的に関わるようにして、
来たるべき必修・地理に備えていくべきではないかと思います。


 また「地形図」以外の素材も作りつつ、提案していく機会があると思いますが、今回やってみて感じたことは、「大きい地図を囲むのは楽しい」ということです。タブレットは、あればあるに越したことはないですが、虫眼鏡みたいなものなので、なければないで、プロジェクタで代用はききます。むしろ放っておくと「おもちゃ」になる危険性もありますので、ケースバイケースかなと思いました。大きい地図を囲んでお互いに教えあいながら地図を読み、その上で各自のノートやワークシートに言語化して行く・・・・「アナログか、デジタルか?」の二者択一ではなく、アナログな作業を円滑に進めるためのデジタル(で作った教材)でいいんじゃないかと思いました。また、「アクティブラーニングをしよう」と肩ひじ張るのではなく、こういう共同作業的なことが結果的にアクティブになっていればいいんじゃないかと思っています。

 いろいろ応用が利くと思いますので、単元を変えて、対象を変えて、また試してみたいと思います。

【予稿】



posted by いとちり at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 学会発表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月27日

立ち読みはこちらから

 発売から2週間。おかげさまで、いろんな方に読んでいただいているようです。ありがとうございます。
 さて、ちょっと中身を見られないかな?という方(Amazonでは中身を見られません)、こちらのサイト
では「立ち読み」がありました(↓本の表紙をクリックするとリンクします)

tachiyomi.jpgheading_logo001.gif

 それから、東京と首都圏限定ですが、東京都書店組合青年部による「東京都書店案内」で、拙著の在庫状況を表したマップが見られます。
 地方(自分のまわり)ではあまり扱ってくれていませんが、都心の大きな書店にはだいたい置いて頂いているようです。
 黄色は「在庫あり」、赤は「注文取り次ぎ」です。このサイト、タイトルを入れれば在庫状況がわかります。小説とか、コミックとかタイトルを入れて取扱店の「地理的分布」を調べてみるのも面白いと思います。
(地図をクリックするとサイトにリンクします)

zaiko.jpg

写真は、東京駅八重洲口の「八重洲ブックセンター」での様子です。
K様、写真をありがとうございました。
yaesu.jpg  
重版もかかり、好調です。
お近くの本屋で見つけたら、ぜひ手に取ってご覧ください。
posted by いとちり at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月22日

重版出来・肉食の地図(世界)

 発売から10日ほど経ちました。
 おかげさまで、重版です。ありがとうございます。

 さて、今回は5章−05(102〜105p)、「肉食の地図」の画像とGISデータをアップします。
 「肉」といえば何肉か、1人あたり消費量からその地域性を探ってみました。
 「欧米では・・・」「欧米風の食生活」なんて言いますが、歴史的な背景や農業のスタイルの違いからか、
「欧」と「米」ではだいぶ違うようです。あと、中東でWチキン”の消費が多いですが、本文にも書いた通り、そのほとんどは輸入に頼っています。Wハラルミート”の国際ネットワークがあるようです。

牛肉の消費量.png一人当たり牛肉の消費量豚肉の消費量.png一人当たり豚肉の消費量
鶏肉の消費量.png一人当たり鶏肉の消費量

GISソフト「MANDARA」用データはこちら。

出典:独立行政法人農畜産業振興機構「年報 海外編2003年度 資料編」

※元データはUSDA「Livestock and Poultry: World Markets and Trade」
ただし現在は主要国のみ公開されており、各国別のデータはここから得ることはできない。


chizuka.jpg 「地図化すると世の中が見えてくる」(ベレ出版)(税込:1620円)

お求めは、全国主要書店、またはこちらからどうぞ。
amazon-featured-image.jpg 「その他地図・関連書籍」部門1位

honto.jpg 「地理学」部門 週間ランキング3位

kinokuni.jpg WebストアにてW平積み”販売展開中


posted by いとちり at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 地図化すると | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする