名古屋学院大学で行われた、日本地理教育学会で発表しました。
地図の調理実習の概略と、1学期までの実践報告です。
フィールドワークにGIS、「時間も、設備も、スキルもない」とぼやく現場と、「学習指導料の理念が全く浸透していない」(なんとかせい)と鼓舞するマネジメント側・・・どっちもどっちなんですが、忘れてならないのは、素材の目利きも料理(地図描き)も、一朝一夕ではうまくならないということです。
春先にちょろっとGISを体験させて、ずーっとほっぽらかして、3学期になって思い出したかのように「防災」を講じて「さあ、なんか調べてレポートせよ」といって、前菜からデザートまでのフルコースを作れるでしょうか?成績になるからといって、一度に200人前を賞味する1人の教員のために腕によりをかけてレポートを書くでしょうか?まあ、何もしなければそういう「お品書き」なのです。
「ほぼ毎時間GIS」も、「学期に3回調理実習」も、決して奇をてらった実践ではありません。料理にせよ、勉強にせよ、うまくなりたければ毎日のように道具に触って、手を動かして、オーダーに答えなければなりません。また、全員が全員プロの料理人になるわけではありませんが、常に誰かに見せる(試食)を繰り返すことで、スキルアップしていくのではないでしょうか?
「サラダロール」「ちらし」「ピクルス」など、学会発表らしからぬ用語が並んでますが、それぞれのネーミングは、やってもらいたいことを端的に表しているのではないかと思いますし、「調理実習」にふさわしいと思います。おかげさまで、これらの「単品もの」のノウハウ
と、「コース料理」(テーマを定めた探究レポートのヒント)をまとめたレシピ集の出版企画が通りました。来年の春頃には、全国の高校の教室で「ねぇねぇ、宿題の”ちらし地図”やった?」「お前の照り焼き地図、やばいなー」みたいな会話が展開されるものと・・・。
地理総合のノウハウの土台を固めて、来年はこの上に「地理探究」の面白い実践を建てられればと思います。
発表スライドをどうぞ。